SAKE BREWERY — KYOTO
城陽酒造
紹介
1895年(明治28年)に「島本酒造部」として本格的な酒造りを開始し、1973年に城陽酒造株式会社を設立した京都府南部・山城地域唯一の酒蔵です。木津川の地下100メートルから汲み上げた豊かな伏流水を用い、全量酒造好適米(山田錦、五百万石、祝、愛山など)を使用した小仕込みによる丁寧な酒造りを行っています。
「美感遊創」を企業コンセプトとし、無濾過原酒、瓶燗火入れ、冷蔵瓶貯蔵にこだわり、米本来の旨味とフレッシュな味わいを生かした京の食中酒を手がけています。代表銘柄には地元中心に展開する「城陽」、創業者の名を冠した専門店限定流通銘柄「徳次郎」、さらに「建都」などがあります。また、地元・青谷梅林産の梅「城州白」を使用した長期熟成梅酒づくりにも力を入れており、フランスの品評会「Kura Master 2025」で金賞を受賞するなど高い評価を得ています。
歴史
城陽酒造の始まりは、山城地域で金融業を営んでいた島本家の分家にさかのぼります。同家では江戸時代後期の文政年間ごろから、副業として少量の酒造りを手がけていたと伝えられています。この家業としての酒造りを本格化させたのが1895年(明治28年)10月で、「島本酒造部」を組織し、現在の蔵を新たに建てて酒造りを正式な事業として始めました。京都府南部・山城地域では唯一の酒蔵として、以来一世紀以上にわたり地域に根ざした醸造を続けています。
戦後、島本酒造部は復興期の需要に支えられて生産を拡大し、最盛期には現在の約10倍にあたる規模で日本酒を製造していた時期もありました。事業の広がりを受けて1973年(昭和48年)9月には組織を法人化し、「城陽酒造株式会社」として新たなスタートを切りました。その後、清酒需要の全国的な縮小とともに規模を見直し、現在は総米1トン以下の小仕込みにこだわる小規模な蔵として、量よりも品質を重視する経営に軸足を移しています。
1991年にはリキュール製造免許を取得し、地元・青谷梅林産の梅を使った梅酒づくりに新たに乗り出しました。青谷梅林は京都府城陽市に広がる梅の産地で、そこで育つ大粒で果肉が厚く香り高い品種「城州白」を原料に、最低3年以上をかけてまろやかに熟成させる長期熟成梅酒を手がけています。この梅酒は日本酒と並ぶ蔵の看板商品に育ち、フランス発の品評会「Kura Master」の2025年度梅酒コンクールでは、長期熟成梅酒「城州」が金賞を受賞しました。
現在は四代目にあたる島本稔大氏が代表取締役社長を務め、従業員数約10人という小規模な体制で酒造りを続けています。蔵のコンセプトに掲げる「美感遊創」は、美しく感性に訴えるものがあり、遊び心と独創性を兼ね備えているという意味を込めた言葉で、社員が日々の課題に失敗を恐れず取り組む姿勢を表しています。良い原料を惜しみなく使い、手間ひまを惜しまない特定名称酒中心の醸造を貫く姿勢が、京都府南部で唯一の蔵として今日まで続く理由となっています。
酒造り
城陽酒造の酒造りは、10月から3月にかけての寒仕込みを基本とし、杜氏を中心とする約5人の蔵人が毎日早朝3時ごろから作業を始め、ほぼ手造りで仕込みを行っています。総米1トン以下という小仕込みで醪の管理を行うことで、一本一本の状態を細かく見極めながら醸造できる体制を保っています。火入れには瓶燗火入れの手法を採用し、瓶詰めした酒を1本ずつ湯煎にかけるという手間のかかる工程を経て出荷しています。
仕込み水には、蔵の地下100メートルから汲み上げた軟水(硬度18mg/L)を使用しています。京都府南部・山城地域は木津川の伏流水に恵まれた土地で、この良質な地下水が酒質を支えています。使用する米は全量が酒造好適米で、京都府産の「祝」「五百万石」、兵庫県産の「山田錦」「愛山」など、契約栽培による米を用いています。良い原料を使い、手間ひまを惜しまない特定名称酒中心の醸造によって、料理を引き立て飲み飽きしない京の食中酒を目指しています。
蔵データ
代表銘柄
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- 建都
徳次郎:創業家である島本本家に代々襲名されてきた名を冠し、全国の特約酒販店限定で流通する銘柄です。飲食店での需要を主なターゲットに、京都府産「五百万石」を使った定番酒を中心に展開しており、季節限定酒には兵庫県産「山田錦」を用いたものもあります。
城陽:城陽は、地元・山城地域を中心に展開する城陽酒造の基本銘柄です。全量酒造好適米を用い、精米歩合65%前後から30%前後まで幅広いラインナップを揃えています。京都府産の「五百万石」「祝」に加え、兵庫県産の「山田錦」も使用し、木津川の伏流水で仕込んだ、料理に寄り添うまろやかな味わいを持つ食中酒として親しまれています。
建都:建都は、兵庫県産の酒造好適米「山田錦」を用いた純米大吟醸酒として、数量限定・期間限定で流通する銘柄です。城陽酒造が手がける総米1トン以下の小仕込みによる丁寧な醸造で、山田錦らしい上質な香味を生かした特別な一本として位置づけられています。1800ml・720mlの2サイズで販売され、日常の「城陽」とは異なる位置づけの限定酒として、取扱店で販売されています。
見学・購入
なし
酒蔵に隣接する直売所があり、清酒や長期熟成梅酒のほか、たれくち酒無濾過生原酒、酒粕、量り売り限定酒などを購入できます。営業時間は9時から17時、営業日は月曜日から土曜日で、日曜・祝日は休みです(12月は日曜・祝日も営業)。
蔵見学は受け付けていません。駐車場は5台分あります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
joyo-shuzo.co.jp / sakeproject.jp / city.joyo.kyoto.jp / goshu-pro.jp / sakagura-press.com / joyo-enjoy.jp / sakenomy.jp / saketime.jp / kuramaster.com / nikkei.com / sakenoyamamoto.jp
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