SAKE BREWERY — KYOTO
齊藤酒造
紹介
齊藤酒造は、元禄年間から京都・伏見の地で呉服商「井筒屋伊兵衛」を営んでいた齊藤家が、1895年(明治28年)に酒造業へ転じて創業した蔵元です。創業当初は「柳正宗」や「大鷹」といった銘柄で販売していましたが、1915年(大正4年)の大正天皇御即位の御大典を記念し、現在の代表商標である「英勲(えいくん)」へと改めました。
酒造りにおいては、京都府産の酒造好適米「祝(いわい)」をはじめとする地元産の米や水に強いこだわりを持ち、「料理を引き立てる食中酒」を基本姿勢に掲げています。伝統の技と近代的な設備を融合させ、丁寧な酒造りを続けており、その高い醸造技術は全国新酒鑑評会での14年連続金賞受賞などの実績によって裏付けられています。代表銘柄の「英勲」のほか、「古都千年」「一吟」「井筒屋伊兵衛」「水天一碧」などの銘柄を手掛け、日本国内のみならず海外へも展開しています。
歴史
齊藤酒造の起源は江戸時代の元禄年間にさかのぼります。同家の遠祖は大坂・泉州の出身で、「井筒屋伊兵衛」の名で京都・伏見に移り住み、呉服商を営んでいました。江戸へ送る上質の京呉服を扱う商機を求めて伏見に出たと推測されています。
しかし慶応4年(1868年)の鳥羽伏見の戦いで井筒屋の店舗は焼失し、その後の鉄道敷設に伴う物流の変化も呉服商としての事業に打撃を与えました。九代目当主・齊藤宗太郎は事業の先行きに思い悩んだ末、大阪の稲荷社で辻占いに頼ったところ「酒屋がよろしかろう」との答えを得たと伝わります。妹が伏見の造り酒屋に嫁いでいた縁もあり、明治28年(1895年)に酒造業への転換を決断し、齊藤酒造を創業しました。
創業当初の商標は「柳正宗」「大鷹」でしたが、大正4年(1915年)、十代目・貞一郎が大正天皇の御即位を祝う御大典を記念して、現在の代表商標「英勲」に改めました。
戦後の昭和35年(1960年)に株式会社化し、昭和49年(1974年)には現在の所在地である伏見区横大路三栖山城屋敷町へ移転して近代的な蔵を新築しています。平成2年(1990年)には十二代目・齊藤透が32歳で経営を継承し、特定名称酒中心へと路線を転換しました。2022年に十三代目・齊藤洸が社長に就任しています。
酒造り
齊藤酒造は原料米に京都府産米を用いることに強くこだわっており、中でも京都府でのみ栽培されている酒造好適米「祝」を積極的に取り入れています。「祝」は米粒が大きく心白が鮮明に表れる品種で、搗精しやすく低蛋白質という特性から吟醸酒向きの原料米とされています。
酒質の方向性としては「料理を引き立てる食中酒」を基本姿勢に掲げ、上品な香りと飲みやすい味わいの調和を重視しています。長年蔵に受け継がれてきた技術と近代的な醸造設備を組み合わせることで、品質の安定を図っています。
代表銘柄「一吟」や「井筒屋伊兵衛」の純米大吟醸では、山田錦や「祝」を精米歩合35%まで磨き上げるなど高精白の原料米を用いる一方、「古都千年」の純米吟醸には精米歩合55%の「祝」を用いてキリッとした口当たりとキレの良さを引き出すなど、銘柄ごとに精米歩合を作り分けています。
蔵データ
代表銘柄
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- 水天一碧
- 井筒屋伊兵衛
- 一吟
水天一碧:晴れ渡った海上で海と空の青が一つに溶け合う情景を銘柄名に込めた純米大吟醸です。山田錦を精米歩合45%まで磨き上げて醸しており、透明感のあるすっきりとした味わいと、主張しすぎない穏やかな吟醸香を併せ持ち、比較的辛口に仕上げられています。
古都千年:京都府だけで栽培される酒造好適米「祝」を伏見の水で醸した銘柄です。純米吟醸は精米歩合55%の「祝」を用い、米本来の旨みとなめらかな口当たりに加え、キリッとした後味とキレの良さ、程よい辛さを引き出した味わいに仕上げています。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の受賞歴もあります。
英勲:ラインアップの中で標準的な位置づけとなる「英勲 純米酒」は精米歩合60%、日本酒度+3で仕込まれています。ほのかな香りが口全体に広がり、透明感のあるスッキリとした軽快な味わいで様々な料理と相性が良い食中酒です。冷やでは穏やかな辛さとキレ、燗をつけると米の旨みが立つコックリとした味わいに変化します。
井筒屋伊兵衛:齊藤家の始祖であり呉服商時代の屋号を名に受け継いだ純米大吟醸です。「祝」を精米歩合35%まで磨き上げて醸しており、華やかな上立ち香とやわらかく深みのある味わい、フルーティーな吟醸香を併せ持ちます。蔵のラインアップの中ではやや濃醇な位置づけの酒質とされています。
一吟:山田錦を精米歩合35%まで磨き上げて醸した純米大吟醸です。溢れるようなフルーティーな吟醸香と、奥行きのある優雅な味わいを兼ね備え、やや辛口に仕上げられています。IWC2008で金賞、全米日本酒歓評会2008でも金賞を受賞しました。
見学・購入
なし
通常の蔵見学は実施されていませんが、毎年春と秋に蔵開きイベントが開催されています。2026年3月14日(土)の開催回では、先着300名への振舞い酒や有料試飲コーナー(カップ1杯またはボトル1本300mlが500円)、限定酒・定番酒・酒粕などの物販が行われました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
kyoto-kankou.or.jp / eikun.com / fushimi.or.jp / kyoto-miyage.gr.jp / sakenomy.jp / s-usui.jp / kuramotokai.com / totteoki.kyoto.travel
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