SAKE BREWERY — NIIGATA

松乃井酒造場

新潟県十日町市上野50-1 1894年創業

紹介

株式会社松乃井酒造場は、新潟県十日町市に所在する酒蔵です。初代当主の古澤英保氏が江戸時代中期から続く酒蔵より分家し、1894年(明治27年)に創業しました。代表銘柄には「松乃井」や「凌駕」などがあります。

豪雪地帯である十日町の自然環境のもと、赤松林から湧き出る創業当時からの横井戸のやわらかな水(軟水)を仕込み水に使用しています。良質な酒米を自社精米し、手作りにこだわった丁寧な酒造りを行っています。炭による濾過を極力減らすなど、お酒本来の旨みや柔らかさ、絞ったままの美味しさを活かした酒質を追求しており、地元をはじめ広く親しまれています。全国新酒鑑評会において数々の金賞を受賞しているほか、関東信越国税局酒類鑑評会でも優秀賞を受賞するなど高い評価を得ています。

歴史

松乃井酒造場は、新潟県十日町市上野に蔵を構える酒蔵です。江戸時代中期から酒造りを営んでいた古澤酒造場に生まれ育った古澤英保氏が分家し、1894年に創業しました。初代の名である「英保」は代々襲名され、現在は蔵の看板商品のひとつの銘柄名としても受け継がれています。蔵名の「松乃井」は、赤松林の地下にある仕込み水の井戸に由来しています。

十日町市は日本有数の豪雪地帯として知られ、近年は現代アートの祭典「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催地としても知られています。創業当時から使われている蔵内の横井戸には斜面の地層から滴る水が集まっており、このやわらかな軟水の水源に恵まれた立地は蔵にとって大きな財産となっています。

2011年、古澤裕氏が杜氏に就任したことが、蔵の大きな転機となりました。蔵人同士の結束を強めるため、蔵人が休憩や打ち合わせに使う「広敷」での情報交換を活発にするなど、チームワークを重視した体制へと転換しました。2019年には古澤氏とともに酒造りを支えてきた兄が亡くなるという困難もありましたが、平均年齢40歳という若い蔵人たちが自発的に酒質向上に取り組む気風が育っています。

古澤氏が杜氏に就任した年には、記念となる一本を造ろうと蔵人たちと話し合い、大吟醸用の酵母を使った本醸造酒「松乃井 SUPER本醸造」が生まれました。500ミリリットル瓶で少量を仕込み、毎年3月に新潟市で開かれる日本酒イベント「にいがた酒の陣」で蔵人全員が売り場に立って対面販売したところ好評を得て、蔵人たちの発案から生まれた代表的な一本として定着しました。2013年からは、この酒を醸す6人の蔵人のシルエットをあしらったラベルに一新されています。

酒造り

仕込み水には、赤松林の地下から湧き出る横井戸の軟水を創業当時から使用しています。斜面の上にある地層から滴る水が集まった軟水で、やわらかな酒質の土台となっています。酒米は「たかね錦」を地元十日町の契約農家が栽培し、「越淡麗」は蔵人が魚沼で有機栽培した有機JAS認証の米を使用しています。精米はすべて自社で行っています。

麹に用いる米はすべてザルを使った手洗いで研がれており、洗米機を導入した後も蔵人自身の希望で手洗いに戻すなど、米粒が割れるのを防ぎながら状態を目で確かめる作業を大切にしています。蒸米は昔ながらの和釜で行い、吟醸酒以上の酒はすべて酒槽(ふね)でじっくりと搾り、もろみの管理は蔵人が蔵に泊まり込んで行うなど、手間と時間を惜しまない造りを貫いています。

火入れについても、吟醸酒以上は瓶詰め後に一度だけ加熱処理をして瓶のまま貯蔵し、純米酒は出荷時に瓶燗で火入れするなど、できる限りフレッシュな香味を保つ工夫をしています。新潟県内では特定名称酒の比率が高い蔵が多い中、松乃井酒造場は普通酒である「清酒 松乃井」を看板酒と位置づけており、出荷先の多くが地元十日町市内という、地元に根差した酒蔵です。

品質面では、独立行政法人酒類総合研究所が主催する全国新酒鑑評会において、2012年・2014年・2015年・2022年・2023年に金賞を受賞しています。また関東信越国税局酒類鑑評会でも、2022年に純米の部で優秀賞を受賞するなど、公的な鑑評会でも高く評価されています。

蔵データ

所在地

新潟県十日町市上野50-1

創業

1894年(新潟県)

公式サイト

www.matsunoi.net

代表銘柄

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凌駕:「凌駕」は松乃井酒造場が手がける純米酒のシリーズで、五百万石やこしいぶき、たかね錦など複数の酒米を使い分けて造られています。「凌駕 純米」などの標準品は精米歩合65%・日本酒度+10前後のしっかりとした辛口で、純米大吟醸や特別純米無濾過生などの上位規格もあります。米の旨みを飾らずに感じさせつつ、キレの良い後味を持つ酒質です。

松乃井:「松乃井」は蔵の看板銘柄で、精米歩合65%の普通酒「清酒 松乃井」を軸に、特別純米酒、純米吟醸、大吟醸、純米大吟醸まで幅広い階層の酒が造られています。地元契約農家栽培の「たかね錦」や蔵人が魚沼で有機栽培した有機JAS認証の「越淡麗」を用い、軟水仕込みならではの軽やかでキレのよい辛口が特徴です。地元十日町での支持が厚く、地元出荷比率が高い銘柄です。

松の井:「松の井」は、蔵の看板銘柄「松乃井」の表記違いです。公式サイトや取扱酒販店の商品ラインナップでは一貫して「松乃井」の表記が用いられており、清酒から特別純米酒、純米大吟醸までの各シリーズを指します。

見学・購入

直売所

松乃井酒造場自体が常設の直売店を運営しているという情報は確認できませんでした。地元十日町市内の酒販店やオンラインショップ「クロステン十日町」、新潟駅構内「ぽんしゅ館」のオンラインショップなどで取り扱いがあり、県外にも取扱店があります。詳しくは公式サイトの販売店ページをご参照ください。

補足

蔵見学の受け入れ可否について、公式サイトや十日町市観光協会サイトに明確な記載は見当たりませんでした。過去には地元メディアや宿泊施設のブログで見学会の様子が紹介された例もあるため、最新の受け入れ状況は電話(025-768-2047)またはメールでの事前確認をおすすめします。純米吟醸など上位銘柄は地元で完売することも多く、純米大吟醸「英保」は毎年9月中旬から出荷され、春までに完売することが多い銘柄です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

niigata-sake.or.jp / matsunoi.net / sake-harasho.com / nipponnosake.com / sakenomy.jp / ponshukan.com / sake-niigata.com / saketime.jp / nta.go.jp

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