SAKE BREWERY — IWATE

喜久盛酒造

岩手県北上市更木3-54 1894年創業

紹介

1894年(明治27年)に藤村酒造店として創業した岩手県北上市唯一の酒蔵です。三代目・藤村久喜(きゅうき)の「久喜が逆立ちしてでも盛り上げる」という思いから「喜久盛」と改名した歴史を持ちます。現在は岩手県内で最初となる全量純米蔵として、醸造アルコールを添加しない酒造りを行っています。原料には岩手県産の米を100%使用し、酒造好適米だけでなく「ひとめぼれ」などの一般米(飯米)や「亀の尾」といった古い品種も積極的に起用しています。醸造には昭和30年製の佐瀬式圧搾機を使用し、時間をかけて丁寧に搾り上げているのが特徴です。「鑑評会の先生に評価される酒ではなく、焼鳥屋の親父に好まれる酒」を掲げ、映画にちなんで名付けられた「タクシードライバー」や地元の伝統芸能に由来する「鬼剣舞」など、個性的で斬新な銘柄を展開しています。2011年の東日本大震災で蔵が被災した後は一時隣接市で製造を継続していましたが、2024年に創業地の北上市に新たな酒蔵を再建しました。

歴史

喜久盛酒造は1894年(明治27年)、初代・藤村精一が岩手県東和賀郡更木村(現・北上市更木)で「藤村酒造店」として創業しました。太平洋戦争下の1944年には戦時統合により花巻税務署管内の酒造業者がまとめられ「花巻酒造株式会社」となりましたが、1949年に複数工場へ分離。1951年(昭和26年)に現在の社名「喜久盛酒造株式会社」へ改称し、1954年には子会社として花巻酒販株式会社を設立しています。

その後、2009年に本社を北上市青柳町から更木の工場敷地内へ移転しましたが、2011年の東日本大震災で創業時から使われてきた土蔵を含む本社蔵が半壊する被害を受けました。生産を絶やさないため、2014年には製造場を花巻市東十二丁目へ移し、廃業した同業者の酒蔵を間借りする形で醸造を継続しました。同じ2014年、原料米を岩手県産米のみとし、醸造アルコールを添加しない全量純米蔵へと舵を切っています。

花巻での操業中にも試練は続き、2021年の大雪と地震で洗瓶室の屋根が倒壊、2022年3月の福島県沖地震では創業時に建てたとみられる最も古い土蔵の倒壊が進むなど、被災した設備の傷みが深刻化していきました。

創業130周年にあたる2024年、被災した土蔵の解体、耐震倉庫の新築、製造場の改築という三段階の再建を経て、創業の地・更木に新たな酒蔵を建設し、約13年ぶりに北上での酒造りを再開しました。改修後は四季を通じた醸造が可能になり、商品ラインナップの拡大にもつながっています。現在は2003年に経営を継承した5代目蔵元・藤村卓也氏のもと、少人数体制で酒造りを続けています。

かつて北上市内には5軒の造り酒屋があったとされますが、時代とともに姿を消し、現在酒造りを続けているのは喜久盛酒造のみです。

酒造り

喜久盛酒造は、鑑評会で評価される酒より「焼鳥屋の親父に好まれる酒」を醸造方針に掲げ、熱燗にしても美味しい食中酒づくりを基本理念としています。原料には酒造好適米ではなく食用の飯米を積極的に用いるのが特徴で、「ひとめぼれ」を中心に、古い品種の「亀の尾」や、宮沢賢治が普及に努めたとされる「陸羽132号」といった品種も起用しています。

搾りには昭和30年製の佐瀬式圧搾機を使用しています。この機械は圧力が弱いため、1タンクを搾りきるまでに最低でも3日を要しますが、時間をかけてゆっくり搾ることで雑味の少ない酒質になるとされています。搾った酒は割り水も炭素濾過もせず、全商品を無濾過の原酒のまま出荷しているのも特徴です。

商品開発では、地域の郷土芸能と地元産米を組み合わせる試みも行っており、北上市産米を使い1969年から続く「鬼剣舞」(特別純米酒・純米吟醸酒)や、花巻市東和町産米を使う「百姓おどり」(山廃純米酒)など、産地と芸能を結び付けた銘柄を展開しています。

蔵データ

所在地

岩手県北上市更木3-54

創業

1894年(岩手県)

公式サイト

kikuzakari.jp

代表銘柄

[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。

タクシードライバー:2005年(平成17年)、5代目蔵元・藤村卓也氏が、映画雑誌のアートディレクターだった高橋ヨシキ氏との出会いをきっかけに立ち上げた銘柄です。映画談義の中で高橋氏から提案されたロバート・デ・ニーロ主演の映画『タクシードライバー』を銘柄名とし、熱燗でも美味しい食中酒として設計されました。岩手県産の食用米「かけはし」を100%使用し、精米歩合55%、アルコール度数17度の純米生原酒に仕上げています。発売後は人気が広がり、生産量が15倍以上に増加しました。

㐂久盛:通常の「喜久盛」とは別に仕込まれた試験醸造の純米酒で、原料米にはトヨニシキを用い、1タンクのみで醸造されています。醸造年度ごとに酒質が変わるとされています。

見学・購入

蔵見学

なし

補足

蔵見学は受け付けておらず(将来的な受け入れは検討中)、直売所も設けていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

同じ岩手県の酒蔵

出典

japansake.or.jp / kikuzakari.jp / iwatetabi.jp / sakenopage.com / minami-iwate.jp / aiver.online / wikipedia.org / hands-on-local.com / camp-fire.jp / saketime.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。内容の正確性を保証するものではありません。