SAKE BREWERY — TOTTORI
梅津酒造
紹介
慶応元年(1865年)、初代・平蔵が鳥取県東伯郡北栄町で創業した酒蔵です。秀峰大山から湧き出る伏流水に恵まれた地で、地元に根ざした酒造りを続けています。代表銘柄「冨玲(フレー)」は、三代目蔵主がアメリカ留学時に知った英語の応援の掛け声「Hurrah!」にちなんで命名した「応援のお酒」です。
平成17(2005)酒造年度より醸造アルコールの添加を廃止し、すべての日本酒を「米と米麹と水」だけで造る全量純米蔵へ移行しました。江戸時代から伝わる伝統的な「生酛(きもと)造り」や、伝統的な木槽(きぶね)を用いた自然な上槽など、手間を惜しまない手造りを貫いています。地元鳥取県の契約農家が育てる酒米を使用し、米由来の力強い旨味を持ち、熱燗にしてさらに味が引き立つ食中酒を追求しています。なお、今回の調査で公的な賞などの受賞歴は確認できませんでした。
歴史
慶応元年(1865年)、初代・梅津平蔵が伯耆国(現在の鳥取県中西部)の地で酒造りを始めたのが梅津酒造の始まりです。このあたりは「伯耆富士」と呼ばれる大山からの豊かな伏流水と自然に恵まれ、古くから酒造りに適した土地でした。創業当初は「愛梅」「浜千鳥」「円満」といった銘柄も手掛けていたと伝えられています。
二代目・喜之吉は江戸から明治への転換期に家業を継ぎ、地域に根ざした酒づくりを守り続けました。三代目・藤蔵は南カリフォルニア大学に留学した経験を持ち、テニスの腕前で邦人大会に優勝したこともある人物です。高校教師を務めながら家業を継ぎ、留学中に耳にした応援の声援「Hurrah!(フレー)」から着想を得て、最高級酒に「冨玲」と命名しました。この酒は梅津酒造の礎となり、今も蔵を代表する銘柄となっています。
四代目・雅裕は鳥取大学で発酵工学の教授を務め、酒蔵の切り盛りは夫人に任せていました。そうしたなか地元の砂丘長芋生産者から「この長芋で焼酎ができんかね」と相談を受け、試行錯誤の末に「砂丘長いも焼酎」を完成させました。五代目・雅典は地元農業との連携を重視し、生産者らと「ジゲ酒の会」を結成、無農薬の酒米で醸す純米酒「うまいがな」の開発や、日本酒で仕込む梅酒「野花」の考案に携わりました。
平成17(2005)酒造年度には、それ以前にすでに廃止していた糖類添加に続いて醸造アルコールの添加も全廃し、すべての日本酒を米と米麹と水のみで醸す全量純米蔵へと転換しました。「米で造ったお酒こそが日本酒である」という原点に立ち返った転換でした。
現在は六代目・梅津史雅氏が代表を務めています。1992年鳥取県生まれの同氏は自由学園を卒業後、酒造期は埼玉・蓮田の神亀酒造、閉蔵期は東京・築地の酒販店と、半年ずつ交互に5年間の修業を積み、2019年に鳥取へ戻って家業を継承しました。現在は父である五代目・雅典氏が製造部長として醸造を担い、史雅氏が販売を担う体制で、純米酒と燗酒の魅力を国内外に伝える活動を続けています。
酒造り
梅津酒造は平成19(2007)酒造年度から、江戸時代から明治中頃まで主流だった「生酛(きもと)」造りに近年力を入れて取り組んでいます。蔵に棲みつく天然の乳酸菌や酵母菌など多くの微生物の力を借りて酒母を育てる製法で、速醸酛に比べて仕込みに約2倍の時間がかかります。米を蒸したあとの冷却や麹造りといった手間のかかる工程を手作業で丁寧に行い、経験と勘に頼る部分が多く、現代では取り組む蔵元が少なくなった手法をあえて選び取り、手間を惜しまず続けています。
仕込み水には「伯耆富士」大山からの伏流水を用いています。酒米は山田錦や玉栄などを使用し、「うまいがな」には地元北栄町産の玉栄を用いています。
全量純米蔵として、燗にすると米由来の旨みがいっそう際立つ食中酒を目指しており、蔵元は「お燗にすると旨味が際立って、幅広い料理を引き立てます」と語っています。
蔵データ
代表銘柄
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- うまいがな
- 梅津
冨玲:三代目蔵主が南カリフォルニア大学留学中に聞いた応援の声援「フレー」にちなんで名付けた、梅津酒造を代表する純米酒です。アルコール分15%前後で、冷やからぬる燗まで幅広く楽しめます。生酛仕込には精米歩合60%と80%の商品があります。米由来の旨みが力強く、辛口というよりうまくちに感じられる味わいで、燗にすると味がふくらみさらに旨みが増します。年間生産量は一升瓶換算で約1万本にのぼり、蔵の礎となった銘柄です。
うまいがな:地元生産者と結成した「ジゲ酒の会」が酒米づくりから醸造までを手掛ける特別純米酒です。減農薬・無農薬を目指して育てた地元北栄町産の「玉栄」を用いた精米歩合60%で、アルコール分18〜19%のどっしりとした濃醇タイプと、14%前後で柔らかな軽快タイプの2種類があります。濃醇タイプは冷やが、軽快タイプはぬる燗がおすすめの味わいです。
梅津の生酛:天然の乳酸菌や酵母菌の力で酒母を育てる伝統的な生酛造りの純米原酒です。黒ラベル(精米歩合50%・60%、山田錦・玉栄使用)は比較的おだやかな入門編、白ラベル(精米歩合80%)は個性の強い辛口に仕上がります。醪を笊でそっと濾す「笊(ざる)」は、にごり由来のまろやかなコクと米粒の力強さが広がり、後半には凛とした酸が味を引き締めます。加水して燗にすると柔らかく深い味わいになります。
見学・購入
あり(要事前確認)
蔵見学は有料・要予約で、電話またはメールで申し込みます。人数は5〜6人程度まで、未成年者のみの見学は受け付けていません。所在地は鳥取県東伯郡北栄町大谷1350番地で、平日9時〜17時の対応となっています。公式オンラインショップでの通信販売は4合瓶(720ml)以下に限られ、一升瓶は取扱店での購入となります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
tottori-guide.jp / umetsu-sake.jp / sake-times.com / torinohito.jp / sakenomy.jp / tottori.lg.jp / base.shop / mirai-times.com / tottorizumu.com / pref.tottori.lg.jp / hokuei-kankou.jp / jiyu.ac.jp / zenryojunmaikura.jp / hanakoshop.ocnk.net
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