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松瀬酒造

代表銘柄:松の司

滋賀県

SHIGA

1860年創業

1860年(万延元年)に滋賀県蒲生郡竜王町で創業した酒蔵で、代表銘柄は「松の司」です。仕込み水には地下約120mの岩盤下を流れる鈴鹿山系・愛知川の伏流水を使用しています。原料米へのこだわりが非常に深く、1992年には全原料米を契約栽培米へ移行しました。地元竜王町や兵庫県特A地区で栽培された山田錦などを中心に、無農薬・無化学肥料栽培への取り組みや、土壌ごとの違いを味わいに反映させる土壌別仕込みなど、地域の風土を生かした酒造りを行っています。

醸造面では箱麹法による麹造りや小仕込み、瓶詰貯蔵による熟成管理など丁寧な手造りを徹底しています。主な受賞歴として、全国新酒鑑評会での多数の金賞受賞(1958年、1992年、1999年、2009年、2017〜2019年、2023〜2026年など)をはじめ、2007年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門における純米吟醸酒・純米大吟醸酒トロフィー受賞などがあります。

松瀬酒造の歩み

松瀬酒造は、万延元年(1860年)に現在の滋賀県蒲生郡竜王町にあたる地で創業した酒蔵です。蔵があるのは竜王町弓削で、目の前には一面の田んぼが広がっています。会社としての創立は昭和38年(1963年)10月1日です。仕込み蔵は昭和初期に建てられたもので、柱や床に柿渋を塗り重ねながら、手入れをして使い続けています。

松瀬酒造の歩みを語るうえで欠かせないのが、原料米の契約栽培です。1988年から、地元の竜王町と兵庫県旧東条町(特A地区)で、山田錦を主とした契約栽培を始めました。竜王町で山田錦を育てるのはこれが初めてで、長く食用米を作ってきた農家の方々と、兵庫県での研修やJAの指導を受けながら一から育てていきました。「どこの誰が栽培したか分からない米を使いたくなかった」という思いから、1992年にはすべての原料米を契約栽培に切り替え、その体制は現在まで続いています。

2002年産からは契約農場のすべてが滋賀県の「環境こだわり農産物認証」を取得し、2003年産からは栽培期間中無農薬・無化学肥料の米づくりにも取り組んでいます。2010年からは冬期湛水・不耕起栽培にも取り組み、2024年産には弓削産山田錦のオーガニック栽培へと歩みを進めました。米はすべて自社で精米しています。

現在の代表取締役社長は松瀬忠幸で、1984年10月に入社し、2005年11月に代表取締役に就任しました。2025年からは滋賀県酒造組合の会長も兼ねています。造りを率いる杜氏は石田敬三で、平成20酒造年度から務めています。それ以前は能登杜氏の瀬戸清三郎が杜氏を務め、のちに名誉杜氏となり、2019年5月に94歳で亡くなりました。竜王町の土壌ごとに山田錦を仕込む土壌別仕込みのシリーズは、ワインに造詣の深い石田杜氏の発案で始まりました。社長は「ワインを知らないと世界で戦えない」という考えを持っています。

2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会では、FIFAオフィシャルライセンスによる限定酒を発売しました。

全国新酒鑑評会では、2003年以降に限っても15回入賞し、うち金賞は8回(2009年、2017年から2019年の3年連続、2023年から2026年の4年連続)です。蔵の受賞歴には、このほか1958年、1992年、1999年の金賞もあります。大阪国税局清酒鑑評会では、2018年度に吟醸酒と燗酒用清酒の両部門で、2020年度と2024年度に吟醸酒部門で優秀賞を受けました。蔵の受賞歴には、大阪国税局新酒鑑評会の金賞(1993年、1998年)もあります。

国内外のコンペティションでも評価を受けています。IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門では、創設初年度の2007年に「純米吟醸」が純米吟醸酒・純米大吟醸酒部門の滋賀トロフィーを受賞しました。2026年には「オーガニック純米酒 渡船」がGoldメダルと滋賀純米トロフィーを受賞し、蔵の発表では「純米大吟醸 弓削竜王」もGoldメダルを受けています。

SAKE COMPETITION 2026では、純米酒部門5位の「生酛純米酒」、純米吟醸部門9位の「純米吟醸 楽」、純米大吟醸部門8位の「純米大吟醸 黒」の3商品がGOLDを受賞しました。蔵の発表では、「滋賀 地酒の祭典」のみんなで選ぶ滋賀の地酒で知事賞を2014年、2016年、2018年に受け、2019年には能登杜氏自醸清酒品評会で最優秀賞、2024年にはJapan Women's SAKE Award~美酒コンクール~で「純米吟醸 みずき」が「美酒 of the Year 2024」に選ばれています。

酒造りの特徴

仕込み水は、地下120メートルの大きな岩盤の下を流れる鈴鹿山系・愛知川の伏流水を、井戸から汲み上げています。石や岩から溶け出したミネラルを感じさせる水で、料理に寄り添う食中酒向きの味わいを生んでいます。酒米は全量が契約栽培で、蔵人が時間をかけて自社で精米します。その年の気候や田んぼの位置による米の違いを見極めて、どの商品にどの米を使うかを選別します。

麹は箱麹法で造り、酒に味わいをつける工程と位置づけています。米を蒸す際は、最後に乾燥蒸気を当てて蒸し上がりのムラを抑え、麹の出来を安定させています。酒母は、社内で保存している酵母菌を使う速醸酒母と、昔ながらの生酛酒母の両方を採用しています。速醸の商品では金沢酵母や熊本酵母などを使い分け、AZOLLAシリーズは培養酵母に頼らない生酛造りで、オーガニック純米酒 渡船、生酛純米酒、貴醸酒のhuitも蔵付酵母による生酛仕込みです。2021年には麹室を新設し、その年の秋の造りから使い始めました。

もろみは、発酵温度を低く抑えながら完全発酵を目指す小仕込み(1.2トン以下)で管理します。2019年時点では、ほぼ2日に1本のペースで年間80〜85本を6人で仕込み、大吟醸クラスは別の部屋で500キロの小仕込みでした。仕込みにサーマルタンクは使わず、タンクに巻くジャケットの着脱で温度を管理します。搾った後の火入れは熱効率のよいプレートヒーターで行い、瓶詰めした後はシャワーではなくミストで素早く冷まして、約30℃で冷蔵庫に入れます。貯蔵は瓶詰めの状態で、5℃以下の低温で熟成を管理しています。

商品づくりにも、米と水への取り組みが表れています。純米大吟醸 竜王山田錦[土壌別仕込]は、通称「ブルー」と呼ばれ、竜王町産の山田錦だけで造ります。竜王町酒米部会とともに約30年をかけ、兵庫県の特A地区並みの品質を目指してきた米で、駕輿丁の粘土から山之上の赤土まで、地区ごとの土壌の違いを味わいの違いとして表現します。純米大吟醸 AZOLLAは、水草のウキクサ(学名Azolla)が浮かぶ田んぼで、栽培期間中無農薬・無化学肥料で育てた竜王産山田錦を使います。

純米大吟醸 黒は、兵庫県の東条山田錦を35%まで精米して造ります。純米吟醸 みずきは、通常より多くの水でもろみを仕込む「水の酒」で、アルコール分は13度です。野洲市の岡鑿泉工業所のやわらかな井戸水に着想を得て生まれました。秋の酒の純米酒 尾花は、2018年に「ひやおろし」を廃止したのち、3年の試作を経て、異なる醸造年度の酒をブレンドして生まれました。オーガニック純米酒 渡船は、竜王町の若井農園が育てた有機栽培の渡船を使い、酒造りの工程も含めて有機JAS認証を受けた有機清酒です。

代表銘柄

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松の司

松の司は、滋賀県竜王町の松瀬酒造が造る主力銘柄です。通称「ブルー」の土壌別仕込、無農薬・無化学肥料栽培米を生酛で醸すAZOLLA、水を多く使った「水の酒」みずきのほか、有機JAS認証の渡船や貴醸酒のhuitなど、米づくりの違いや造りの発想を味の違いとして楽しめる銘柄を揃えています。

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見学・購入

蔵見学
なし
補足
観光蔵として設計されていないため、一般の方の蔵見学は受け付けていません。蔵での直接販売やインターネット通販も行っておらず、商品は特約販売店で購入します。2026年には第39回を彦根で開くなど、「松の司きき酒会」を各地で開催しています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
滋賀県蒲生郡竜王町弓削475番地
創業
1860年
公式サイト
matsunotsukasa.com

出典

ryuohsci.com / sakenomy.jp / matsunotsukasa.com / sakeworld.jp / sake-kagiya.com / saketime.jp / romantei.shop / hasegawasaketen.com / nrib.go.jp / nta.go.jp / warp.ndl.go.jp / web.archive.org / sakecompetition.com / yukinosake.com

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