小松酒造場
代表銘柄:豊潤
大分県
OITA
1868年創業
明治元年(1868年)、大分県宇佐市長洲地区で小松悦蔵により創業された酒蔵です。1988年(昭和63年)に自社製造を一時休止しましたが、2008年(平成20年)に6代目蔵元の小松潤平が帰省し、20年ぶりに自社醸造を再開しました。再開に合わせて、料理を引き立てる名脇役としての食中酒を目指した純米酒ブランド「豊潤」を立ち上げています。
仕込み水には、蔵の敷地内から汲み上げる硬度160〜170の中硬水(宇佐市長洲の伏流水)を使用しています。また、大分県で開発され昭和40年代に栽培が途絶えていた米「大分三井(おおいたみい)」を一握りの種籾から復活栽培させる取り組みを行い、地元の米と水にこだわった酒造りを行っています。2018年には創業150周年および「豊潤」ブランド10周年を迎えました。
小松酒造場の歩み
小松酒造場は、明治元年(1868年)に小松悦蔵が、現在の宇佐市長洲にあたる地で創業した清酒蔵です。長洲は、酒造りに適した水と宇佐平野の米、冬の季節風に恵まれた土地で、かつては狭い地域に七軒の清酒蔵があった酒どころでした。歴代は初代の悦蔵、二代目の弘太、三代目の悦治、四代目の広、五代目の弘見と続き、現在の六代目が小松潤平です。最盛期には約1,500石を醸す清酒専業の蔵でした。
昭和63年(1988年)、酒造りを支えていた杜氏が事故に遭ったことをきっかけに、自社での製造を休止しました。休止前は「勲の松」の銘柄で知られた蔵でした。その後は他の蔵に製造を委託しながら、清酒蔵としての営業を続けていました。
六代目の小松潤平は、東京農業大学の醸造学科で学んだのち、滋賀県の池本酒造で2年、高知県の仙頭酒造で1年、同じ高知県の酔鯨酒造で4年にわたり蔵人として働きました。酔鯨酒造からは正社員にと誘われましたが、自分の酒を造りたいという思いから断って、故郷の蔵に戻っています。再開前の2年間は設備の準備にあて、使えない旧設備が多かったため、借金をしながら新しい機器を買い、蔵を直して整えました。
平成20年(2008年)11月28日の早朝、酒米を蒸す蒸気が20年ぶりに蔵に立ちのぼり、自社醸造が再開しました。再開に合わせて立ち上げた純米酒のブランドが「豊潤」です。株式会社小松酒造場としての法人は、平成22年(2010年)12月20日の創業です。
平成30年(2018年)には、創業150周年と「豊潤」ブランドの10周年を迎えました。令和6年(2024年)には、フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2024」の純米酒部門で「豊潤 白麹」が金賞を受けています。
酒造りの特徴
仕込み水は、蔵の敷地内の井戸からくみ上げる宇佐市長洲の伏流水です。阿蘇外輪山、くじゅう連山、由布岳に降った雨や雪解け水が、長い年月をかけて地層で自然にろ過されたもので、硬度160〜170の中硬水です。ミネラルが豊富で酵母の働きを力強く支えるため、芯のある旨みとキレのよさが生まれます。この水の個性がもっともはっきり出るのは生酒で、長期熟成にも向く水だと蔵は考えています。
米は地元・宇佐の米にこだわり、仕込みに使う米の約7割は地元で栽培されたものです。中心となるのが、大分県で開発された「大分三井」です。昭和10年代には県の奨励品種として県内で広く栽培されていましたが、大粒で栽培が難しく、昭和40年代に姿を消しました。2009年に別府市で試験栽培が行われると知った蔵は、一握りの種籾を譲り受け、2010年に酒米としての栽培を始めました。数年の試験栽培を重ねて、仕込みに足る収穫量にたどり着いています。
この米を焼酎造りで使う白麹で仕込んだ純米酒は、甘酸っぱい柑橘系の酸味とさっぱりとしたキレのよい後味が特徴で、魚介だけでなく肉料理にも合わせられます。
大分三井のほかにも、九州生まれの酒造好適米「吟のさと」や山田錦、雄町、五百万石、雄山錦などを使い分けています。造りは蔵元家族が中心で、初めて蔵で仕込んだ年は修行先と同じ造り方で臨んだものの、水と環境の違いから全く違う結果になりました。水に合わせて造り方を工夫して、現在の味に落ち着きました。2016年の取材時点では、仕込みは速醸酛で、季節限定の「特別純米 おりがらみ」には吟のさとと協会11号酵母を使っていました。
目指すのは、料理を引き立てる名脇役のような食中酒です。赤身の刺身や酢の物、揚げ物、肉料理といった油や味の濃い料理に負けず、後味はすっきりとしていて、自然と箸が伸びる酒を思い描いています。酵母の技術が進んで香りの高い酒は造りやすくなりましたが、主張しすぎる吟醸香は料理の邪魔になると考えています。豊潤ブランドの最高峰は、山田錦を40%まで磨き、さらに3年間氷温で貯蔵した純米大吟醸です。
代表銘柄
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豊潤
平成20年の自社醸造の再開に合わせて立ち上げた純米酒のブランドです。名は、蔵元の恩師が豊前・豊後の「豊」と六代目の名の「潤」から付けたもので、豊かに潤う酒という意味が込められています。復活させた大分三井を使った純米吟醸や白麹仕込み、山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸、日本酒度+13の特別純米酒 芳醇辛口などが揃います。2024年にはKura Masterの純米酒部門で「豊潤 白麹」が金賞を受けました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵で購入できます。営業時間は8時から18時で、公式のオンラインショップでも購入できます。
- 補足
- 蔵見学は事前予約制で、公式サイトの問い合わせフォームか電話で申し込みます。見学時間は10時から16時で、受け付けは10名程度までです。試飲もできます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 大分県宇佐市長洲3341
- 創業
- 1868年
- 公式サイト
- www.hojunsake.com
出典
oita-sake.or.jp / japansake.or.jp / hojunsake.com / sake-times.com / rakuten.ne.jp / sakagura-press.com / pref.oita.jp / jp.sake-times.com / tanoshiiosake.jp / jetro.go.jp / kuramaster.com / city.usa.oita.jp / houjin-bangou.nta.go.jp
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