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白井酒造店

代表銘柄:風が吹く・萬代芳

福島県

FUKUSHIMA

1765年創業

白井酒造店は、福島県大沼郡会津美里町(旧会津高田町)に所在する江戸時代の明和2年(1765年)創業の老舗酒蔵です。創業当初は蔵の近くを流れる河川にちなみ「宮川屋」の屋号で酒造りを行っていました。会津の米と明神ヶ岳の伏流水を使い、現在は9代目蔵元を中心に蔵人一丸となった丁寧な酒造りを続けています。

代表銘柄は、古くから地域で愛され親しまれてきた「萬代芳(ばんだいほう)」と、9代目蔵元が新たに立ち上げた「風が吹く」です。福島県内では比較的珍しく山廃仕込みを主軸の一つとしており、地元の提携農家が自然農法で栽培した有機栽培米(五百万石)などを仕込み米に使用しています。

全国新酒鑑評会では「萬代芳」が平成14酒造年度以降で金賞を14回受賞するなど、小規模な蔵でありながら高い醸造技術と品質が全国的に評価されています。

白井酒造店の歩み

白井酒造店は、会津盆地の西南部にある会津美里町(旧会津高田町)の造り酒屋です。会津総鎮守とされる伊佐須美神社から程近い国道401号沿いに、板塀に松がかかる蔵が建っています。創業は明和2年(1765年)と伝わり、近くの油屋から分家した初代の白井忠太が興しました。屋号は、近くを流れる宮川(鶴沼川)にちなんだ「宮川屋」です。蔵の所在地は会津美里町永井野です。蔵の建物は明治時代のもので、東日本大震災でも被害はほとんどありませんでした。

看板銘柄の「萬代芳」は、5代目の泰三の時代に生まれた名前です。当初は「よろずよし」と読んでいましたが、戦後に「ばんだいほう」と読みを改めました。会津美里町の高田地区を中心に地元で長く飲まれてきた銘柄で、蔵元の白井栄一は、毎年「なくしたくない」と思いながら仕込んでいると語っています。

現在の当主は9代目の白井栄一です。1972年生まれで、大学を卒業すると同時に蔵に入りました。ところが入蔵から1年ほどで父が亡くなり、22歳で蔵を継ぎました。祖父も父も経営と営業に専念し、酒造りは杜氏に任せていました。白井栄一も蔵に戻った当初は酒造りに関わっていませんでしたが、祖父、杜氏、蔵人、妻に支えられて蔵を守り、やがて自分でも造る決意をします。蔵の杜氏は、白井栄一が子どもの頃は越後杜氏で、のちに南部杜氏に代わりました。

福島県清酒アカデミーに通い、杜氏に教わりながら酒造りを覚え、杜氏が高齢で引退してからは蔵元杜氏として造りの先頭に立っています。

父を亡くしてから売上と取引先は徐々に減りました。30歳ごろからは、売り先を新たに開拓する営業をやめ、良い酒造りに集中する方針に切り替えました。いまも「たくさん売る」より、長く付き合える酒販店と取引することを大切にし、売れないときは無理に売らないことを約束事にしています。

新銘柄の「風が吹く」は、その流れの中で生まれました。酒に特徴を出すには地元産の酒米を使うことだと考えて農家を探し、有機栽培に取り組む農業法人の代表と出会って、五百万石の栽培を引き受けてもらいました。農薬や化学肥料に頼らない米作りに合わせて、余計な添加物を使わない酒造りを目指し、山廃仕込みに取り組みました。「風が吹く」は平成17年度に始まり、2005年に発売されると口コミで広がって、2021年時点では全量の7割を占める主力商品になっています。

酒造りの特徴

仕込み水は明神ヶ岳の伏流水で、米は会津産を中心に使います。蔵のある会津美里町は会津盆地の南端にあたる豪雪地帯で、昼夜の寒暖差が大きく、雪解けのきれいな水が豊富な土地です。「風が吹く」は、立ち上げのころから地元の有機栽培農家に作ってもらう会津産の五百万石を軸にしてきました。栽培は三反あまりの田から始まり、最初の収穫は雀に食べられて十俵ほどでした。2026年時点の商品には、五百万石のほか福乃香や山田錦を使うものもあり、銀ラベルの五百万石は慣行栽培です。

2014年時点で、「萬代芳」の純米酒は地元産の五百万石を辛口に仕上げ、大吟醸には兵庫県産の山田錦を使っていました。

福島県では珍しく、山廃仕込みをメインブランドの一つにしています。山廃を選んだのは、有機栽培米を使うのに人工の乳酸を添加したくなかったからです。2026年時点の「風が吹く」では、山廃仕込みが緑・金・青・黒のラベル、速醸仕込みが赤とピンクのラベルで、仕込みの方法も商品ごとに異なります。山廃の仕上がりは熟成酒のような雰囲気は出さず、フレッシュな味わいになるよう心がけています。火入れ酒と生酒は銘柄を明確に分けて出荷しており、中取りの山廃純米吟醸生酒を10か月ほど低温で熟成させた「風が吹く[金]」のような酒もあります。

ラベルの色を季節ごとに替えるのも「風が吹く」の特徴です。

造りを担うのは、全国新酒鑑評会の金賞が10回続いた時点で、白井栄一を中心にした7人の蔵人でした。酒造り以外の時期は農家として働く蔵人もいて、親子二代で蔵に入っている人もいます。杜氏一人に頼らず、蔵人全員で話し合いながら造る体制です。このほかに「伊佐須美の杜」という銘柄もあります。

全国新酒鑑評会では、商標「萬代芳」で入賞しています。平成14酒造年度以降に限っても入賞は20回あり、うち金賞は14回です。金賞は平成24酒造年度から平成30酒造年度までの7年続けて、令和2酒造年度から令和5酒造年度までの4年続けてのほか、平成17酒造年度、平成20酒造年度、令和7酒造年度にも受けています。令和元酒造年度は金賞の選定がなく、入賞でした。蔵は令和5酒造年度までの金賞を11回連続と数えています。

仙台国税局の東北清酒鑑評会では、吟醸酒の部で萬代芳が平成21年、22年、24年と、平成25年から令和7年までのうち平成30年を除く12回の、あわせて15回優等賞に選ばれ、平成25年には上位3場に入って評価員特別賞を受けました。純米酒の部でも、平成25年の萬代芳と、平成27年から29年、令和元年、2年、4年から6年の伊佐須美の杜が優等賞で、平成28年の伊佐須美の杜は最優秀賞です。

福島県酒造協同組合の福島県春季・秋季鑑評会では、吟醸酒の部で萬代芳が平成18年から令和7年にかけて31回金賞に選ばれ、うち平成21年秋季は最上位の県知事賞でした。純米酒の部では、平成18年から27年にかけて萬代芳が9回、平成27年秋季から令和6年にかけて伊佐須美の杜が13回金賞に選ばれ、令和7年春季には風が吹くも金賞に選ばれています。

代表銘柄

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風が吹く

9代目の白井栄一が立ち上げた銘柄で、2005年に発売されました。立ち上げのころは会津産の有機栽培五百万石を使い、有機栽培米に人工乳酸を添加したくないとの考えから山廃仕込みを選んでいます。2026年時点では山廃仕込みの緑・金・青・黒のほか速醸仕込みの赤やピンクもあり、使う米も商品ごとに異なります。ラベルの色は季節ごとに替わり、2021年時点で全量の7割を占める主力です。

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萬代芳

蔵の看板となる昔ながらの銘柄で、5代目の時代に生まれました。当初の読みは「よろずよし」で、戦後に「ばんだいほう」となりました。会津美里町高田地区を中心に地元で長く飲まれてきました。2014年時点で、純米酒は地元産五百万石を辛口に仕上げ、大吟醸には兵庫県産山田錦を使っていました。全国新酒鑑評会ではこの商標が、平成14酒造年度以降で金賞を14回受けています。

見学・購入

蔵見学
なし
補足
蔵の見学はできません。事務所の営業時間は8時30分から17時で、土曜・日曜・祝日は休みです。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福島県大沼郡会津美里町永井野字中町1862
創業
1765年

出典

fukunosake.com / japansake.or.jp / f-sake.com / kennan-syuhan.co.jp / diamond.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / sake-fukushima.jp / jizakenomarushin.com

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