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千代むすび酒造

代表銘柄:千代むすび

鳥取県

TOTTORI

1865年創業

千代むすび酒造の建物
千代むすび酒造の建物(2013年撮影)「Chiyomusubi Shuzou.jpg」 — 写真:KASEI / CC BY-SA 3.0縮小・WebP変換

鳥取県境港市に所在する千代むすび酒造は、慶応元年(1865年)創業の歴史ある酒蔵です。蔵名および代表銘柄の「千代むすび」には、「永久に変わることのない人と人の固い結び、絆」という意味が込められています。

酒造りでは、鳥取県産の復刻酒米「強力(ごうりき)」をはじめ地元産のお米を中心に使用。仕込み水には中国山地の湧水を用い、低温発酵や瓶燗火入れといった丁寧な造りにより、米の旨味を引き出した味わいとすっきりした後味を追求しています。

日本酒のほか、瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒(CHIYOMUSUBI SORAH)や焼酎、クラフトジン、ウイスキーなど多角的な商品展開を行い、海外輸出にも注力しています。全国新酒鑑評会での金賞受賞のほか、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)やKura Masterなど国内外の鑑評会でも数多くの受賞歴を有しています。

千代むすび酒造の歩み

千代むすび酒造は、慶応元年(1865年)に境港で日本酒づくりを始めた蔵です。創業の地は現在の境港市にあたる上道町で、大正時代に中町へ、昭和の初めに現在の大正町へと製造場を移しました。蔵名と銘柄の「千代むすび」は「永久に変わることのない人と人の固い結び、絆」を意味し、千代に八千代に幸せやご縁を結ぶという願いも込められています。

大正時代には三代目の岡空林太郎が大蔵省の醸造試験所で研究を深め、「やまと魂」「岡正宗」といった芳醇な銘酒を醸しました。その後、この蔵の酒は「千代むすび」と名付けられました。昭和20年(1945年)には玉栄丸の爆発事故で社屋がすべて倒壊しましたが、同年のうちに復活へ着手し、昭和21年ごろに本店を開いています。昭和28年(1953年)には第一回鳥取県新酒鑑評会で首席を獲得し、昭和29年(1954年)に株式会社となりました。

平成6年(1994年)に岡空晴夫が社長に就くと、全自動精米機の導入と吟醸蔵の建設を進め、純米酒をすべて瓶燗にしました。平成7年(1995年)に海外への輸出を始め、平成21年(2009年)には韓国ソウルに全額出資の子会社JIZAKE CY KOREAを設立しています。2026年時点で30か国以上に輸出しており、主な輸出先は韓国、アメリカ、中国などです。焼酎に加え、令和元年にジン、令和3年にウイスキーの製造も始めました。

平成20年代には「本物」「安心」「健康」を合言葉に掲げ、現在は「みんなの幸せ 自然の恵みを 美味しく楽しく 健康づくり」を経営理念としています。令和7年(2025年)には岡空聡が6代目の社長に就任し、同年11月16日に創業160周年の記念式典を開き、令和8年1月には優良100年企業表彰を受けました。

鑑評会では、全国新酒鑑評会で平成14酒造年度以降に12回入賞し、うち金賞は平成23・24・26酒造年度と令和3・5酒造年度の5回です。令和5酒造年度は「大吟醸 袋取りしずく酒」での金賞で、この年に金賞を受けた山陰(鳥取県・島根県)の酒蔵は千代むすび酒造だけでした。広島国税局清酒鑑評会(以下は開催年)では、平成15年から令和7年までの16の開催年で入賞または優等賞を受けています。平成18年までは入賞、平成19年以降は優等賞の名称で、平成20年は吟醸酒の部と純米酒の部の両方で優等賞でした。

平成24年から令和7年の9つの開催年でも優等賞を受けており、平成25年の「大吟醸 斗瓶囲いしずく酒」、令和5年と7年の「純米大吟醸 強力30」などがあります。南部杜氏自醸清酒鑑評会では、第106回(令和6酒造年度)と第107回(令和7酒造年度)で優等酒になっています。

海外の評価も続いています。IWC 2025の純米大吟醸部門では「千代むすび 純米大吟醸 強力30」がゴールドメダルに加えて鳥取の純米大吟醸のトロフィーを受け、IWC 2026では「静寂の輪舞」がゴールドでした。Kura Master 2026では「強力30」が最高位のプラチナ賞、「山田錦15 中取り GAINA」が金賞です。

国内ではワイングラスでおいしい日本酒アワードで「千代むすび純米酒」が2024年と2025年に2年続けてメイン部門の最高金賞を受け、クラフトジン「因伯人」も英国のGIN MASTERS 2024のプレミアム部門で最高賞のMaster Medalを受けました。

酒造りの特徴

仕込み水は、島根県雲南市大東町の中国山地の麓に湧く、やや軟水の天然水です。蔵は現地に専用タンクを置き、仕込みの時期は毎日汲みに行きます。酒米は鳥取県産の酒造好適米である山田錦、強力、五百万石を主に使い、契約農家から買い付けています。令和2年(2020年)からは地元の農家の協力を得て自社でも酒米づくりに挑戦しており、令和7年(2025年)産の五百万石で醸した「Rice Field 2026」は、岡空聡が酒質設計と発酵管理を担い、500本限定で売り出されました。

蔵を代表する酒米の強力は、鳥取県特産の酒造好適米です。大山町の渡邊信平が明治24年(1891年)に選抜して「強力」と名付けたのが始まりとされています。倒れやすいことから作付けが減り、昭和30年(1955年)ごろに県内から姿を消しましたが、平成元年(1989年)に鳥取大学の保存種籾から復活栽培が始まり、平成10年(1998年)に結成された「強力を育む会」に千代むすび酒造は設立準備から参加しています。

同年に精米50パーセントの純米吟醸を、1,223キログラムに満たない玄米から仕込んだのが蔵の強力づくりの出発点で、平成26年(2014年)には純米酒から純米大吟醸までの品ぞろえが整いました。現在使う強力は、県内5市町の農家との契約栽培米だけです。

造りでは精米を自社で行い、蒸しは大小2機の蒸し器を使い分けて間接蒸気で蒸すことで、外が硬く中が軟らかい蒸米に仕上げます。製麹は床もみ専用室と盛り専用室に分けています。蒸米の放冷は機械に頼らず、人の手で確かめながら自然放冷で行います。仕込みは低温で管理し、大吟醸は白米600キログラム、吟醸は白米800キログラムを基準としています。平成25年(2013年)時点の公式には、純米酒以上は風味を保つため全て無濾過とありました。

令和2年(2020年)からは、新しい殺菌方法のジュール熱殺菌を採り入れ、生酒のようにフレッシュな火入れ酒に仕上げています。搾った後の日本酒は、基本的に瓶貯蔵のまま冷蔵保管しています。

商品は強力シリーズのほか、山田錦の純米大吟醸シリーズや、瓶内二次発酵のスパークリング「CHIYOMUSUBI AWA SAKE SORAH」があります。SORAHは米と米麹だけを原料にし、にごりのない透明な仕上がりで、awa酒協会の認定商品です。令和7年(2025年)10月には、茨城県、新潟県、兵庫県、徳島県の農家と組んだJAS認証の有機純米酒シリーズを発売しました。純米大吟醸の強力50は、オール鳥取・オール純米・小仕込みを基準とするGI鳥取の認定酒です。

日本酒以外では、いも焼酎、麦焼酎、そば焼酎、リキュール、糀甘酒を手がけ、ウイスキーは日本酒酵母も使ったシングルモルト「林太郎」を造っています。名前は蔵の礎を築いた三代目の岡空林太郎にちなみます。

代表銘柄

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千代むすび

蔵名と同じ名を冠した代表銘柄で、大吟醸から本醸造、純米酒まで幅広く展開しています。中心は鳥取県固有の酒米「強力」を使った強力シリーズで、純米大吟醸の30・40・50、純米吟醸60、純米70があります。ほかに山田錦の純米大吟醸シリーズ(30・40・50)や、「大吟醸 袋取りしずく酒」、鳥取県産五百万石の特別純米などもそろい、日常の食卓から贈答用まで選べる品ぞろえです。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
千代むすび酒蔵 岡空本店(境港市大正町131、JR境港駅から徒歩2分)。営業時間は9時から17時までで年中無休、無料駐車場があります。店内には日本酒バー「酒蔵角打ち」と茶房「蔵や」を併設しています。境港市松ケ枝町34には大正橋売店もあります。
補足
酒蔵見学は電話予約制です。スタンダードコースは60分で、ミニ講座と蔵見学に3種類のテイスティングが付き、毎日10時と14時から、1人2,000円(税込)で3日前までに予約します。酒粕を漉き込んだ因州和紙のラベルを作る90分のコースや、杜氏か総杜氏レベルのスタッフが案内する上級者向けのプレミアムコース(1週間前までの予約)もあります。蔵見学の予約は0859-21-8802、受付は9時から17時です。毎年3月末ごろに酒蔵開放も開いており、令和8年(2026年)の第29回は3月28日と29日の2日間で過去最大の約2,200名が訪れました。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
鳥取県境港市大正町131
創業
1865年
公式サイト
www.chiyomusubi.co.jp

出典

the-kansai-guide.com / tottori.lg.jp / chiyomusubi.co.jp / ginjyoshu.jp / his-food-travel.com / torinohito.jp / chuokai-tottori.or.jp / maff.go.jp / tori-info.co.jp / giseleweb.com / nrib.go.jp / nta.go.jp / internationalwinechallenge.com / jp.sake-times.com / thespiritsbusiness.com / nanbutoji.jp / kanko-hanamaki.ne.jp

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