SAKE BREWERY — NARA
今西酒造
紹介
奈良県桜井市三輪に位置し、万治3年(1660年)に創業した歴史ある酒蔵です。古来より「酒の神様」「醸造の祖神」として全国の醸造家から強い信仰を集める日本最古の神社・大神神社のお膝元に蔵を構え、360年以上にわたり酒造りを続けています。
「三輪を飲む」をコンセプトに掲げ、仕込み水には御神体である三輪山の伏流水を使用し、米はその仕込み水と同じ水脈上で契約農家等と共に育てたものを用いています。古くから地元で支持されてきた伝統ブランド「三諸杉」に加え、14代当主が立ち上げた「みむろ杉」などを展開。さらに室町時代に奈良で始まったとされる「菩提酛(ぼだいもと)」造りや吉野杉を使った木桶仕込みを行うなど、地の風土や文化を活かした酒造りを取り入れています。受賞歴として、全国新酒鑑評会における金賞受賞や「酒屋大賞2023 GOLD」第1位、「酒ー1グランプリ2019」総合1位などを達成しています。
歴史
三輪は日本における酒造りの発祥の地とされています。この地に鎮座する大神神社は本殿を持たず、三輪山そのものをご神体として祀る日本最古級の神社で、三輪山は古くから「三諸山(みむろやま)」と呼ばれてきました。日本書紀には、崇神天皇の時代に疫病が流行した際、高橋活日命が一夜で神酒を醸して奉納したところ疫病が収まったという逸話が伝わり、活日命は「杜氏の神様」として活日神社に祀られています。また、新酒の完成を知らせる杉玉は大神神社から全国の酒蔵へ配られており、三輪は杉玉発祥の地としても知られます。
今西酒造は万治3年(1660年)にこの三輪の地で創業し、三輪に現存する唯一の造り酒屋として360年以上にわたり酒を醸し続けてきました。
14代目当主の今西将之氏は、同志社大学商学部を卒業後、人材会社のリクルートエージェントに入社し、全社トップクラスの営業成績を上げていました。しかし父の急逝により、予定より早く28歳で家業を継承しました。継承当時、蔵は債務超過の状態にあったため、多角経営をやめて酒造りに経営資源を集中させる方針に転換しました。蔵を継いでからは、ひらがな銘柄「みむろ杉」を新たに立ち上げ、全国の特約店を通じた展開を進めています。
2025年4月6日には、大神神社の参道に新たな蔵「三輪伝承蔵」を開業しました。「三輪の歴史・文化・風土・技を伝承し、町を醸す」ことを理念に掲げ、酒造りにとどまらず人と人の縁を結ぶ場を目指しています。
酒造り
今西酒造の醸造哲学は「清く、正しい、酒造り」という言葉に集約されます。「清く」とは三輪の一点の曇りもない清らかさを酒に表現すること、「正しい」とは酒造りの全工程において正しい手法だけを選ぶことを意味します。「美味しいか美味しくないかは飲み手が判断するもの」という考えのもと、蔵では効率よりも一つ一つの作業の丁寧さを重視しています。例えば洗米では米ぬかを落とすことを目的に大量一括ではなく10kg単位で丁寧に行い、仕込み作業も雑菌汚染や米の損傷を防ぐため機械ではなく手運びを徹底しています。
仕込み水には、蔵内の井戸から湧き出る三輪山の伏流水で、やや軟水のやわらかな口当たりが特徴です。米は、この水と同じ水脈上の土地で契約農家とともに栽培しており、主力品種として山田錦と、奈良県で唯一の酒造好適米である「露葉風」を用いています。
伝統技法として、室町時代に奈良・正暦寺で創醸されたとされる「菩提酛」造りと、吉野杉の木桶を使った仕込みにも取り組んでいます。2025年に開業した新蔵「三輪伝承蔵」では、奈良県産米を菩提酛で醸し、吉野杉の木桶で仕込んだ「三諸杉」のみを製造・販売しており、地域の資源と伝統技法を結びつけた酒造りを行っています。
蔵データ
代表銘柄
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- 切辛
みむろ杉:「みむろ杉」は、今西将之氏が蔵を継いでから新たに立ち上げたひらがな表記の銘柄で、全国の特約店を通じて流通しています。みむろ杉は特約店限定流通のブランドで、ろまんシリーズは「穏やかな香りとフレッシュでお米の旨みが広がるキレイなタイプ」をコンセプトとしています。純米吟醸山田錦や特別純米辛口露葉風、精米歩合35%の純米大吟醸「高橋活日命に捧ぐ」などをラインアップしています。
三諸杉:「三諸杉」は今西酒造の創業当時から続く漢字表記の銘柄で、主に奈良県内で流通しています。フレッシュでジューシーなタイプ、熟成によりふくよかな味わいとなったタイプ、香り華やかなタイプなど、幅広いスタイルの酒を醸しているのが特徴です。11月には新酒の『初しぼり』、秋には『ひやおろし』が季節限定で登場します。
切辛:「切辛」は三諸杉のラインアップに含まれる純米酒で、精米歩合65%、アルコール度数15度で仕込まれています。奈良県産の酒造好適米「露葉風」を用いた辛口酒で、唐辛子のような刺激的な辛さではなく、口当たりを整えてすっと締めるような澄んだ切れ味が持ち味です。純米らしい米の旨みと透明感のある後味が調和した、今西酒造の辛口路線を代表する一本です。
今西:「今西」は蔵主・今西将之氏の名を冠した限定流通ブランドで、今西酒造全体の製造量のうち約5%を占める希少な位置づけです。岡山県赤磐地区産の雄町米や、希少な在来品種「朝日米」を用いて醸されており、主力銘柄の「みむろ杉」に比べてふくよかな甘みとほのかなミルキーな風味が感じられる味わいに仕上げられています。
見学・購入
なし
三輪の蔵近くにある参道店(奈良県桜井市三輪、10:00〜17:00、不定休 (3〜10月は水曜定休))と、JR三輪駅前の駅前店Cafe三輪座(10:00〜17:00、水曜定休)で商品を直売しています。大神神社参道の三輪伝承蔵(10:00〜17:00、不定休)では、蔵限定「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み」を提供・販売しています。
利き酒体験・聖地巡盃ツアーは現在中止中であることが公式サイトで案内されています。2025年4月6日には大神神社参道に新蔵「三輪伝承蔵」を開業しました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
imanishisyuzou.com / japansake.or.jp / compalyze.co.jp / nara-kankou.or.jp / pref.nara.jp / hasegawasaketen.com / sakestreet.com / j-s-p.or.jp / n-park-project.jp / watobi.jp / sakeai.com / imadeya.co.jp
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