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白神酒造

代表銘柄:白神

青森県

AOMORI

白神酒造は、青森県弘前市(白神山地の麓)に蔵を構える酒蔵です。創業年は不明ですが明治6年(1873年)には西澤酒造店として営業しており、昭和63年(1988年)に西澤酒造店から白神酒造株式会社へ社名・銘柄を変更しました。

代表銘柄は「白神」で、仕込み水には水量豊富な白神山地の伏流水(軟水)を使用しています。原料米には酒米「華想い」などを用い、現在は自社田と地元の契約栽培の米のみを使い、ありのままの自然を表現するため添加物を加えない山廃仕込みに重点を置いた酒造りを行っています。

平成27年(2015年)1月に火災により蔵を全焼する被害を受けましたが、六花酒造の設備を借りて酒造りを続け、平成30年(2018年)3月に元の場所へ規模を縮小して新築した蔵で醸造を再開しました。小規模な仕込みで丁寧な手造りを貫き、ふんわりとした旨みと優しい飲み口の酒を全国へ届けています。

白神酒造の歩み

白神酒造があるのは、弘前市の中心部ではなく、市の西南に広がる東目屋地区です。世界自然遺産の白神山地の入口にあたる山あいです。目の前にはブナの森を源流とする岩木川の上流と、白神山地の山並みが広がります。

詳しい創業年は分かっていませんが、明治6年(1873年)には「西澤酒造店」として営業していたことが分かっています。蔵には明治33年の記載があるポスターも残っています。蔵に伝わる話では、先祖は山を買って林業を営み、切った木を筏にして岩木川を下って商いをしていました。のちにヤナを仕掛けて大きなアユを獲るようになり、その夜通しの番人にふるまう酒を造ろうと、自分の田んぼの米で酒造りを始めたのが蔵の起こりです。

昭和63年に、それまでの西澤酒造店(銘柄は「澤泉」)から白神酒造株式会社へと社名を改め、銘柄も「白神」に一新しました。現社長の西澤誠さんは、造り酒屋としては5代目にあたり、社長と杜氏を兼ねています。「白神」の名は、白神の山々から流れ出る清らかな水で醸す、自然の郷愁ロマンにちなんだものです。「自然遺産、白神山地=自然=清酒」をコンセプトに、自然と食文化をテーマにした酒造りを続けています。

平成27年1月30日、漏電による火災で、事務所を併設した約2000平方メートルの酒蔵が全焼しました。けが人はありませんでした。火災前日にびん詰めした約30本は、冷蔵庫に入りきらなかったために焼失を免れ、3月29日の地元イベント「白神キャンドルナイトin目屋」で西澤社長が販売しました。醸造は弘前市内の六花酒造の酒造場を借りて続け、ファンが西澤社長を囲む会を重ねて蔵を支えました。平成28年5月には全銘柄を出荷できる見込みとなりました。

井戸水は火災の影響で2年間は毎日水を流しっぱなしにして検査を続け、3年目にようやく元の水質に戻りました。平成30年3月1日には、全焼した蔵の跡地に新築した酒蔵で仕込んだ新酒として、山廃仕込みの活性にごり酒「白神のだぐ」を3年ぶりに出荷しています。新しい蔵の広さは、かつての約10分の1です。2020年代に入っても仕込み蔵などの本格的な再建の目処は立っておらず、新しい蔵は吟醸用のタンクを3本置くのがやっとの広さです。

「白神のだぐ」を企画販売していたつじむら酒店(青森県平内町)は、火災前日に受け取った活性にごり酒の酵母を青森県産業技術センターで冷凍保管していました。その酵母を使った「白神のだぐ 山廃純米活性にごりざけ」が平成31年に予約限定で販売されました。使用米はむつほまれ、精米歩合65%で、500本限定の予約販売でした。

受賞歴では、平成21年に発表された平成20酒造年度の全国新酒鑑評会で入賞し、平成23年の青森県産新酒鑑評会では吟醸酒の部で金賞を受けています。

酒造りの特徴

酒造りの中心は山廃仕込みです。白神山地のふもとにある蔵として「如何に自然をお酒で表現するか」をテーマに掲げ、何も添加しない山廃にこだわっています。山廃は蔵に棲む乳酸菌などの微生物の働きを生かす製法で、人工の乳酸菌を加える速醸もとに比べて醸造日数が2倍以上かかります。目指すのは山廃らしい個性よりも自然を生かした味で、濾過しなくても軽くメリハリと旨みのある、晩酌でおいしい酒です。

仕込み水は深さ5mの浅い井戸水で、水量豊かな白神山地からの伏流水です。軟水でやや甘みがあり、きれいな沢水のような味わいです。火災後は規模を縮小し、2024年時点では全ての酒を雫取り・無濾過で造り、米は自社田と地元の契約栽培の米だけを使っています。雫取りは、醪を酒袋に入れて吊るし、自然に滴り落ちる雫だけを集める搾り方で、多くの蔵では鑑評会用や高級酒にしか行いません。

大吟醸と純米大吟醸には酒米「華想い」を用い、純米吟醸の「白神の恵」には、地元の東目屋の農家と契約栽培した華吹雪を使います。純米吟醸「白神」は、麹に華想い40%を使い、低温で管理してゆっくり熟成させています。火災前には東目屋地区で収穫した酒米だけを使う酒造りにも挑戦しており、火災後は自社田での米造りにも取り組んでいます。

西澤社長は、量を伸ばして質が落ちては意味がないと考え、「杜氏として最高のお酒を最高の状態でお客様に提供したい」という思いで、少人数で手造りの酒を仕込んでいます。新しい蔵の初年である平成30年の仕込みは、6000リットルの予定でした。

代表銘柄

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白神

蔵の代表銘柄で、白神山地から流れ出る水にちなんで名づけられました。純米吟醸は麹に華想い40%を使い、フルーティーながら香りを抑えめで飲み飽きしない味わいです。大吟醸と純米大吟醸は酒米の華想いを用い、華やかな香りとふんわりした旨みを持ちます。東目屋の農家と契約栽培した華吹雪で造る純米吟醸「白神の恵」は、従来の白神とは対照的なジューシーな味わいです。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
公式サイトのネットショップで購入できます。飲食店や酒販店向けの業務用販売にも対応しています。
補足
営業時間は9時から18時で、日曜日が定休です。酒蔵見学は事前予約制です(2024年11月時点)。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
青森県弘前市米ケ袋字村元22

出典

sakedata.jp / aomori-sake.or.jp / sirakami-sake.co.jp / tohoku-sakurakaido.jp / hirosaki.keizai.biz / jp.sake-times.com / aomori-tourism.com / japansake.or.jp / umai-aomori.jp / nrib.go.jp

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