森ノ醸造所
代表銘柄:APE・UPAS・森ノ酒
北海道
HOKKAIDO
2025年創業
北海道蘭越町の森の中にある、スパークリング日本酒専業の酒蔵です。七賢で知られる山梨銘醸で醸造責任者を務めた北原亮庫氏が、米どころの蘭越に自らの蔵を建てることを決め、2025年に醸造所を完成させました。原料は蘭越町産の有機栽培米「ななつぼし」のみで、吉野杉の木桶で仕込んでいます。雪の「UPAS(ウパシ)」やバーボン樽で熟成させる火の「APE(アペ)」など、アイヌ語の名前を持つスパークリングを順次発売しており、2026年夏には「NOCIW(ノチウ)」も加わりました。
海底熟成の「ATUY(アトゥイ)」なども予定されています。蔵で唯一炭酸を含まない「森ノ酒」は併設のショップ「森ノ環」などで販売され、2026年3月からは公式オンラインストアでも扱っています。
森ノ醸造所の歩み
森ノ醸造所は、北海道後志地方の蘭越町にあるスパークリング日本酒専業の酒蔵です。代表で醸造家の北原亮庫さんは、1750年創業の山梨県の酒蔵(現・山梨銘醸、銘柄は七賢)の次男に生まれ、東京農業大学で醸造を学びました。岡山県の蔵での修業を経て実家に戻り、2014年に醸造責任者となって酒質の改革を進めるとともに、瓶内二次発酵のスパークリング日本酒の開発に取り組みました。2017年にはSAKE COMPETITION 2017でダイナーズクラブ若手奨励賞を受けています。
転機は、蘭越町で行われていた酒米の試験栽培への助言を求められたことでした。町内に酒蔵はなく、米どころである蘭越に自分の蔵を建てることを2022年に決意し、清らかな小川が流れる3.6ヘクタールの森を購入します。法人としての株式会社森ノ醸造所は2023年10月に設立され、2024年に北原さんは蘭越町へ移住しました。蔵の名前に自分の姓ではなく「森」を選んだのは、この土地に残すべき言葉は森だと考えたからです。
醸造所は2025年秋に完成し、11月に最初の仕込みが始まりました。12月27日には併設のショップ「森ノ環(もりのわ)」のグランドオープンに合わせて、最初の酒「森ノ酒」が発売されています。2026年1月には初のスパークリング「UPAS(ウパシ)」、3月には樽熟成の「APE(アペ)」が続き、4月23日には東京・六本木ヒルズで開かれた日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK」に参加しました。2026年夏には、スパークリングの新商品「NOCIW(ノチウ)」を発売しています。
酒造りの特徴
原料は、蘭越町産の有機栽培米「ななつぼし」のみです。酒造好適米ではなく、地元で広く栽培されてきた食用米を無農薬・無化学肥料栽培を基本として用い、画一的な米ではなく蘭越の風土が宿る一粒一粒と向き合って醸すことを方針としています。仕込みには吉野杉の木桶(2000リットル)を5本使い、麹室はすべて秋田杉で造られています。空調は設けず、自然の換気で温度を管理し、仕込みは週に1本のペースです。
スパークリング日本酒(Sparkling Sake)に特化した醸造所です。発泡する日本酒を日本酒の一ジャンルにとどめず、ワインに対するスパークリングワインのように独立した存在にしたい、という考えからです。炭酸を含まない「森ノ酒」だけが例外で、蔵で唯一のノンガスの日本酒です。
銘柄の多くにはアイヌ語の名前が付けられ、蘭越の「雪、火、海、森」を表します。雪の「UPAS」、バーボン樽で熟成させる火の「APE」に加え、日本海の水深30メートルの海底で熟成させる海の「ATUY(アトゥイ)」が2027年初旬、四季がめぐる中でじっくり熟成させる森の「NITAY(ニタイ)」が2028年に完成する予定です。この4つに加えて、2026年夏には星空を着想源とする「NOCIW」も発売されました。
蔵は樹齢50〜60年の木々が茂る森の中にあり、建設では太い木を残して寿命の近い木を選んで伐採し、重機を使わず馬で運び出す昔ながらの馬搬を行いました。切り出した木はショップのカウンターや器、家具として生かされています。
代表銘柄
APE
アイヌ語で「火」を意味するスパークリング日本酒です。ニセコ連峰が200万年の時を刻む火山群であることに着想を得て、バーボン樽での熟成によって炎の記憶を思わせる香ばしさと、重なり合う余韻を表現しています。2026年2月に完成し、同年3月末からオンラインでの受注が始まり、4月2日から醸造所内のショップ「森ノ環」でも販売と試飲が行われています。
UPAS
アイヌ語で「雪」を意味する、森ノ醸造所が仕込んだ最初のスパークリング日本酒です。グラスに舞い降りる雪の便りをテーマに、微細なおりが泡とともに舞う姿を粉雪に重ねています。蔵では日本酒の新たな世界への入り口と位置づけられており、アルコール度数は12度、容量は720mlです。2026年1月15日にショップで先行販売が始まり、同日にオンライン販売も公開されました。
森ノ酒
森ノ醸造所が初めてリリースした日本酒で、蔵の中で唯一、炭酸を含まないノンガスの酒です。蘭越町産の有機栽培ななつぼしを木桶で少量仕込みし、アルコール度数は13度です。酸基醴酛由来のうま味と柑橘系の酸味が広がり、木桶発酵による苦みや風味が余韻を引き締めます。2025年12月27日に醸造所のショップ「森ノ環」で発売され、約2千本が造られました。当初は醸造所と酒販店に限って販売していましたが、2026年3月からは公式オンラインストアでも扱っています。
NOCIW
2026年夏に発売されたスパークリング日本酒です。蘭越の澄んだ夜空に煌めく星々を着想源とし、繊細な泡が軽やかに立ち上がる、清涼感のある味わいに仕上げています。これまでの個性の強い飲み口の商品に比べ、癖を抑えた爽やかですっきりとした飲みやすい味わいです。公式オンラインストアでは卸売業者専用の商品として扱われています。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 醸造所に併設のショップ「森ノ環(もりのわ)」で、酒の販売と有料試飲ができます。営業時間は10時から15時、定休日は水曜日です。運転の予定がある方は試飲できません。
- 補足
- 製造エリアの見学はできません。予約や取り置きは受け付けておらず、敷地内は全面禁煙で、ペットの同伴はできません。所在地は北海道磯谷郡蘭越町吉国7-8です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 北海道磯谷郡蘭越町吉国7-8
- 創業
- 2025年
- 公式サイト
- morino-brewery.jp
出典
morino-brewery.jp / shop.morino-brewery.jp / sakestreet.com / hokkaido-np.co.jp / shokochukin.co.jp / rankoshi-tourism.com / hokkaido-sake.or.jp
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