山の壽酒造
代表銘柄:山の壽・BaSaRa
福岡県
FUKUOKA
1818年創業
文政元年(1818年)、久留米藩領内の北野(現在の福岡県久留米市北野町)にて創業された200年以上の歴史を持つ酒蔵です。1991年の大型台風によって醸造蔵が全壊し、一時は休造を余儀なくされる困難に見舞われましたが、蔵を再建して酒造りを再開しました。
2017年には8代目の片山郁代氏が社長に就任。従来の杜氏制から脱却し、若手社員を中心としたチーム制による酒造りへと体制を移行しました。「感性を刺激する酒」「Good Times with Yamanokotobuki」をテーマに掲げ、伝統技術を受け継ぎながら新しい発想を取り入れた酒造りを行っています。
醪(もろみ)由来の発泡感を活かす「泡沫(うたかた)発酵製法」や、定番の「山の壽」とは異なる個性を打ち出す銘柄「BaSaRa」など、多様で独創的な取り組みを積極的に展開しており、全国新酒鑑評会では平成30酒造年度と令和2酒造年度に金賞を受賞しています。
山の壽酒造の歩み
文政元年(1818年)、久留米藩の領内にあった北野の地(現在の福岡県久留米市北野町)で創業しました。耳納連山の麓を流れる筑後川の伏流水と地元の米を生かし、この土地に新たな産業をもたらす清酒造りとして始まった蔵です。社名はかつて「山口合名会社」でしたが、現在は「山の壽酒造株式会社」を名乗っています。
平成3年(1991年)、台風19号によって醸造蔵が全壊し、90基のタンクや醸造設備を失いました。2年間の休造を経て、コンパクトで機能性の高い酒蔵を再建し、酒造りを再開しています。
実家の酒蔵が焼酎ブームのあおりを受けて経営不振に陥ったことから、2006年に家業を継ぐ決意をした片山郁代氏は、九州各地の酒販店を訪ねる営業に取り組みながら、社外のチームとマンゴーとパッションフルーツを使った果実リキュール「フルフルーティ ダブルマンゴー梅酒」を開発しました。この商品は取引先の酒販店を通じて梅酒ランキングで1位を獲得するヒット商品となり、2018年にはレモンを使った「クレイジーレモン」も梅酒全国制覇唎き酒大会2018のリキュール部門で第一位を受賞しています。
それまで蔵に勤めていた杜氏の退任を機に、平成28酒造年度からは杜氏制を廃止し、他の蔵で経験を積んだベテラン杜氏を一年目の指導役に招いたうえで、片山氏自身も蔵人の一人として学びながら、30代以下の若手社員による少数精鋭のチームでの酒造りへと体制を移行しました。2017年には代表取締役社長として8代目当主に就任し、酒質やラベルデザインを一新しています。
2018年には創業二百周年を迎え、記念の蔵開きを開催しました。同年には、世界遺産にも登録された福岡県宗像市で、農薬や化学肥料、有機肥料を使わない自然栽培によって山田錦を育てた農家と協力する宗像日本酒プロジェクトにも取り組んでいます。2023年7月の豪雨で久留米市が大きな被害を受けた際には、自社は被害を免れたものの、復興支援酒を発売して賛同を募り、同年9月に久留米市へ50万円を寄付しました。
酒造りの特徴
酒造りにあたっては、茶道や書道などにも通じる「真行草」という考え方を大切にしています。基本を究めたうえで自由な発想を取り入れる姿勢のもと、伝統的な技術を受け継ぎながら独自の工夫に挑戦しています。麹の分析値を蔵人同士で共有し、意見を出し合いながら酒質を決めていく体制も特徴で、「Good Times with Yamanokotobuki」を掲げ、飲み手だけでなく酒販店や米農家など酒造りに関わる人たちとともに良い時間を生み出すことを目指しています。
醪由来の発酵ガスを通常の生酒よりも多く残す独自の「泡沫(うたかた)発酵製法」を開発し、「ヤマノコトブキ フリークス」シリーズに採用しています。グラスに注ぐと細かな気泡が立ちのぼり、口に含むとプチプチとした発泡感が広がるのが特徴です。このシリーズは新しい醸造方法やオフフレーバーに挑戦する社内の取り組みから生まれたもので、第2弾ではグレープフルーツやマスカットを思わせる香り成分を含んだ酒質を、第3弾では泡沫発酵製法を用いた酒質を打ち出しています。
全国新酒鑑評会の入賞酒目録では、平成14酒造年度以降の記録のうち平成20酒造年度から令和6酒造年度にかけて13回入賞しており、うち金賞は平成30酒造年度と令和2酒造年度の2回です。平成30酒造年度の金賞は、定番の「山の壽 純米大吟醸 山田錦 38」が受賞しました。
全国新酒鑑評会以外の鑑評会でも高い評価を得ています。2018年の第七回福岡県酒類鑑評会では、出品した7種類すべてが金賞を受賞したうえ、純米吟醸酒・純米酒の部(精米歩合51〜59%)に出品した「山の壽 純米酒 雄町」が県内最高位となる県知事賞を受賞しました。また、令和2年の福岡国税局酒類鑑評会でも、吟醸酒の部で「山の壽 純米大吟醸 山田錦 38」、純米酒の部で「山の壽 純米酒 山田錦 宗像日本酒プロジェクト」と「山の壽 純米酒 山田錦」が、二部門の出品酒すべてにおいて金賞を受賞しています。
代表銘柄
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山の壽
山の壽酒造の看板銘柄です。全国新酒鑑評会では平成30酒造年度と令和2酒造年度に金賞を受賞したほか、2018年の第七回福岡県酒類鑑評会では出品酒7種すべてが金賞となり、「山の壽 純米酒 雄町」は県内最高位の県知事賞を受けました。辛口の定番の純米酒から、独自の泡沫発酵製法でガス感を生かした発泡性の「ヤマノコトブキ フリークス」シリーズまで、幅広い商品を展開しています。
楽天で商品を見るBaSaRa
「BaSaRa」は、片山郁代氏が2017年に酒質やラベルデザインを一新して以降に加わった銘柄で、定番の「山の壽」とは異なる個性を打ち出しています。杜氏制を廃止しチーム体制へ移行した蔵が、伝統的な技術を継承しながら自由な発想を重ねる姿勢を体現する一本として位置づけられており、正規特約店の現行の取り扱い一覧には見当たらないため、流通は限定的とみられます。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 補足
- 蔵見学は団体・個人とも受け付けておらず、酒は全国の正規特約店を通じて取り扱われています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福岡県久留米市北野町乙丸1・2合併番地
- 創業
- 1818年
- 公式サイト
- yamanokotobuki.com
出典
fukuoka-sake.org / crossroadfukuoka.jp / fukuokanosake.com / imadeya.co.jp / yamanokotobuki.com / kyusan-u.ac.jp / jp.sake-times.com / fukuoka-keizai.co.jp / saketime.jp / nrib.go.jp / value-press.com / prtimes.jp
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