SAKE BREWERY — KYOTO

向井酒造

京都府与謝郡伊根町平田67 1754年創業

紹介

京都府与謝郡伊根町に位置する向井酒造は、宝暦4年(1754年)創業の歴史ある酒蔵です。伊根湾に面した「舟屋」の町並みに蔵を構え、「日本で一番海に近い酒蔵」としても知られています。全量純米造りを採用し、地元の魚介類をはじめとする地の食材に寄り添う食中酒を醸しています。

現在は京都府初の女性杜氏となった向井久仁子氏が酒造りを率いており、伝統的な仕込みを守りつつ独創的な酒造りを行っています。代表銘柄の「京の春」は米の旨みを感じる辛口の味わいが特徴です。また、古代米(赤米)を用いた赤い日本酒「伊根満開」は、果実のような甘酸っぱさとフルーティーな風味で話題を集め、2019年のG20大阪サミットの昼食会でも提供されました。さらに、白麹で仕込んだ甘酸っぱい酸味が特徴の「夏の想い出」など、多様な味わいのお酒を手掛けています。

歴史

向井酒造は宝暦4年(1754年)9月14日、京都府与謝郡伊根町で創業しました。伊根町は舟屋と呼ばれる、1階が船のガレージ、2階が居住空間になった独特の建物が湾を取り囲むように並ぶ港町で、向井酒造もこの舟屋群の一角、海までわずか1メートルという場所に蔵を構えています。そのため「日本で一番海に近い酒蔵」と紹介されることが多く、あわせて「日本で一番狭い蔵」としても知られています。伊根町内で酒造りを続ける蔵は同社のみです。

道路網が整っていなかった時代には、蔵のそばの船着き場から宮津まで船で酒を運んでいたと伝えられており、海運とともに歩んできた歴史がうかがえます。創業から260年以上にわたり、家族経営で酒造りを受け継いできました。

当主の長女として生まれた向井久仁子氏は、東京農業大学醸造学科を卒業後、埼玉県の神亀酒造への修行が内定していましたが、父親が伊根町長選挙に出馬することになったため急きょ実家に呼び戻されて蔵入りし、平成11年(1999年)に23歳で杜氏に就任、京都府内で初めての女性杜氏となりました。

現在は弟の向井崇仁氏が平成26年(2014年)に代表取締役に就任し、姉が杜氏として醸造を、弟が経営を担う姉弟二人三脚の体制をとっています。従業員は蔵全体で5人という小規模な体制で、伝統を守りながら独創的な酒造りを続けています。久仁子氏は、蔵で見つけた父親仕込みの12年常温熟成純米吟醸生原酒の味わいに衝撃を受けた経験を語っており、この熟成酒の味を自らの手で再現することを目標の一つに掲げています。

酒造り

久仁子氏の酒造りの根底には、大学時代の恩師である竹田正久教授から学んだ「米と水だけの日本酒でも、造り方次第で味わいの幅は大きく広がる」という考え方があります。山廃仕込みや生酛仕込みといった手間のかかる伝統的な酛づくりを取り入れながら、程よい苦みや酸味を残し、料理との相性を重視した食中酒としての酒質を追求しています。

蔵の建物は道路を挟んで母屋側と海側に分かれており、母屋側で蒸したお米はエアーシューターで公道の地下を通し、海側の仕込み建物へ送り込まれます。仕込みを終えた醪は反対にホースで母屋側へ送られるという、敷地の制約を逆手にとった独自の設備で酒造りが行われています。

代表銘柄「京の春」では、商品ごとに岡山県産や地元伊根町産の雄町、京都府産の京の輝きなどを使い分け、いずれも米の旨みを生かした酒質に仕上げています。看板商品「伊根満開」には、久仁子氏が大学の卒業論文で取り上げた古代米「紫小町」を地元農家の協力で栽培してもらい使用しており、醸造アルコールを添加しない造りで米由来の味わいを大切にしています。

蔵データ

所在地

京都府与謝郡伊根町平田67

創業

1754年(京都府)

公式サイト

kuramoto-mukai.jp

代表銘柄

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京の春:岡山県産や地元産の雄町、京都府産の京の輝きなど商品ごとに米を使い分ける純米酒で、米の旨みを生かした味わいが特徴です。純米大吟醸やにごり酒などバリエーションも展開しており、向井酒造の伝統的な酒造りを受け継ぐ代表銘柄として親しまれています。

伊根満開:古代米「紫小町」を用いた赤い日本酒で、林檎を思わせる爽やかな酸味とロゼワインのような色合い、フルーティーな風味が特徴です。醸造アルコールを添加しない造りで、令和元年のG20大阪サミット昼食会でも提供されました。海外の高級レストランでも扱われ、蔵全体の売上の約半分を海外向けが占めるまでになりました。

夏の想い出:五百万石を精米歩合70%まで磨き、焼酎麹(白麹)で仕込んだ純米酒です。レモンのような爽やかな酸味と米由来の甘みが調和した味わいで、燗をつけると酸味と甘みがより引き立ちます。久仁子氏が平成11年に初めて手がけた一本を今も蔵で熟成させ続けている、思い入れの深い銘柄です。

見学・購入

直売所

伊根町字平田67の蔵敷地内に直売所があり、代表銘柄や限定酒を購入できます。

補足

営業時間は9時から17時(昼休み12時から13時)、定休日は木曜日と年末年始です。専用駐車場はなく、近隣の伊根浦公園駐車場の利用が案内されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sake-times.com / kuramoto-mukai.jp / wikipedia.org / kyoto-nishimurasaketen.com / osaketo-washoku.jp / katidoki.com / s-usui.jp / uminokyoto.jp / japansake.or.jp / tango-kingdom-onlineshop.com / ja.wikipedia.org / musicbird.jp / ine-kankou.jp / jozo.or.jp

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