SAKE BREWERY — ISHIKAWA

白藤酒造店

石川県輪島市鳳至町上町24 1722年創業

紹介

白藤酒造店は、石川県輪島市に蔵を構える酒蔵です。1722年(享保7年)に廻船問屋「白壁屋」として創業し、質屋を経て江戸時代末期から酒造業を開始しました。屋号の白と重陽の節句の「菊酒」から命名された『白菊』は、全国の同名銘柄と区別するため、現在は『奥能登の白菊』を商標としています。

8代目より蔵元杜氏制を採用し、現在は能登杜氏のもとや大学で醸造学を学んだ9代目蔵元夫婦が酒造りを担っています。地元・輪島産の酒米や奥能登の湧水を用い、上品な香りと口当たりがやわらかく、やさしい甘みが広がる酒造りを特徴としています。代表銘柄には「奥能登の白菊」のほか、全量輪島産米で仕込む「輪島物語」や、低アルコールの「寧音」などがあります。2017年には全日本空輸(ANA)の国際線ファーストクラス提供酒にも選ばれた実績を持ちます。

歴史

白藤酒造店は、能登半島の先端部に位置する石川県輪島市で、1722年(享保7年)に廻船問屋「白壁屋」として創業しました。輪島はかつて北前船の寄港地として栄えた港町です。その後質屋を経て、江戸時代末期(19世紀中頃)から酒造業を始めています。屋号の「白」と、重陽の節句に酒に菊の花を浮かべて祝う「菊酒」の風習にちなみ「白菊」の名を用いてきましたが、同名の銘柄が全国に存在するため、現在は「奥能登の白菊」を商標としています。

2006BY(醸造年度)からは、大学で醸造学を学び、能登杜氏のもとで酒造りを修業した9代目蔵元夫婦が造りを担う体制となりました。地元輪島産の酒米と、山から引かれた軟水を仕込み水に用い、穏やかでやわらかな口当たりの酒を志向しています。

2007年3月には震度6強を観測した能登半島地震により蔵が大きな被害を受けましたが、同年のうちに一部を残して新築し、地元産のアテ(翌檜)や杉を使った小規模な酒蔵として再出発しました。

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、蔵に併設する店舗と住居は全壊し、事務所を含む複数の建物も全壊・半壊しました。酒蔵の建屋自体は2007年の地震後の補強もあり倒壊は免れたものの、蒸米に用いる直径1.5メートルの直火式かまどは基礎部分に亀裂が入って使用不能となり、仕込み中のもろみが入ったタンクも転倒・破損し、もろみの大半が流出しました。

地震発生後、2024年1月13日には山形県・福島県の蔵元が、15日には宮城県の蔵元が、それぞれタンクローリーとポンプを使って蔵に残っていたもろみを丁寧にくみ上げました。このうち石川県羽咋市の御祖酒造に引き継がれた約4,000リットルのもろみは、震災後に発酵の管理ができず発酵が進んだことで通常より辛口になっており、同蔵の杜氏が上槽・瓶詰めを行い、既存銘柄「純米酒 輪島物語」の救出ロットとして出荷されました。宮城県に引き継がれた分は、現地の酒蔵で日本酒に仕上げられています。あわせて、長野県の湯川酒造店が支援物資を届けた帰りに酒米を預かって代行醸造を行い、2024年4月上旬に「奥能登の白菊 純米吟醸」を発売しています。白藤酒造店では、2025年3月中旬、地震発生から約1年3カ月ぶりに自社蔵での仕込みを再開しました。修復にあたっては秋田県・岩手県のかまど職人を招き、直火式かまどを基礎から組み直しています。

酒造り

白藤酒造店の酒造りは手作業が中心です。米は10キログラムほどに小分けして洗米し、秒単位で吸水時間を管理したうえで、昔ながらの和釜と甑を用いて強い蒸気で蒸し上げます。蒸し上がった米は広げて晒し、冬の冷たい外気を利用して自然放冷します。仕込み水には山から引かれた軟水を用い、昼夜を問わず醪の温度を管理しながら発酵を進めます。搾りは二日程度かけてゆっくりと行う佐瀬式で、出来上がる酒は穏やかでやわらかく、米の旨みが甘みとして感じられる味わいを特徴としています。

2017年には、全日本空輸(ANA)の国際線ファーストクラスで提供される日本酒に選ばれました。2018年には、ブリュッセル国際コンクール SAKE selection で「奥能登の白菊 純米吟醸」がプラチナメダルを、全米日本酒歓評会でも銀賞を受賞しています。

2024年1月の地震後は、蔵人5人のうち3人が被災を機に輪島を離れたこともあり、例年10種類前後造っていた酒を2025年は4種類に絞り、出荷量も例年の半分以下を見込む体制での醸造となりました。2025年6月には看板銘柄「奥能登の白菊」が瓶詰め・出荷され、自社蔵で仕込んだ酒としては地震後初めての出荷となりました。

2025年3月の仕込み再開に合わせて、白藤酒造店では業務用洗濯機を新たに導入しています。佐瀬式の搾りではタンク1本分のもろみに酒袋を200〜250枚使いますが、従来の設備は一度に30枚ほどしか洗えず脱水も10枚ずつだったのに対し、新しい洗濯機は一度に100枚を洗えるため、洗浄作業は1日がかりから2〜3時間程度に短縮されています。2025BY(2025年秋から仕込む醸造年度)では、震災で被災したもろみから採取した酵母を用いた「純米吟醸 無濾過生原酒」(2026年2月製造)や、その酵母を保管して醸した貴醸酒(2026年3月製造、石川県の「能登復興応援基金」を活用)も造られており、品目数は徐々に広がりを見せています。

蔵データ

所在地

石川県輪島市鳳至町上町24

創業

1722年(石川県)

公式サイト

www.hakutousyuzou.jp

代表銘柄

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寧音:「寧音(ねね)」は白藤酒造店が手掛ける純米酒で、原料米には五百万石と山田錦を用い、精米歩合60%で仕込まれています。仕込み水には山から引かれた軟水を用いており、アルコール度数を低めに抑えたやさしい飲み口が特徴の一本です。穏やかな米の旨みを感じられる味わいに仕上がっています。

輪島物語:「輪島物語」は、輪島産の五百万石を100%使用した純米酒で、精米歩合60%、バランスの良い味わいが特徴です。Kura Master 2021の五百万石部門で金賞を受賞しています。2024年1月の地震で救い出されたもろみは、羽咋市の御祖酒造に運ばれて同蔵の杜氏が上槽・瓶詰めを行い、通常より辛口に仕上がった救出ロットとして出荷されました。

奥能登の白菊:白藤酒造店の看板銘柄で、屋号の「白」と重陽の節句の「菊酒」にちなむ「白菊」に、産地を表す「奥能登」を冠して商標としています。震災後は品目を絞った縮小体制が続いていましたが、2025BY以降は純米吟醸や貴醸酒などが順次出荷され、取り扱う品目は再び広がりつつあります。穏やかでやわらかく、米の旨みを甘みとして感じさせる味わいが特徴です。2017年にはANA国際線ファーストクラスの提供酒に選ばれました。

見学・購入

直売所

店舗は2024年1月の地震で全壊し、2025年6月時点の報道では店舗再建の見通しは立っていないとされています。

補足

2025年6月時点で、事務所は仮設のプレハブで運営されています。震災前は輪島商工会議所を通じて予約制の蔵見学が案内されていましたが、被災後の受け入れ状況は明らかにされていません。訪問前の問い合わせをおすすめします。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sakenomy.jp / japansake.or.jp / wajimanavi.jp / ishikawa-sake.jp / sakedata.jp / aburayo.jp / maff.go.jp / okunoto-ishikawa.net / hakutousyuzou.jp / chunichi.co.jp / yukawabrewery.com / osaketo-washoku.jp / tokyo-np.co.jp / isico.or.jp / kyodo.co.jp / prtimes.jp / sake-miyazaki.com / kuramaster.com / sakeworld.jp / wajimacci.or.jp

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