SAKE BREWERY — EHIME
梅錦山川
紹介
1872年(明治5年)に創業した愛媛県四国中央市に位置する酒蔵です。代表銘柄「梅錦」の名称は、かつて蔵の周辺に広がっていた梅林の花と香りに由来しています。法皇山系の豊かな伏流水を仕込み水として用い、施設の近代化を進めながらも杜氏の長年培った経験と五感を生かした丁寧な手仕事を大切にしています。いち早く高品質な吟醸酒造りに注力し、全国新酒鑑評会において通算30回以上の金賞を受賞するなど高い醸造技術を誇ります。伝統的な主屋と仕込蔵は国の登録有形文化財に指定されています。また、1995年からは県内初となるクラフトビール事業に参入したほか、焼酎やリキュールなど幅広い酒類を手掛けています。2016年からは白鶴酒造の完全子会社となりましたが、創業からの銘柄や地域に根差した酒造り・雇用を継続しています。代表銘柄には「梅錦」のほか、「光久」「山川流」「愛海」などがあります。
歴史
明治5年、初代の山川由良太が金生川のほとりで製油業を営むかたわら、副業として精米を始めたことが酒造りの出発点です。当時の屋号は藤井、銘柄は藤乃澤でした。蔵のある四国中央市金田町金川は、かつて美しい梅林が広がる地として知られており、その花と香りにちなんで大正5年7月に商標「梅錦」を登録しました。
主屋は明治10年頃に建てられた入母屋造・本瓦葺の建物で、仕込蔵とともに平成13年に国の登録有形文化財に登録されています。酒造りの技を築いたのは、天性の大杜氏として知られる阿瀬鷹治と、後に現代の名工に選ばれた山根福平の両氏で、杜氏を中心とする蔵人たちが日本酒の微細な変化を見極める経験則を代々受け継いできました。昭和40年に全国新酒鑑評会で金賞を受賞し、近年も令和5酒造年度(第112回)の全国新酒鑑評会で金賞を受賞しています。
会社としての歩みでは、昭和29年6月に山川酒造合資会社が設立され、昭和63年に新蔵が落成、平成元年4月に梅錦株式会社が設立された後、平成2年11月に現在の梅錦山川株式会社へ商号を変更しました。平成28年には全株式が白鶴酒造株式会社に譲渡されて同社の完全子会社となりましたが、代表銘柄「梅錦」の名称や蔵での醸造は現在も続けられています。
酒造りの技術を生かした多角化にも取り組んでおり、平成6年に地ビール製造の内免許を受け、平成7年に製造免許を取得して梅錦ビールを発売しました。これにより愛媛県内では初のクラフトビール事業者となっています。以降、焼酎やリキュールなど幅広い酒類も手掛けています。
酒造り
仕込み水には、西日本最高峰の石鎚山を中心とする石鎚山系の伏流水を、敷地内の井戸から汲み上げて使用しています。カルシウムやマグネシウムの含有量が少なく、まろやかな甘みを感じさせる軟水で、洗米や蒸し米などの工程に用いられています。原料米は山田錦や白鶴錦、雄町をはじめ10種類以上を使い分け、酒質や商品ごとに米の個性を生かしています。
精米の後は水分量を落ち着かせるために時間を置く枯らしを行い、続いて井戸水での洗米・浸漬、独自の甑による蒸米へと進みます。3つの麹室では蒸し米に種麹を散布し、温度と湿度を細かく調整しながら麹菌を育てます。酛で酵母を培養したのち、醪は三段仕込みで発酵させ、上槽では機械による圧搾のほか、伝統的な袋吊りの手法も用いています。搾った酒は火入れによる加熱殺菌を経て数か月から1年ほど貯蔵し、調合を行ったうえで仕込み水を加えてアルコール度数を整え、瓶詰めします。
酒造りの根底にあるのは、味の決定権を持つ醸造責任者が判断に集中できる環境をつくるという考え方です。設備の近代化を進める一方で、杜氏が長年培った経験ととぎ澄まされた五感、手で触れ鼻で嗅ぎ口で確かめる感覚的な品質管理を大切にしています。この土台を築いたのが、大杜氏の阿瀬鷹治と、現代の名工に選ばれた山根福平の両氏です。
蔵データ
代表銘柄
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梅錦
484円
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- 光久
- 愛海
- 山川流
梅錦:創業当初の銘柄「藤乃澤」に代わり、大正5年に商標登録された代表銘柄です。石鎚山系の伏流水を仕込み水に、純米大吟醸から本醸造・普通酒まで幅広い酒質をそろえています。辛口の定番酒や食中酒として親しまれる「つうの酒」、秋のひやおろしなど、食卓に合わせた多彩なラインアップを展開しています。
光久:地酒の道を拓いた甲州屋の兒玉光久がきっかけとなって生まれた純米吟醸です。山田錦と八反錦を精米歩合55%まで磨き、アルコール度数15度以上16度未満、日本酒度は+3に仕上げています。山頭火の句を記したラベルを掲げ、オンラインショップ限定で扱われています。
見学・購入
あり(要事前確認)
公式のオンラインショップで、梅錦の日本酒やクラフトビール、リキュールなどを購入できます。
蔵見学は事前予約制で、日本酒の製造工程を紹介する約20分の映像を見た後、案内付きで蔵内や建物を巡り、最後に梅錦の製品を試飲できます。参加費は無料です。営業時間は8時から17時までで、土曜・日曜・祝日と年末年始は休業しています。11月から3月中旬までの期間以外は、建物内の見学のみとなります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
japansake.or.jp / wikipedia.org / ehime-syuzou.com / saketime.jp / ehime-hyakka.com / hakutsuru.co.jp / note.com / fc2.com / kawanoe-shinkin.co.jp / umenishiki.com / iyokannet.jp / shikoku-tourism.com / nrib.go.jp
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