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碓氷勝三郎商店

代表銘柄:北の勝

北海道

HOKKAIDO

1887年創業

碓氷勝三郎商店の建物
碓氷勝三郎商店の建物(2009年撮影)「Kita no katsu brewery.jpg」 — 写真:Patricia Tse / CC BY-SA 2.0縮小・WebP変換

1887年(明治20年)に設立された北海道根室市に位置する日本最東端の蔵元。初代・碓氷勝三郎が、当時高価であった本州産の酒に対して「地元で美味しく飲める酒を」と酒造業を起こしたのが始まりである。代表銘柄の「北の勝(きたのかつ)」は、かつて「清泉」「志ら梅」などの酒銘で親しまれた後、昭和17年(1942年)に改名・統一された。敷地内には大正2年に建築されたレンガ造りの酒蔵が現存している。澄み切った空気と冷涼な気候風土のもと、伝統的な技法と基本に徹した酒造りが行われている。

定番酒の「大海」や本醸造のほか、毎年1月に数量限定で発売され入手困難とされる「搾りたて」などが知られる。すっきりとした喉ごしと芳醇で繊細な味わいは地元の魚介類と相性が良く、製造量が限られ、地元以外では手に入りにくい酒も多い地域密着型の酒蔵である。

碓氷勝三郎商店の歩み

根室で「北の勝」の酒造りが始まったのは、1887年(明治20年)のことです。日本最東端の蔵元として知られ、創業者の碓氷勝三郎は明治の初めに新潟から根室へ移り、雑貨商や昆布漁のかたわら缶詰工場や酒造業を立ち上げて根室の産業の土台を築いた人物です。米のとれない土地でありながら、本州から酒米を取り寄せてまで酒造りを始めたのは、当時の根室では大阪など上方から運ばれてくる酒がたいへん高価だったためです。より多くの人が酒を楽しめるように、ここで造ろうという考えが出発点でした。

酒造りに先立つ事業として、鮭・鱒の缶詰製造も手がけました。明治30年以降の鮭の不漁期には、国後島でカニ缶詰、別海でエビ缶詰の生産に取り組んでいます。明治38年(1905年)にはタラバガニの缶詰を商品化し、日本における陸上でのタラバガニ缶詰製造の草分けの一人となりました。大正2年に建てられたレンガ造りの酒蔵が残る敷地では、かつて鮭・鱒の缶詰も作られていました。

創業当初の酒銘は「清泉」「志ら梅」「北龍」などで、明治35年(1902年)には北海道十一州の総合清酒品評会で一等賞を受けています。1942年(昭和17年)には、三代目の勝三郎が創始者である初代を尊び、酒銘を「北の勝」へ改めました。昭和20年の根室大空襲では、レンガ造りの蔵が奇跡的に戦火を免れ、今も酒造りの場として使われています。現在は五代目の碓氷ミナ子さんが当主を務め、株式会社碓氷勝三郎商店として根室管内で唯一の酒造メーカーとなっています。

蔵には「何事も全力を尽くし、造るなら本物を」という教えが代々伝わり、品質を守るため無理な増産はしません。酒蔵での直接販売をあえて行わないのも、地元でお世話になっている酒屋や問屋を大切にし、地元に還元するためです。休漁期の昆布漁師が蔵で働いてきた歴史があり、2025年時点でも休漁期の昆布漁師が蔵で働いています。昔から冬場の働き口にもなってきたとされます。地元の愛飲家が自然に集まって始まった月1回の例会は、1971年9月に始まり、2025年時点でも続いています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても8回入賞しており、うち金賞は平成27酒造年度、令和3酒造年度、令和5酒造年度の3回です。平成25、平成26、平成29、平成30、令和元の各酒造年度も入賞しています。令和3酒造年度には、札幌国税局の新酒鑑評会の吟醸酒の部でも金賞を受賞しました。

酒造りの特徴

日本最東端の地・根室の澄んだ空気と冷涼な気候は、酒造りに向いた環境です。厳しい冬の寒さを生かした低温発酵と、昔から変わらない職人の手仕事で、雑味のないクリアな味わいを目指しています。蔵では8人の仲間がほぼすべての工程を手作業で行っています。最も神経を使うのは、2日間蔵に泊まり込んで手作業で温度を管理する麹造りです。1時間ごとに様子を確かめ、熱くなれば上下を入れ替えるという地道な作業を重ねています。

杜氏は2024年10月に阿部孝一さんが就任し、杜氏の交代は2001年以来23年ぶりとなりました。蔵の杜氏は岩手から日本最東端の根室へ移り、五代目社長の「納得できない酒は一切出さない」という姿勢に惹かれて蔵の門を叩いた人物です。代々のレシピを大切にしながら、地元の人が「変わらないね」と安心して飲める味を守ることを使命としています。

原料米では北海道産への切り替えを進めています。従来は酒米に占める北海道産米の比率が2〜3割でしたが、2026年の新酒から約9割に引き上げました。地酒としての魅力を高めるとともに、根室までの運送費を抑える狙いがあります。冬限定の生酒「搾りたて」も、2026年1月発売分から原料米を山形県産「はえぬき」から北海道産米100%に変えました。蔵は北海道産米100%の酒造りにも挑戦を続けています。

新しい試みも続いています。2026年3月には、北海道産米「ななつぼし」を100%使った純米吟醸酒「北の勝 縁」を限定1600本で発売しました。酒造好適米ではない道産米を使った試験的な地酒で、定番の「大海」よりやや甘い香りが特徴です。毎年8月に発売される限定酒「北の勝 吟醸」は、2025年も2026年も北海道産の「きたしずく」を精米歩合55%まで磨いて仕込み、アルコール度数は16.5%です。

代表銘柄

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北の勝

根室の食卓に寄り添う地酒です。定番の「大海」は口当たりがよくすっきりとした喉越し、「鳳凰」は香味のバランスがよく熱燗にも向き、本醸造は米の旨味を感じるやや辛口です。冬の生酒「搾りたて」は毎年1月の限定発売で、柔らかな口当たりと道産米の甘みがあり、取扱店に行列ができる入手困難な酒です。吟醸、大吟醸、純米酒の限定酒もあります。

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見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵での直接販売はなく、根室市内の酒店や問屋を通じて販売されています。
補足
酒蔵の見学は受け付けておらず、事務所・醸造所も一般公開されていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
北海道根室市常盤町1丁目6番地
創業
1887年

出典

nemuro-kankou.com / hanasaki-line.com / wikipedia.org / kai-hokkaido.com / marimo.or.jp / kitanokatsu.jp / hokkaido-np.co.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / jstage.jst.go.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。