SAKE BREWERY — FUKUOKA
高橋商店
紹介
福岡県八女市に所在する酒蔵。江戸時代の享保2年(1717年)、初代高橋六郎右衛門が米どころ八女で創業した。10代目繁太郎の代に会社組織へ改組した際、酒を量る桝が益々繁栄するようにとの願いを込め「繁桝」の名が誕生した。酒造りにおいては特に「麹」に強いこだわりを持ち、伝統的な木製の麹室を用いて手間ひまをかけて良質な麹を育てるほか、温度管理の可視化システム(蓋麹オプティマイザ)などの最新技術も取り入れている。仕込み水には矢部川的伏流水を使用し、原料米には福岡県産の酒造好適米(山田錦、雄町、吟のさと、夢一献など)を用いて地元の食文化に寄り添う品質重視の日本酒を手造りで醸している。代表銘柄のほか、地元の通称に由来する「麹屋」や博多の「手締め」を冠した地域限定の「博多一本〆」などを展開している。全国新酒鑑評会や福岡国税局酒類鑑評会で多数の金賞受賞歴を持ち、フランスの「Kura Master 2022」でプラチナ賞を受賞するなど、国内外で高く評価されている。
歴史
株式会社高橋商店は、福岡県八女市本町において、江戸時代中期の享保二年(1717年)に初代高橋六郎右衛門が酒造業を開業したことに始まります。八女福島は田中吉政による城下町整備を経て、久留米藩内でも有数の在郷商家町として栄えました。地元メディアの取材によれば、高橋家は創業以前、味噌や醤油といった調味料づくりに用いる麹の製造を家業としており、そこで培われた麹の技術がのちの酒造りにも受け継がれていったとされています。
代々の当主のもとで蔵は歩みを重ね、九代目高橋竹吉の代に経営の基礎固めが行われました。転機となったのは大正十五年(1926年)、十代目高橋繁太郎が家業を株式会社として改組したことです。この際、自身の名にある「繁」の字と、酒を量る道具である「桝(枡)」を組み合わせ、桝々繁昌(ますますはんじょう)の願いを込めて銘柄「繁桝」と名付けました。以来、繁桝は蔵の代表銘柄として今日まで受け継がれています。
その後も蔵は継承と革新を重ね、十八代目高橋信郎を経て、現在は十九代目中川拓也が代表取締役を務めています。中川氏の代には、平成三十年(2018年)に国内最大規模とされる天然木製の麹室を新設したほか、令和四年(2022年)には国際的な食品安全規格「JFS-C」を日本酒蔵として初めて取得しました。令和六年(2024年)二月にはインドの首都ニューデリーに現地法人「シゲマス・インディア」を設立し、海外展開にも取り組んでいます。
創業から三百年を超える歳月を経てなお、蔵は伝統を守りながら進化を恐れない姿勢を掲げ、麹造りをはじめとする手仕事を大切にしながら、時代に合わせた技術導入や海外展開を進めています。
酒造り
仕込み水には八女市を流れる矢部川の伏流水を用いています。この水はカリウムやリン酸、マグネシウムといったミネラルを適度に含む中硬水で、麹菌や酵母の増殖を助け、繁桝が目指す食事に寄り添う辛口の味わいを引き出す役割を担っています。原料米は福岡県産の酒造好適米を中心に、山田錦、雄町、夢一献、八女の風土で育まれた吟のさとなどを用いています。
酒造りの中でも特に力を注いでいるのが麹造りです。麹蓋を用いる蓋麹法という伝統的な手造りの技法を守り続けています。2018年には国内最大規模とされる天然木製の麹室を新設し、麹蓋一枚一枚に温度計と二次元コードを取り付けて温度変化や積み替え工程をデータ化する「蓋麹オプティマイザ」を導入しました。かつては麹師が一人で泊まり込み、夜通し手作業で行っていた工程を、データの可視化によって複数の蔵人で分担できる体制に改めています。
洗米には洗米機を導入し、浸漬はストップウォッチで秒単位に時間を管理して吸水率を調整するなど、機械に任せる工程は任せる一方、麹造りや利き酒といった酒質を左右する工程は蔵人と杜氏の感覚に委ねています。精米はコンピューター制御の精米機による自社精米で、原料の状態を正確に把握しています。また、蔵の敷地内には風力発電設備を設けて醸造に使う電力の一部をまかなうほか、有機JASオーガニック認定やワンヘルス認定事業者の認定を取得するなど、環境や生態系への配慮も酒造りの一環として位置づけています。
蔵データ
代表銘柄
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繁桝
1400円
楽天で見る
- 麹屋
- 福乃酒
- 博多一本〆
- 志のぶ
繁桝:本醸造から大吟醸まで幅広く展開する、蔵の代表銘柄です。福岡県産の山田錦や吟のさとなど酒造好適米の個性を生かし、食事に寄り添う辛口の味わいを基調としています。「クラシック特別純米酒」と「吟のさと純米吟醸」はKura Master 2022の純米酒部門でともにプラチナ賞を受賞するなど、国内外のコンクールでも高く評価されています。
麹屋:甘すぎず辛すぎず、まろやかなコクとすっきりしたのどごし、爽やかな果実香が特徴の吟醸・純米吟醸シリーズです。高橋家は酒造業を始める以前、味噌や醤油に使う麹づくりを家業としており、地元では「麹屋」とも呼ばれていました。銘柄名はこの屋号に由来します。繁桝の大吟醸クラスに比べて手に取りやすい価格帯で展開されています。
博多一本〆:博多に馴染みの深い銘柄を育てたいという福岡地区の酒販店の声をきっかけに誕生した銘柄です。祝い事の締めくくりに行う「博多一本〆」を冠し、〈博多の酒〉として親しんでもらうことを目指しています。まろやかなコクときりりと締まった飲み口が特徴で、甘すぎず辛すぎず飽きのこない味わいに仕上げられています。
見学・購入
あり(要事前確認)
本町の蔵に併設するショップで日本酒を直接購入できます。営業時間は平日8時30分から17時までで、土曜・日曜・祝日は休業です。
九州自動車道八女ICから車で約12分、JR鹿児島本線羽犬塚駅からタクシーで約20分の立地です。蔵見学は平日限定・事前予約制で受け付けています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
japansake.or.jp / shigemasu.co.jp / fukuoka-sake.org / crossroadfukuoka.jp / shigemasu.jp / kouhou-qdh2.jp / jafyame.or.jp / sakagura-press.com / tomozoe-honten.co.jp / fukuoka-navi.jp / chikugo7koku.net / jp.sake-times.com / city.yame.fukuoka.jp
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