SAKE BREWERY — NARA

久保本家酒造

奈良県宇陀市大宇陀出新1834 1702年創業

紹介

久保本家酒造は、奈良県宇陀市(旧大宇陀町)に位置し、1702年(元禄15年)に創業した歴史ある酒蔵です。代表銘柄には「初霞」「睡龍」「生酛のどぶ」などがあり、伝統的な「生酛仕込み」に注力しています。酒造りにおいては、料理を引き立て二杯、三杯と飲み進めるほどに身体に馴染む味わいを追求しています。もろみをしっかりと完全発酵させて造られるお酒は、豊かな旨味とコク、そして心地よいキレを備えており、熟成や温めること(お燗)で一層お米の旨味が引き立ちます。また、約300年前の創業当時の酒蔵をリノベーションした土間や明治時代建築の座敷を活用した「酒蔵カフェ久保本家酒造はなれ」を併設しており、利き酒セットや酒蔵の発酵ランチなどを楽しむことができます。

歴史

久保本家酒造の創業は1702年(元禄15年)にさかのぼります。初代・久保勘兵衛が吉野の奥山から出て、現在の奈良県宇陀市大宇陀(旧宇陀松山地区)の地で酒造りを始めたと伝えられ、以来11代目蔵元・久保順平氏まで300年以上にわたり酒造りが続けられています。

蔵のある宇陀松山は、古代には阿騎野と呼ばれた土地で、近世には宇陀松山城の城下町として整備され、伊勢へ続く街道沿いの商家町として栄え、「松山千軒」「宇陀千軒」と呼ばれるほどのにぎわいを見せました。宇陀紙や吉野葛といった特産品の集散地でもあったこの町並みは、2006年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。かつてこの地域には約20軒の酒蔵が軒を連ねていたとされますが、現在は数社にまで減少しており、久保本家酒造はその中でも創業当時から続く蔵のひとつです。

平成期まで、久保本家酒造は大手メーカー向けの下請け的な酒造りを中心としていました。銀行員としての経歴を持つ11代目・久保順平氏が経営を継いだのち、「経済効率の悪い酒こそ、小さな蔵にしかできない」という考えのもとで経営方針を大きく転換しました。各部門の責任者が会社を動かす体制を敷き、二宮尊徳の報徳思想に学びながら、変えるべきもの(流通など)と守るべきもの(酒造りの基本)を区別する経営を進めています。

久保本家には「一年の計は田んぼにあり。百年の計は山にあり。それ以上は人にあり」という家訓が伝わっており、自然への感謝と人の役割を重んじる姿勢が、現在の酒造りにも受け継がれています。

酒造り

久保本家酒造の生酛造りを支えているのは、2003年(平成15年)に蔵へ招かれた杜氏・加藤克則氏です。各地で修業を積んだ加藤氏は「自分がうまいと思う、ウソのない酒造りをする」という信念を持ち、「生酛造りにすると飲んだときの味、ふくらみが全然違ってくる」と語っています。同社は「翌朝の目覚め爽やか お料理を引立てる日本酒造り」を掲げ、料理とともに楽しめる食中酒としての酒質を志向しています。

生酛造りは、蔵に棲みつく天然の乳酸菌や酵母の力を借りて酒母を育てる、江戸時代以来の製法です。米麹・蒸し米・水を合わせてすり潰す「山卸し(酛すり)」という重労働の工程を経て、酒母の完成までに約40日、人工の乳酸を添加する主流の速醸造りの倍以上の時間をかけます。もろみはしっかりと完全発酵させ、新酒の段階では尖っていた酸や旨味を、蔵の中で歳月を重ねることでまろやかで奥深い味わいへと変化させます。長期熟成を経た酒では、五味が渾然一体となって深みが増していきます。

原料米には山田錦、五百万石、日本晴などを用い、銘柄により精米歩合はおおむね50〜65%で仕込みを行っています。

蔵データ

所在地

奈良県宇陀市大宇陀出新1834

創業

1702年(奈良県)

公式サイト

kubohonke.com

代表銘柄

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睡龍:生酛純米を主体とする久保本家酒造の看板銘柄です。生酛ならではの旨味と軽やかさを基調に、穏やかな香りと、食事を選ばない清涼感のある酸味、芯のある味わいを備えています。JAL国際線ファーストクラスの機内メニューにも採用された実績があります。長期熟成タイプはフルーティーさを抑え、まろやかな酸味とドライな辛口、奥深く長い余韻のうまみが調和した味わいです。

初霞:久保本家酒造の看板銘柄のひとつで、純米酒を中心に純米吟醸・大吟醸まで揃えるブランドとして展開されており、熟成させてから出荷されます。さらりとした飲み口でのどを心地よく滑り落ち、飲んだあとには余韻がふわりと漂うのが持ち味で、穏やかで素朴な味わいは、日々の食卓に寄り添う食中酒として親しまれています。

生酛のどぶ:生酛純米酒のもろみを粗く漉して瓶に詰めたにごり酒で、山卸しから生まれる力強い乳酸系の酸味と、お米の濃厚な旨味がガツンと広がります。にごり酒らしいボリューム感がありながら、強い酸味と辛口のキレのおかげで後味は驚くほどすっきりと引き締まります。45〜55℃程度に温めて飲むのがおすすめとされています。

見学・購入

直売所

酒蔵の直売所では9時から17時まで(不定休)直接販売を行っており、日本酒や酒粕はオンラインショップでも購入できます。また、道の駅大宇陀の向かいには「酒蔵カフェ 久保本家酒造 はなれ」があり、利き酒セットや、地元食材と発酵食品を組み合わせた発酵ランチ(要予約)を楽しむことができます。

補足

「酒蔵カフェ 久保本家酒造 はなれ」は月・火曜定休、営業時間は11時30分から16時までです。蔵では2021年4月から、駐車場を会場に地域交流イベント「酒蔵マルシェ」を定期的に開催しています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sakenomy.jp / gbiz.go.jp / kubohonke.com / asahi.co.jp / komesou.com / kitora.com / exblog.jp / japansake.or.jp / nikkei.com / narawashi.jp / par-ple.jp / uda2014.wordpress.com / narakko.jp / jbpress.ismedia.jp / yamatoji.nara-kankou.or.jp / ja.wikipedia.org

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