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松井酒造店

代表銘柄:松の寿・男の友情

栃木県

TOCHIGI

1865年創業

栃木県塩谷郡塩谷町に位置する松井酒造店は、1865年(慶応元年)に初代・松井九郎治が新潟県小千谷市から移り住み創業した酒蔵です。代表銘柄「松の寿」は、最上級を意味する「松」と幸せの代名詞である「寿」という二つの言葉を重ねて名付けられました。同じ蔵が手がける「男の友情」は、同郷出身の作曲家・船村徹氏が厳選し、直筆の題字が用いられた本醸造酒です。仕込み水には蔵の裏山から湧き出る全国的にも珍しい超軟水の湧水を使用しており、優しく綺麗で柔らかな酒質が特徴です。

現在は代表取締役の松井宣貴氏が自ら初代「下野杜氏(しもつけとうじ)」を務め、伝統的手法を守りながら手作業で酒造りを行っています。全国新酒鑑評会での金賞受賞歴を多数有するほか、2021年にはインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門「純米酒の部」の最高賞「純米トロフィー」を受賞するなど、Kura Masterを含む国内外のコンテストで高い評価を獲得しています。

松井酒造店の歩み

松井酒造店は、慶応元年(1865年)に初代・松井九郎治が創業した酒蔵です。九郎治は新潟県小千谷市の出身で、この地に湧く水に惚れ込んで移り住み、現在の塩谷町船生にあたる地で酒造りを始めました。社名は当初「松井九郎治商店」で、昭和28年(1953年)に株式会社松井酒造店として法人化しています。

栃木県内の酒蔵の多くは、かつて新潟から来る杜氏や蔵人によって酒を仕込んでいました。昭和33年の記録では、県内の酒造従業員627人のうち609人が新潟県出身者で占められており、松井酒造店も例外ではなく、平成7年(1995年)に松井宣貴氏が家業に戻った当時は、新潟出身の杜氏を含む3人の蔵人が酒造りを担っていました。

松井宣貴氏は昭和42年(1967年)生まれで、東京農業大学農学部醸造学科を卒業後、群馬県高崎市の美峰酒類で越後杜氏のもとに4年間の修業を積みました。平成10年(1998年)には自ら杜氏となり、蔵元と杜氏を兼ねる「蔵元杜氏」へと体制を切り替えています。杜氏の高齢化や人口減少を見据えた判断で、杜氏の交代による酒質の変化がなくなったことも利点になりました。

平成18年(2006年)11月21日、松井宣貴氏は栃木県内の蔵元・杜氏に贈られる「下野杜氏」の称号を初めて受けた3人のうちの1人となりました。以後、関東信越国税局酒類鑑評会や栃木県清酒鑑評会の審査員のほか、平成20年(2008年)には全国新酒鑑評会の予審審査員も務めています。同氏が杜氏となってからは全国新酒鑑評会の成績も上向き、平成10酒造年度に蔵として初めて入賞し、平成12酒造年度には初めての金賞を受賞しました。

蔵自身も関東信越国税局酒類鑑評会で吟醸酒の部と純米吟醸酒の部の両部門にわたり優秀賞を重ねているほか、栃木県清酒鑑評会でも吟醸の部と燗審査の部でそれぞれ県知事賞を受け、酒造組合会長賞や山廃生酛の部での受賞も重ねています。令和3年(2021年)には全国新酒鑑評会で金賞を受け、国際的なコンテストのMONACO SAKE AWARDでもグランプリを獲得しました。

代表銘柄「松の寿」は、最上級を意味する「松」と幸せの代名詞である「寿」という、二つのおめでたい言葉を重ねた銘柄名です。もう一つの銘柄「男の友情」は、旧塩谷郡船生村(現塩谷町船生)出身の作曲家・船村徹氏が厳選し、自ら題字を揮毫した本醸造酒です。同名の歌謡曲「男の友情」は、船村氏が駆け出しの頃に苦楽を共にした作詞家・高野公男氏の詞に船村氏自身が曲を付けたもので、船村氏自身が歌唱しています。

酒造りの特徴

仕込み水には、蔵の裏山から湧き出る硬度1.0の超軟水を使用しています。栃木県内の酒蔵の中でも最も軟らかい水とされ、湧出地点は蔵から100メートルほどの距離にあり、環境省選定の名水百選「尚仁沢湧水群」と同じ水脈です。ミネラル分が少ないため発酵の管理は難しくなりますが、雑味の少ない、口当たりの柔らかい酒質に仕上がり、熟成の進み方も穏やかになります。

使用する酒米は商品によって使い分けています。純米吟醸には自社田で栽培した五百万石を、吟醸酒や純米酒には栃木県産の五百万石を用いるほか、雄町や夢ささら、とちぎ酒14、美山錦なども使用し、大吟醸には兵庫県産山田錦を40%まで磨いて用いています。仕込みには速醸系だけでなく山廃仕込みも手がけており、五百万石を用いた山廃純米は、2021年のインターナショナル・ワイン・チャレンジで純米酒の部の最高賞を受けるなど高い評価を得ています。

醸造は手作業が中心です。洗米は米を優しく手洗いし、和釜で沸かした湯気を用いて甑で60分蒸します。麹造りは蒸米に麹菌を振りかけたのち、二昼夜かけて破精込みを進め、酒母は素手での櫂入れで丁寧に育てます。仕込みは低温長期発酵による三段仕込みで、初添えに続く二日目を「踊り」として酵母を増やす期間にあて、三日目の仲添えでは初添えのおよそ2倍、四日目の留添えではおよそ3倍の量の麹と水と蒸米を加えていきます。

鑑評会に出品する大吟醸原酒は、醪を酒袋に入れて吊るし、圧力をかけずに滴る酒を斗瓶に集める「袋吊り」で搾ります。一般に流通する酒はヤブタ式自動圧搾機で搾り、搾った酒は酵素の失活と火落ち菌の防止のためおよそ65度で火入れをします。生酒は火入れをせず、マイナス5度の冷蔵庫でそのまま貯蔵しています。

代表銘柄

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松の寿

「松の寿」は全国新酒鑑評会で平成14酒造年度以降19回入賞し、うち8回金賞を受賞しています。インターナショナル・ワイン・チャレンジでは2012年に吟醸酒・大吟醸酒の部で塩谷町トロフィー、2019年に純米酒の部で栃木純米トロフィーを受け、2021年には純米酒の部の最高賞である純米トロフィーを「松の寿 山廃純米 五百万石」が受賞しました。Kura Masterでも2018年にプラチナ賞と金賞、2019年に金賞を得ています。雄町を使う純米吟醸無濾過生原酒も看板商品です。

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男の友情

本醸造酒で、栃木県塩谷町(旧船生村)出身の作曲家・船村徹氏が厳選し、自ら題字を揮毫した銘柄です。同名の歌謡曲「男の友情」は、船村氏が若き日に苦楽を共にした作詞家・高野公男氏の詞に船村氏自身が曲を付けたもので、船村氏自身が歌唱しています。スッキリとした辛口で、冷やしても燗にしても楽しめる飲み飽きしない味わいです。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
栃木県塩谷郡塩谷町船生3683にある蔵元直売所で購入できます。営業時間は10時から17時で、12時から13時は昼休みをいただいております。定休日は日曜と祝日ですが、12月は無休で営業しています。
補足
蔵見学は予約制で、大人4,000円、小学生から19歳までは1,000円、未就学児は無料です。築100年の母屋で試飲や抹茶の点前も楽しめます。電話または旅行予約サイトのじゃらん遊び体験から申し込めます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
栃木県塩谷郡塩谷町船生3683
創業
1865年
公式サイト
matsunokotobuki.jp

出典

japansake.or.jp / foodvalley-tochigi.jp / jizake.com / tateoka.com / hi-ho.ne.jp / matsunokotobuki.jp / sakagura-press.com / kabuto-live.com / nrib.go.jp

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