SAKE BREWERY — YAMAGATA

冨士酒造

山形県鶴岡市大山三丁目32-48 1778年創業

紹介

安永7年(1778年)、第4代加茂屋専之助有恒が酒銘「冨士」を定め創業した、山形県鶴岡市大山地区の酒蔵です。戦国武将・加藤清正公ゆかりの酒蔵として知られ、昭和30年代初めに「栄光」を冠して「栄光冨士」となり現在に至ります。

仕込水には鶴岡の地下水を使用し、昔ながらの手造りを継承する一方で、四季醸造に取り組むことで、様々な酒米や酵母(協会10号酵母や山形酵母など)を用いた多種多様な「無濾過生原酒」などを展開しています。庄内地方における市販大吟醸の先駆けとなった「大吟醸 古酒屋のひとりよがり」などの銘柄を手掛け、「いつももっとおいしい日本酒へと」をモットーに掲げています。

昭和9年(1934年)の第14回全国酒類品評会で名誉賞を受賞した歴史を持ち、全国新酒鑑評会での金賞受賞(2018年・2017年・2015年等)や、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」での受賞など実績を重ねています。

歴史

冨士酒造は、安永7年(1778年)に庄屋を兼ねていた加茂屋4代目・専之助有恒が酒銘を「冨士」と定めて酒造業を興したことに始まります。蔵が構える鶴岡市大山地区は、江戸時代には幕府の直轄地である天領に指定され、浜街道の宿場町と周辺農村を商圏とする在郷町という二つの顔を併せ持っていました。庄内平野で収穫される米と豊富な伏流水に恵まれたこの地は、移出用の酒造りで栄え、最盛期には約40軒もの酒蔵が軒を連ねる酒どころへと発展しました。

冨士酒造は、戦国武将・加藤清正公にゆかりを持つ蔵として知られています。肥後熊本藩主であった清正の子・忠広は、清正の死後に改易され、出羽庄内の丸岡1万石(現在の鶴岡市大山周辺)へ移されました。忠広はこの地で一女を授かり生涯を終えたとされ、現在の冨士酒造の当主家はこの娘の血筋を引く子孫とされています。加藤家では代々名前に「有」の字を用いる慣わしがあり、創業者「専之助有恒」から現当主・13代目の加藤有慶に至るまで受け継がれています。

創業時の酒銘「冨士」は、昭和30年代初めに繁栄への願いを込めて「栄光」を冠し、「栄光冨士」として商標登録されました。左右対称をなすこの文字には、裏表のない酒造りを貫くという蔵の姿勢が込められているといいます。

品質への評価も重ねており、昭和9年(1934年)には第14回全国酒類品評会で名誉賞を受賞しました。全国新酒鑑評会でも金賞受賞の実績があります。

酒造り

仕込み水には鶴岡の地下水を用い、庄内地方では珍しく南部杜氏を杜氏に迎えて酒造りにあたっています。酵母は東北地方由来とされる協会10号酵母を高温糖化酒母とともに用い続けており、ふくよかな香りを引き出すことにこだわりを持つ蔵として知られています。

2012年頃からは、地方の小さな蔵では珍しい四季醸造に取り組み、搾りたての無濾過生原酒を中心に毎月新酒をリリースし、年間30種類を超える銘柄を送り出しています。使用米は山形県産の酒造好適米である美山錦、出羽燦々、出羽の里、雪女神、玉苗、酒未来のほか、地元産の復刻米「亀の尾」や食用米「雪若丸」「つや姫」まで幅広く使い分け、米それぞれの個性を生かした酒質を追求しています。蔵人は最も少なかった時期の5名から現在は18名まで増え、平均年齢28歳という若い体制で醸造を担っています。

蔵データ

所在地

山形県鶴岡市大山三丁目32-48

創業

1778年(山形県)

公式サイト

www.e-sakenom.com

代表銘柄

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栄光冨士:蔵の代表銘柄で、左右対称の文字に「裏表のない酒造り」の意を込めています。山形酵母や協会10号酵母を用い、ふくよかな香りとサラリとした口当たり、フルーティーで濃厚な味わいが特徴です。美山錦や出羽燦々、山田錦、酒未来、愛山など米違いで年間30種類を超えるラインナップを展開し、無濾過生原酒シリーズが人気です。麓井の大吟醸「圓」と並び庄内地方で最も早い時期に市販された大吟醸とされる「古酒屋のひとりよがり」は、山田錦を40%まで磨き、協会10号系酵母で仕込まれています。

有加藤:加藤家に代々伝わる「有」の字と姓「加藤」を組み合わせた、酒販店限定の銘柄です。読みは「ありかとう」で、加藤清正公の縁戚にあたる加藤家の末裔が醸す酒として紹介されています。協会10号酵母や美山錦・山田錦を用いた純米大吟醸は、グラスに近づけると華やかな香りが立ちながらも旨味と深みを兼ね備え、やや甘めでキレのよい後口に仕上げられています。

虎穴:講談社の漫画「へうげもの」とのコラボレーションから生まれた純米系3種のシリーズです。古田織部没後400年(2015年)を機に企画され、織部をモチーフにした緑瓶の「乙澄酒」(純米酒)、利休をイメージした黒瓶黒ラベルの純米吟醸、蔵の祖とされる加藤清正公をモチーフにした純米大吟醸の3種で構成されました。いずれも搾ったままの無濾過生原酒として仕上げ、加工を抑えた酒質で表現しています。

出羽の里:山形県で開発された酒造好適米「出羽の里」を用いた銘柄です。低タンパク質の米ならではの透明感ある旨味が持ち味です。夏酒として展開される純米大吟醸無濾過生原酒「七星」では出羽の里を100%使用し、山形酵母によるフレッシュな酸味とメロンやマンゴーを思わせる南国果実の香りが感じられます。

見学・購入

蔵見学

なし

補足

公式サイトでは、現在酒蔵見学は受け付けていない旨が案内されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

同じ山形県の酒蔵

出典

yamagata-sake.or.jp / e-sakenom.com / kigawaya.com / ginjyoshu.jp / shiawasewine-c.com / kunii-saketen.co.jp / tsuruoka-sakemeguri.com / osakelist.com / sakeyoshi.com / masushin.co.jp / imadeya.co.jp / jp.sake-times.com / ooyama-kankou.jp

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