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神戸酒心館

代表銘柄:福寿・あわ咲き

兵庫県

HYOGO

1751年創業

神戸酒心館の正面玄関
神戸酒心館の正面玄関(2016年撮影)「Shushinkan gate.JPG」 — 写真:Mandm / CC0縮小・WebP変換

1751年(宝暦元年)創業。兵庫県神戸市東灘区の「灘五郷・御影郷」に位置する蔵元で、代表銘柄に「福寿」や発泡純米酒の「あわ咲き」などがあります。名水百選に選ばれる「宮水」を仕込み水に使用し、兵庫県産米を100%用いて麹を手手造りするなど、手仕事にこだわる酒造りを行っています。2006年に杜氏制度を廃止し、翌2007年から社員による酒造りへと移行しました。

1995年の阪神・淡路大震災では木造蔵が全壊する大きな被害を受けましたが復興を果たし、現在は醸造棟「福寿蔵」をはじめ、蔵元ショップや料亭、多目的ホールを備えた複合施設を展開しています。看板商品である「福寿 純米吟醸」はノーベル賞関連の公式行事で提供された実績を持ち、全国新酒鑑評会で通算20回以上の金賞を受賞するなど国内外で高い評価を得ています。近年は製造工程におけるCO2排出量実質ゼロ(カーボンゼロ)を達成するなど、持続可能なサステナブルな酒造りにも積極的に取り組んでいます。

神戸酒心館の歩み

神戸酒心館は、宝暦元年(1751年)に現在の神戸市東灘区御影塚町にあたる地で酒造りを始めた蔵元です。灘五郷のうち西から二つ目にあたる御影郷に位置し、震災で被災するまでは「福寿酒造株式会社」の社名で「福寿」を醸してきました。「福寿」という酒銘は、七福神の一柱である福禄寿にちなみ、飲む人のもとへ福がもたらされるようにとの願いが込められています。

創業以来270年余りの歩みは平坦ではありませんでした。太平洋戦争中には近隣にあった軍需工場が空襲の標的となり、蔵も壊滅的な被害を受けています。さらに1995年1月17日の阪神・淡路大震災では、石屋川沿いに江戸時代から建っていた木造の一号蔵をはじめ、灘五郷一帯のほとんどの木造蔵とともに全壊しました。蔵で働く人たちに人的被害はなかったものの、仕込み中や貯蔵していた酒は失われています。

法人としては1996年5月に株式会社神戸酒心館として設立され、同じ震災で蔵を失った豊澤酒造(東灘区魚崎南町で1887年から酒造業を営んでいた蔵元)とともに、1997年12月20日、醸造棟「福寿蔵」に蔵元ショップ・料亭・多目的ホールを備えた四棟からなる複合施設として新たな神戸酒心館を開業しました。再建にあたっては日本で初めての免震構造を醸造棟に採用したほか、被災した木造の貯蔵蔵を保存して現在の酒心館ホール(豊明蔵)とし、石屋川沿いの一号蔵で使われていた古材も新しい建物に活かしています。

この功績により、1998年には神戸市建築文化賞の復興建築賞を受けました。

経営は家族経営で受け継がれ、2011年に代表取締役社長に就任した十三代当主・安福武之助のもとで、観光事業・飲食事業を含めた複合施設としての事業が発展しました。2026年7月には、安福武之助が代表取締役会長に就き、十三代から数えて十四代目にあたる久保田博信が新たに代表取締役社長に就任して、現在に至ります。

酒造りの特徴

仕込み水には、環境省の名水百選に選ばれている「宮水」を使用しています。宮水はもともと西宮で湧く水で、現在は自社の井戸で汲み上げるのではなく西宮から購入して用いています。この宮水に、蔵人が選び抜いた性質の異なる水をブレンドすることで、口当たりのまろやかさやふくよかさを引き出しており、蔵人は「きき酒」ならぬ「きき水」を日常的に行って水の性質を見極めています。原料米は兵庫県産を100%使用し、主力の山田錦は六甲山の北側にあたる神戸市北区大沢地区の農家と村米制度(契約栽培)を結んで確保しています。

冬季には、六甲おろしと呼ばれる寒風をダクトで醸造棟に取り込み、大吟醸クラスの酒を中心に「寒造り」を行っています。麹造りは手造りで行い、大吟醸には全国でも珍しい「たらい麹法」を採用しています。

酒造りの体制は、2006年に伝統的な杜氏制度を廃止し、2007年からは社員による通年雇用の体制に移行しました。工程をデータで管理し新技術を導入することで、早朝勤務や深夜勤務に頼らない酒造りを実現しています。現在は醸造部部長の宮本哲也が杜氏の役割を担い、兵庫県技能顕功賞を受賞しています。

全国新酒鑑評会では、1999年(平成10酒造年度)の金賞を皮切りに6年連続で金賞を受賞しました。平成14酒造年度以降の入賞酒目録だけでも、平成14・15酒造年度、平成22・23酒造年度、平成26酒造年度から平成30酒造年度にかけての5年連続、令和2酒造年度、令和4酒造年度から令和7酒造年度にかけての4年連続を含め、14回金賞を受賞しています。令和7酒造年度の「福寿 超特撰 大吟醸」による金賞は、4年連続、通算22回目の受賞となりました。

国税局管内の鑑評会でも、平成30年度の大阪国税局清酒鑑評会で「吟醸酒」において優秀賞を受け、令和元年度には「吟醸酒」「燗酒用清酒」の両部門で優秀賞に選ばれています。国際的な品評会でも、2026年のインターナショナル・ワイン・チャレンジで「福寿 大吟醸」が通算4回目となる金賞を受け、2025年には「福寿 生酛 純米酒」も金賞を受賞しました。

2016年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでは「福寿 寒造り 本醸造原酒」と「壱 生酛純米酒」が金賞をダブル受賞し、「壱 生酛純米酒」は兵庫トロフィーを受賞して輸出市場の拡大につながりました。クラマスターでは、2024年に「福寿 純米大吟醸 黒ラベル」が純米大吟醸酒部門でプラチナ賞を、2025年には有機JAS認証の「福寿 未来への一滴 山田錦」が純米酒部門で金賞を受賞しています。

このほか、インターナショナル・サケ・チャレンジでの最高金賞、全米日本酒歓評会での金賞、SAKEコンペティションでの金賞も得ています。

看板商品の「福寿 純米吟醸」は2008年以降、ノーベル賞授賞式後の公式行事の提供酒に採用されており、2025年1月時点で11回にわたって供されています。2019年3月にはストックホルムでカール16世グスタフ国王・王妃臨席のもとで開かれた晩餐会でも、列席者600名に日本酒として唯一提供されました。近年は環境面での取り組みにも力を入れており、使用電力を再生可能エネルギーに切り替え、都市ガスもカーボンニュートラルなものへ移行したことで、清酒の醸造工程におけるCO2排出量を実質ゼロにしています。

2022年10月に発売した「福寿 純米酒 エコゼロ」は、この仕組みで醸造工程のカーボンゼロを達成した世界初の日本酒です。

代表銘柄

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福寿

「福寿」は、七福神の一柱である福禄寿にちなんで名づけられた神戸酒心館の看板銘柄です。名水百選「宮水」と兵庫県産の酒米を用いて醸され、なかでも純米吟醸は2008年以降ノーベル賞授賞式後の公式行事の提供酒に採用されてきました。全国新酒鑑評会では令和7酒造年度まで通算22回の金賞を受けているほか、インターナショナル・ワイン・チャレンジやクラマスターなど海外の品評会でも高い評価を得ています。

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あわ咲き

「あわ咲き」は、瓶内できめ細やかな泡を生み出す発泡純米酒です。アルコール度数は清酒より低い6度で、日本酒に馴染みの薄い人や女性にも親しみやすい味わいに仕上げています。世界最優秀ソムリエに輝いたパオロ・バッソ氏が世界一を決める大会の決勝の舞台で推薦したことでも知られ、スウェーデンやドイツなど海外へも輸出される人気商品です。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵元ショップ「東明蔵」では、蔵限定の「福寿」や酒粕を使った食品、蔵元特製のソフトクリームなどを販売しているほか、蔵直採りの生酒の量り売りや無料のきき酒も行っています。営業時間は10時から18時30分で、1月1日から3日は休業です。
補足
有料の蔵見学では特別見学とプレミアム酒のテイスティングを、無料の蔵見学では映像鑑賞とガラス越しの蔵内見学を受け付けており、無料プランは事前予約制、有料プランは当日まで予約を受け付けています。敷地内の「蔵の料亭 さかばやし」では、震災で倒壊した蔵の一部に使われていた赤松材を再利用したテーブルや、酒槽に使われていた榧材の珍しいテーブルで、地元の旬菜や生原酒を楽しめます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
兵庫県神戸市東灘区御影塚町1-8-17
創業
1751年
公式サイト
www.shushinkan.co.jp

出典

japansake.or.jp / 19950117hyogo.jp / ikkanrou.co.jp / enjoyfukuju.com / city.okayama.jp / premium-j.jp / shushinkan.co.jp / j-hiroba.jp / feel-kobe.jp / ja.wikipedia.org / nrib.go.jp

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