SAKE BREWERY — NARA

梅乃宿酒造

奈良県葛城市寺口27番地1 1893年創業

紹介

梅乃宿酒造は、明治26年(1893年)に奈良県葛城山の麓で創業した酒蔵です。酒銘の「梅乃宿」は、旧蔵の庭にあった樹齢約300年の梅の古木に鶯(ウグイス)が飛来し、その風雅なさえずりを楽ませてくれたことに由来しています。

清酒発祥の地とされる奈良で、葛城山系の伏流水を用いて少量高品質な地酒造りに取り組んできました。伝統的な酒造りを基礎としながらも時代に応じた改革を進めており、2017年には従来の杜氏制から社員によるチーム制の醸造体制へ転換しました。また、日本酒仕込みの梅酒や果肉をふんだんに使用した「あらごしシリーズ」、低アルコール微発泡日本酒「月うさぎ」など、新たな発想によるヒット商品を数多く展開しています。

2022年には本社・酒蔵を現在の葛城市寺口へと移転・新築し、2025年には「令和6年度奈良県100年企業顕彰」を受賞するなど、伝統を守りながら「新しい酒文化の創造」に向けた挑戦を続けています。

歴史

梅乃宿酒造は1893年(明治26年)、初代・吉田熊太郎が「吉田熊太郎商店」として創醸したことに始まります。1926年に2代目・吉田熊司が、1950年に3代目・吉田武司が家督を継ぎ、この3代目の代に法人化されて「梅乃宿酒造株式会社」となりました。

自社ブランド「天下一」は1960年に3500石の売上を記録するまでに成長し、1965年には但馬杜氏の石原鉄男が杜氏として就任、1979年からは吟醸酒の本格的な醸造を開始しています。1984年に4代目・吉田暁が就任し、1987年には自動精米機を導入して設備の近代化を進めました。

1989年には蔵人の年間雇用化に着手し、1991年には日本で初めてイギリス人を蔵人として採用したとされています。1995年に南部杜氏の高橋幹夫が就任し、1997年には第1回の蔵開きを実施しました。2001年にリキュールと焼酎の製造免許を取得して東京事務所を開設し、2002年には梅酒や焼酎の海外輸出を開始しています。2010年には南部杜氏の北場広治が就任しました。

2013年、創業120周年にあたる年に5代目・吉田佳代が蔵元に就任しました。2017年には杜氏制からチーム制の製造体制へと転換し、2018年には経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定されています。2020年にスピリッツ製造免許を取得したのに続き、2022年には本社・製造場を現在の葛城市寺口へ移転し、130周年記念酒「あらごしみっく酒」を発売しました。2024年には「UMENOYADO GIN」を発売するなど酒類のジャンルを広げ、2026年4月には東京証券取引所スタンダード市場へ上場しました。

酒造り

梅乃宿酒造の酒造りは、奈良県葛城山系の伏流水と、山田錦を100%使用した酒造好適米を柱としています。看板商品の「純米大吟醸 山田錦」は精米歩合50%まで磨き上げるなど、高精米による酒質を追求しています。

2017年には、それまで杜氏一人に醸造を委ねてきた杜氏制から、社員が役割を分担して酒造りを担うチーム制へと製造体制を転換しました。個人の経験や勘に依存せず蔵人同士で情報を共有しながら仕込みを行う体制へ移行したことで、造り手の交代や季節に左右されにくい品質の安定化を図っています。

通年商品の「純米大吟醸 山田錦」「純米吟醸」「純米」などの標準ラインアップに加え、岡山県高島地区の雄町を用いて生酛で仕込む「純米吟醸 高島雄町 生酛 無濾過」などの限定酒、山廃仕込みなど伝統的な製法を用いた商品も手掛けており、精米歩合や仕込み方の異なる多彩な酒質を展開しています。

蔵データ

所在地

奈良県葛城市寺口27番地1

創業

1893年(奈良県)

公式サイト

www.umenoyado.com

代表銘柄

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風香:「風香」は、瓶詰め後も氷温で貯蔵することで搾りたてのようなフレッシュな香味を保つことをコンセプトに、蔵元でかつて展開されていたシリーズです。備前雄町を精米歩合60%まで磨いた「純米吟醸 袋しぼり生原酒」は年一回限定で醸されるうすにごり酒で、芳醇な旨味が特徴とされていました。ほかに山田錦を50%まで磨き雫だけを採る「純米大吟醸 袋吊り生原酒」など、しぼり方や精米歩合の異なる限定酒がありました。

山香:「山香」は、蔵人が晩酌酒として愛飲してきたという「山香 本醸造」を中心に展開されていたシリーズです。山田錦とアケボノを精米歩合65%で仕込み、ほんのりとした香りとほどよい旨みが特徴とされていました。ほかに、備前雄町を使い昔ながらの生モト造りで仕込む一年熟成の原酒タイプ「生モト純米吟醸」や、山廃仕込みで夏を越して秋に出荷する「山廃仕込純米吟醸 ひやおろし」もありました。

梅乃宿:「梅乃宿」は蔵の看板となる通年ラインアップの名称で、山田錦を100%使用し精米歩合50%まで磨いた「純米大吟醸 山田錦」を筆頭に、「純米吟醸」「純米」などをラインアップしています。純米大吟醸 山田錦は、山田錦ならではの滑らかな口当たりとまろやかな旨みに、果実を思わせる華やかな香りが広がる酒質と紹介されています。

月うさぎ:「月うさぎ」は2000年に発売された、瓶内二次発酵による微発泡の日本酒シリーズです。米本来の味わいと華やかな香りが特徴の「月うさぎ ナチュラル」や、日本酒に桃の果汁をブレンドし瓶内二次発酵による細かな泡が持ち味の「月うさぎ ピーチ」などのフレーバーがあり、アルコール度数の高い日本酒が苦手な人にも親しまれてきました。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

梅乃宿酒造 直営店(奈良県葛城市寺口27番地1、本社・製造場に併設)。営業時間10:00〜18:00、不定休。試飲やショッピングのほか、蔵見学・梅体験・麹活用体験などの体験プログラムを提供しています。

補足

2022年7月に本社・製造場を現在地へ移転した際、体験型の酒蔵としてリニューアルオープンしました。体験プログラムの予約要否は公式サイトで要確認です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

meimonshu.jp / umenoyado.com / sakenomy.jp / shokuiku-daijiten.com / pref.nara.jp / the-kansai-guide.com / nobori-sake.com / sakestreet.com / hyotan.co.jp

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