SAKE BREWERY — AKITA
山本
紹介
1901年(明治34年)に創業した秋田県八峰町の酒蔵です。世界自然遺産・白神山地を源流とする天然湧水を自家水道で蔵まで直接引き込み、仕込み水をはじめすべての製造工程に使用しています。6代目蔵元の山本友文氏が自ら酒造りの指揮を執り、自社での酒米栽培や自社精米、杜氏制の廃止など、革新的な取り組みを推進しています。代表銘柄には伝統ある「白瀑」をはじめ、主力ブランドである「山本」、人気商品の「ど(純米ど辛)」、「ブルーハワイ」、「礼」などがあります。蔵付き分離酵母である「セクスィー山本酵母」を用いた個性的な酒造りや、2020年(令和2年)に創業時の社名である「株式会社山本酒造店」へ変更した経緯を持ちます。平成24年の全国新酒鑑評会で純米酒での金賞を受賞した実績があるほか、秋田県の酒蔵ユニット「NEXT FIVE」の構成蔵としても知られています。
歴史
山本酒造店は、秋田県山本郡八峰町八森で1901年(明治34年)に創業しました。蔵の裏手には落差17メートルの滝「白瀑」があり、その麓には慈覚大師の創建と伝わる白瀑神社が祀られています。創業以来、この滝の名を冠した「白瀑」が長く蔵の看板銘柄として展開されてきました。
現在の6代目蔵元・山本友文氏は、米国ミシガン州の大学を卒業後、東京の音楽事務所でアーティストのマネジメントやコンサート運営に携わるという異色の経歴を持っています。2002年、父から親族の不幸と経営悪化により蔵をたたむ予定だと聞かされ、32歳で帰郷して家業を継ぐ決意をしました。当時の蔵は日本酒消費量の減少や商品の質の低下も重なり、厳しい経営状態にありました。
経営がジリ貧の中で高齢の杜氏を雇い続けることが難しくなったことから、山本氏は2007酒造年度より杜氏制度を廃止し、自ら製造責任者として酒造りの先頭に立つという、当時としては前例の少ない決断をしました。最初の3年間は記憶がないと語るほどの試行錯誤が続きましたが、その中で仕込んだ純米吟醸が高い評価を受け、近所の酒販店からの助言をきっかけに新ブランド「山本」が誕生しました。
その後、山本氏は「お酒が美味しくなるのであれば何でもやる」という方針のもと、15年をかけて設備投資を重ねてきました。香りの少ないブナ材を用いた麹室、対流が起きやすく櫂入れを不要にした特注の仕込みタンク、上槽後の酒を温度帯ごとに管理する複数の冷蔵庫、ロボットアームなどを順次導入し、2018年には年間生産量の上限とする1600石に到達しています。社内には役職を設けず、蔵人が数年でひと通りの工程を経験できるローテーション制を敷き、全員が対等な立場で酒造りに関わる体制を築いています。
2023年には第二醸造所にカフェを併設した「LABO and CAFE YAMAMOTO」を新設しました。従来、衛生上の理由から蔵見学は基本的に行っていませんでしたが、ガラス張りの醸造スペースを通じて少量仕込みの実験的な酒造りを見せる場として位置づけています。蔵元は、これまで蔵を支えてきた酒販店との関係を重視し、蔵での直売やネット販売は行わない方針を貫いています。また、秋田県の若手蔵元による酒蔵ユニット「NEXT5」の一員としても知られています。
酒造り
仕込み水には、世界自然遺産・白神山地を水源とする天然湧水を用いています。昭和7年に設置した自家水道管で山からそのまま蔵まで引き込んでおり、仕込み水だけでなく製造工程全般に使用しています。
原料米は秋田県産の酒米が中心で、山本氏自らがトラクターやコンバインを操って栽培に携わり、収穫後の乾燥・脱穀・選別から自社精米までを一貫して手がけています。
酵母面では、蔵に住み着いていた蔵付きの分離酵母を、公的機関の協力を得た発酵試験を重ねて実用化し、「セクスィー山本酵母」と名付けて自社の酒造りに用いています。この酵母は超辛口の「ど辛」などに使われ、独特の酸味とキレを生み出しています。三季醸造や高温糖化酒母、低温での貯蔵管理、冷凍麹の活用など、杜氏に頼らず技術で酒質を安定させる工夫を重ねてきたことも特徴です。木桶を使った仕込みにも取り組んでおり、伝統的な道具と最新設備を併用しながら酒質の幅を広げています。
蔵データ
代表銘柄
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- ブルーハワイ
- ど
- 礼
山本:杜氏制度を廃止した後の初仕込みで生まれた純米吟醸を原点に、近所の酒販店の助言を受けて名付けられた現代的な看板シリーズです。Ice PinkやPure Black、Midnight Blueなど色名を冠した多彩なラベル展開が特徴で、木桶仕込みの商品もあります。全国新酒鑑評会にも出品しており、蔵の技術力を示す顔として位置づけられています。
白瀑:蔵の裏手にある落差17メートルの滝「白瀑」と、麓に祀られる白瀑神社に由来する、創業以来の伝統銘柄です。「山本」誕生以前は蔵の主軸ブランドとして展開されてきました。ライン内には純米吟醸「白神のめぐみ」などもあり、米の旨みを生かした柔らかな味わいが特徴とされています。
ブルーハワイ:中身は純米吟醸「山本」シリーズと同じ造りでしたが、クチナシの花に由来する天然色素で青く着色していたため酒税法上はリキュールに分類された、かつての夏酒です。かき氷を思わせる甘い後味と、青い色による視覚的な涼しさを狙ったユニークな商品で、アルコール度数は15%でした。経営を軌道に乗せる時期の話題づくりの一本で、現在は販売を終了しています。
ど:経営再建期の平成16年、当時の杜氏を説得して荒い網目のまま濾して瓶詰めした一本を原点とする活性にごり酒で、噴出騒動を乗り越えて現在は冬の定番として販売が続いています。同じ「ど」を冠する別商品として、蔵付きの分離酵母「セクスィー山本酵母」を用いた純米酒「ど辛」もあり、こちらは日本酒度+15の超辛口で、口に含んだ瞬間のほのかな甘みから一気に強烈な辛さへと転じる二段階の味わいが持ち味です。
礼:秋田県産酒米を40%まで磨き込んだ純米大吟醸で、「山本」シリーズの全国新酒鑑評会出品酒です。「礼節・礼儀」を意味する一文字を冠したフラッグシップとして、柑橘系の果実を思わせる華やかな吟醸香と、フレッシュでふくよかな旨味を備えています。出荷は年一回に限られる贈答向けの銘柄です。
見学・購入
なし
蔵での直売所や自社ネット販売は設けておらず、これまで蔵を支えてきた酒販店との関係を重視し、酒販店を通じた購入を基本とする方針を掲げています。2023年に開設された「LABO and CAFE YAMAMOTO」では、小仕込みで醸した実験的な酒を提供しており、気に入った酒はその場で購入することができます。
衛生上の理由から一般向けの蔵見学は基本的に受け付けていませんが、蔵が運営する宿泊施設「お宿 山本」の宿泊者限定で酒蔵見学が行われています。LABO and CAFE YAMAMOTOはガラス張りの醸造スペースになっており、見学の代わりとして醸造の様子を眺めることができます。所在地は秋田県山本郡八峰町八森字八森269です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
japansake.or.jp / sake-times.com / happo.lg.jp / jreast.co.jp / visitshirakami.com / saitoh-koharubiyori.com / osake.or.jp / sakesen.com / sakenomy.jp / sake-y.net / tanoshiiosake.jp / yamamoto-brewery.com / town.happo.lg.jp / sakestreet.com / sakeworld.jp / saketime.jp / imadeya.co.jp / oyadoyamamoto.net / favoriteslibrary-sake.com
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