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宝剣酒造

代表銘柄:宝剣・呉の太陽

広島県

HIROSHIMA

1872年創業

宝剣酒造は、広島県呉市仁方本町に位置する1872年(明治5年)創業の酒蔵です。代表銘柄である「宝剣」の名称は、仁方町が昔からヤスリの生産が盛んで刀鍛冶も多く存在した地域性に由来しています。

仕込み水には、蔵の裏手にある野呂山(瀬戸内海国立公園)から自然にろ過されて湧き出る「宝剣名水」を使用しています。原料米は地元・広島県産の「八反錦」を主軸とし、妥協のない少量生産で酒造りが行われています。

5代目蔵元杜氏の土井鉄也氏が「究極の食中酒」を目指し、綺麗な酒質の中に米の旨味と切れ味を併せ持つ辛口酒を醸しています。土井氏は2004年に「全国利き酒選手権」で全国優勝を果たしたほか、2019年には市販酒品評会「SAKE COMPETITION」の純米酒部門にて「宝剣」が1位を獲得するなど、全国的に高い評価を受けています。

宝剣酒造の歩み

宝剣酒造は、広島県呉市の仁方(にがた)にある酒蔵です。仁方町の酒造業は江戸時代の天保5年に大瀬戸家が始め、明治中期には9軒の酒屋が合わせて年間1万石(1800キロリットル)を超える酒を造り、広島県で第一の産地となっていました。宝剣酒造は明治5年(1872年)、土井種次が現在の蔵のある地で創業しました。明治28年には1006石を製造し、海運を使って瀬戸内海の島々や近隣に販路を広げ、大正年間から戦前までは東京に支店を設けるほど栄えましたが、昭和20年、米軍の焼夷弾攻撃で酒蔵を全焼しました。

戦後は土井工がいち早く酒蔵を再建して醸造を再開し、昭和43年(1968年)に宝剣酒造株式会社として法人を設立しました。昭和50年(1975年)に工が亡くなると、土井忠明が代表取締役に就きました。

現在の蔵元杜氏は、忠明の次男で1975年生まれの土井鉄也です。家業に入った1994年ごろ、蔵は外部から杜氏を招く体制をやめ、蔵元自ら造る体制に切り替えようとしていました。1997年の冬に父が倒れたため、21歳で造りの責任を担い、酒造りの教本を頼りにその冬を乗り切りました。23歳のとき、栃木県の酒販店が主催した試飲会で自分の酒が他の蔵に及ばないことを思い知り、人気の酒を研究して香り高い酒造りに取り組んだ時期を経て、自分が心からおいしいと思える酒だけを造る方針に定めます。

ほぼすべてを純米造りに変え、1999年に新しい宝剣を始動させました。その後、使う米を広島県産の八反錦のみとし、酵母も広島県の酵母のなかで香りの控えめなものに改めています。2019年の時点で、宝剣のこの基本のスペックは変えていません。土井鉄也は利き酒の名手でもあり、広島県きき酒競技会の個人部門で2000年から2002年まで3年連続で優勝し、2004年と2006年にも優勝しています。全国きき酒選手権大会では、2001年の第25回大会に広島県代表として出場して5位となり、2004年7月の第28回大会で優勝しました。

全国新酒鑑評会では、平成13酒造年度から平成15酒造年度まで大吟醸「吟のしずく」が3年連続で金賞となり、平成20酒造年度から平成22酒造年度にも「宝剣」で3年連続の金賞を受けました。平成14酒造年度以降に限っても入賞は10回、うち金賞は7回で、平成13酒造年度を加えると金賞は8回です。広島国税局の清酒鑑評会では、平成14年から令和7年まで受賞のない年は平成25年だけで、平成19年以降は優等賞に選ばれています。平成26年からは12年連続です。

市販酒を競うSAKE COMPETITIONの純米酒部門では、2013年に「寶劍 八反錦 純米酒」が第4位となり、2019年は出品495点のなかで「宝剣 純米酒 レトロラベル」が第1位、「宝剣 純米酒 広島夢酵母」が第3位でした。「レトロラベル」は2023年に第2位、2024年に第5位で、2026年にはSILVERに「宝剣 純米酒」、BRONZEに「宝剣 純米酒 レトロラベル」が選ばれています。

酒造りの特徴

仕込み水は、蔵の敷地内に湧く「宝剣名水」です。裏山の野呂山に降った雨や雪が長い年月をかけて伏流水となり、蔵の中に湧き出します。2004年1月の水質分析では、旧厚生省のおいしい水の要件に合致する硬度46ミリグラム毎リットルほどの軟水と評価されました。広島では明治期に三浦仙三郎が軟水醸造法を開発して以来、味わい深く押し味のきいた酒質が評価されてきました。軟水は発酵が進みにくいとされますが、軟水醸造法の考え方でしっかり発酵させ、すっきりとして切れのある辛口に仕上げます。

米は広島県産の酒造好適米、八反錦が主軸です。純米吟醸の「宝剣 八反錦」は精米歩合55パーセントで、地元の呉市で農家と一緒に八反錦を育てた限定酒もあります。酵母にも広島県産を使い、広島県が改良した広島夢酵母で醸した純米酒もあります。純米大吟醸の中汲みは、兵庫県特A地区産の山田錦を40パーセントまで磨き、香味のバランスに最も優れた中汲みの部分を手作業で瓶詰めする酒です。

造りの柱は、甑(こしき)による蒸し、大箱を使った手造りの麹、広島県産米の使用の3つです。麹は純米酒から出品用の大吟醸まで、すべて40キロ盛りの大箱で育てます。表面を定規でならし、決まった場所に温度計を刺して深さ7センチの温度を測り、毎日同じ作業を繰り返して、わずかな差も見逃さないようにします。米洗いは2006年に全量手洗いへ切り替え、吟醸酒の米は水を吸わせ過ぎないよう秒単位で行います。2003年度からは仕込みタンク1本あたりの量をさらに小さくして、手が行き届くようにしました。

仕込み期間は約7か月に及び、2020年ごろの蔵の紹介では「100%の日本酒、気合」を合言葉に掲げていました。持てる知識をすべて出し切ることと、疲れが溜まる長丁場に気合を入れ直すことの2つの意味があります。2025年時点では、製造を統括するのは蔵元の弟の土井剛で、麹や酒母の担当者を含めた社員は全員が地元の呉市の出身でした。

代表銘柄

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宝剣

蔵の代表銘柄で、名は刀鍛冶やヤスリの産地として知られた仁方町の歴史が由来ではないかと蔵元は考えています。八反錦を主軸にした辛口の食中酒で、看板は「純米酒 超辛口」、ほかに「純米吟醸 八反錦」や「純米大吟醸 山田錦」があります。土井鉄也が特に気に入った酒につける「レトロラベル」の純米酒は、SAKE COMPETITION 2019の純米酒部門で第1位に選ばれました。

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呉の太陽

2010年代半ばに広島市の酒販店が「宝剣の特別銘柄」として販売していた大吟醸で、兵庫県産の特A地区の山田錦を40パーセントまで磨いて醸したものです。山田錦の旨味と上品な吟醸香が調和した味わいとされていました。販売当時の商品情報にとどまり、現在の流通については分かっていません。

見学・購入

蔵見学
なし
補足
蔵見学と試飲は行っていません。お酒は各地の日本酒専門の酒販店で取り扱われています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県呉市仁方本町1-11-2
創業
1872年

出典

japansake.or.jp / sakedata.jp / inuisaketen.online / sakenomy.jp / yajima-jizake.co.jp / yohkoyama.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / sakecompetition.com / houjin-bangou.nta.go.jp / www2u.biglobe.ne.jp / dancyu.jp / jp.sake-times.com / tanoshiiosake.jp / sake.science / yamatoya-e.com

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