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盛川酒造

代表銘柄:広島・沙羅双樹・白鴻

広島県

HIROSHIMA

1887年創業

盛川酒造の建物
盛川酒造の建物(2018年撮影)「Morikawa shuzou.jpg」 — 写真:KASEI / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

盛川酒造は1887年(明治20年)に創業し、広島県呉市安浦町の野呂山東麓・野呂川のほとりに蔵を構える酒蔵です。代表銘柄として「白鴻」や「沙羅双樹」などを醸しています。仕込み水には、野呂山系から湧き出るミネラル分が極めて少ない超軟水の地下水を使用しています。超軟水による仕込みは酵母の育成に高度な技術を要しますが、広島杜氏伝統の「軟水醸造法」を受け継ぎ、米の旨味をしっかり引き出した柔らかく芳醇な口当たりとキレの良さを併せ持つ食中酒造りを行っています。

インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門における金メダル受賞やKura Masterでの金賞受賞など、国内外で高い実績と評価を獲得しています。

盛川酒造の歩み

盛川酒造は明治20(1887)年、初代・盛川辰蔵によって創業しました。蔵を構えるのは瀬戸内海国立公園・野呂山の東麓、野呂川のほとりで、現在の行政区画では広島県呉市安浦町にあたります。創業当初の代表銘柄は「盛鶴」でしたが、その後、現在の代表銘柄である「白鴻(はくこう)」に改められました。これとは別に「賀茂司」という銘柄もあり、戦前には台湾へも輸出されていました。

昭和20(1945)年9月、終戦直後の枕崎台風による大水害で、蔵の傍らを流れる野呂川が氾濫し、創業蔵をはじめ本宅を含む7棟の建屋が流失しました。この水害により、蔵のルーツや主要銘柄「白鴻」の由来を伝える古文書も失われ、現在も明らかになっていない事柄が数多く残っています。現在の蔵は、当時の水害を免れた建物を主体としており、一部には川に流された柱を拾い集めて建材として再利用したと伝わります。

現当主・盛川知則は初代から数えて7代目にあたります。家業を継ぐ決心をしたのは平成元(1989)年、先代の急逝を受けてのことでした。当時は異なる業界で会社勤めをしていましたが、日本の文化を海外に伝える仕事をしたいという思いと、家業を継いで日本酒を通じて日本文化を伝えることが重なると気づき、地元に戻る決断をしています。当時、日本酒の輸出はまだほとんど行われていませんでしたが、その後、和食とともに日本酒が海外に広まるなかで、思い描いていたことが現実になりつつあります。

現在、酒造りを担う杜氏は知則の実弟・元晴が務めています。

平成30(2018)年7月には、いわゆる西日本豪雨により地元・呉市安浦町でも甚大な被害が発生しました。盛川酒造も蔵に浸水する被害を受け、一時は蔵までの道路が寸断されて孤立状態となりましたが、従業員に人的被害はなく、周辺道路の復旧とボランティアの助力により蔵内の片付けも進み、商品の出荷を再開しました。同年秋の仕込みに向けて清掃作業を進め、通常の営業に戻りました。

酒造りの特徴

盛川酒造が仕込み水に用いるのは、瀬戸内海国立公園・野呂山の東麓で蔵内に汲み上げる、野呂山系の地下水です。広島県はミネラル分の少ない軟水に恵まれた土地として知られますが、同蔵はそのなかでも屈指の極軟水を用いています。軟水は酵母の生育に必要な栄養素が少なく醸造が難しいとされますが、「軟水醸造法」の父・三浦仙三郎の教えによって広島杜氏がこの難点を克服してきた伝統を受け継ぎ、米の旨味をしっかり引き出した、ふくらみのある味わいの酒を醸しています。

1990年代まで、盛川酒造の製造数量の約9割は、大手蔵へ出荷する「桶売り酒」が占めていました。当時の桶売り酒は、比較的安価な一般食用米を高い精米歩合のまま用い、もろみの後期に甘味を補う「四段仕込」や糖類、醸造アルコールを加えて造る普通酒が中心で、酒米による酒造りとは異なる高い技術と経験が求められるものでした。

この時代に培われた技術と経験を生かし、同じ原料・同じ製法で四段仕込を行いながら、糖類と醸造アルコールを使わずに仕上げたのが「白鴻 四段仕込純米酒 赤ラベル」で、現杜氏にとって自らの酒造りの原点といえる一本になっています。

品質面では、洗米・浸漬を少量ずつのバッチ式で丁寧に行い、仕込みも小仕込みとすることで工程をきめ細かく管理しています。搾りから瓶詰め・火入れまでの工程も見直し、ほぼ全量を生詰・瓶燗・瓶貯蔵とすることで、搾った直後に近い状態のまま酸化を抑えて瓶詰めしており、その結果、火入れ酒にも炭酸ガスが残ることがあります。

白鴻は全国燗酒コンテストで2012・2016・2017・2019年(2件)・2021・2024・2025年に金賞を、2019年には最高金賞を受けており、商品にもぬる燗やあつ燗での飲用を勧める銘柄が並んでいます。

広島国税局清酒鑑評会でも、平成27年(2015)の「燗酒」部門、平成28年(2016)の「香りを主たる特徴とする清酒」部門、平成29年(2017)の「味を主たる特徴とする清酒」部門で優等賞を受けたほか、平成30年(2018)には「吟醸酒」部門と「純米酒」部門で同時受賞、令和2年(2020)・令和4年(2022)・令和5年(2023)にも「純米酒」部門で優等賞を重ねています。令和2年の第115回広島県清酒品評会でも優等賞に選ばれました。

全国新酒鑑評会でも、平成14・17・20・21・24・27・30、令和3の8酒造年度にわたり入賞を重ねています。

代表銘柄

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広島

盛川酒造が受け継ぐ醸造理念は「不易流行」です。不易とは野呂山の水や風土、そして今につないできた蔵と人であり、流行とは「白鴻」という酒の可能性を信じて試行錯誤を重ね、変化し続けることを意味します。蔵主が代々受け継ぐ言葉は「汲むほどに 味も香りも 深き酒」で、味や香りを主張しすぎず、食事とともに楽しめる酒でありたいという蔵の姿勢を表しています。蔵は瀬戸内海国立公園・野呂山の東麓、広島県呉市安浦町にあります。

沙羅双樹

銘柄名は、平家物語の冒頭「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」に由来します。平清盛ゆかりの厳島神社と重ね、広島を代表する酒でありたいという思いが込められた、特別な日にふさわしい酒です。兵庫県特A地区・吉川町産の山田錦を全量使用し、丹精込めて醸されています。令和3酒造年度の全国新酒鑑評会で大吟醸「沙羅双樹」が入賞したほか、純米大吟醸40がインターナショナル・ワイン・チャレンジ2017年シルバー、Kura Master2017年金賞を受けています。

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白鴻

盛川酒造の代表銘柄で、純白清楚な「鴻(おおとり)」が大望を抱いて大空に舞い上がる気概を名に込めています。野呂山系の極軟水による軟水醸造で仕上げるやさしい口あたりが持ち味で、日常の食中酒として造られています。「四段仕込純米酒 赤ラベル」はインターナショナル・ワイン・チャレンジ2014年金賞、Kura Master2019年プラチナ賞・2021年および2023年金賞、2023年サロン・デュ・サケ専門家賞を受け、全国燗酒コンテストでも最高金賞(2019年)を含む複数回の金賞を重ねています。

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見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵の店頭での小売および試飲が可能です
補足
定休日は日曜・祝日です

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
広島県呉市安浦町原畑44
創業
1887年
公式サイト
morikawa-shuzo.com

出典

morikawa-shuzo.com / japansake.or.jp / sake-times.com / sake-hiroshima.com / jfc.go.jp / sakedata.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / pref.hiroshima.lg.jp / sakenowa.com / web.archive.org

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