SAKE BREWERY — YAMAGATA

高木酒造

山形県村山市富並1826 1615年創業

紹介

山形県村山市に蔵を構え、1615年(元和元年)に創業した老舗酒蔵です。仕込み水には奥羽山系・葉山の自然水「桜清水」を使用しています。1990年代、淡麗辛口が主流であった日本酒業界において、フルーティーな香りと芳醇な旨み・甘みを持つ看板銘柄「十四代」を世に送り出し、日本酒のトレンドに大きな変化を与えました。また、蔵元自らが杜氏として現場で酒を醸す「蔵元杜氏」のスタイルの先駆けとしても知られます。自社開発米である「龍の落とし子」「酒未来」「羽州誉」を用いた酒造りや、マイナス温度帯での厳格な品質管理・熟成など、伝統の技術に新たな手法を取り入れた酒造りを行っています。地元向け銘柄「朝日鷹」のほか、「十四代」は入手困難な人気銘柄として全国的に高く評価されています。

歴史

高木酒造は元和元年(1615年)、現在の山形県村山市富並の地で創業しました。奥羽山系・葉山の麓に位置する豪雪地帯で、以来400年以上にわたり酒造りを続けてきた老舗蔵です。高木家の当主は代々「辰五郎」の名を襲名する慣わしがあり、創業から続く家督のしるしとなっています。

かつて高木酒造の看板銘柄は地元向けの「朝日鷹」で、全国的な知名度は高くありませんでした。転機となったのは十四代目・高木辰五郎の代です。同氏は1993年に山形県議会議員に当選し政治活動にも力を注ぎましたが、2022年3月2日に84歳で逝去しました。銘柄「十四代」の名称は、高木家がかつて古酒用の商標として複数の「代」の名を特許庁に申請した際、審査を通過したのが「十四代」のみだったことに由来すると伝えられています。当時の当主が「その名で勝負しろ」と後押しし、以後すべての酒にこの名が用いられるようになったといいます。ただし名称の由来については異説もあり、真相は必ずしも一つに定まっていません。

現当主である十五代目・高木顕統(襲名後は辰五郎)は、村山市富並の蔵で少年期を過ごした後、中学時代から山形市内で一人暮らしを始め、東京農業大学第一高等学校を経て東京農業大学醸造学科に進学しました。卒業後は東京で流通業務を経験し、1993年、25歳のときに蔵へ戻りました。当時、杜氏が高齢のため引退したことを受け、若くして自ら杜氏を兼ねる「蔵元杜氏」となり、経営と醸造を一手に担う体制を築きました。淡麗辛口が主流だった当時の日本酒業界において、あえて芳醇でふくよかな甘みを持つ酒質を追求したことが、後の「十四代」ブームにつながりました。2022年に父である先代が亡くなったことを受け、高木顕統は2023年4月、代々の当主が名乗る「辰五郎」を十五代目として襲名しています。

酒造り

高木顕統は自ら杜氏を務める「蔵元杜氏」として、社長と杜氏を兼務する体制で酒造りに取り組んでいます。酒造りにおいては大量生産による規模拡大ではなく「造り手も飲み手も納得できる酒質」を追求する方針を貫き、量よりも質を優先して生産量を大きく増やすことを目指してきませんでした。

品質管理の面では、氷温帯(マイナス温度)での貯蔵設備を導入し、搾った酒を低温で管理・熟成させることで、フレッシュな香味を保ったまま出荷できる体制を整えています。また酒米の面でも独自路線を取っており、「龍の落とし子」「酒未来」「羽州誉」といった自社開発の酒造好適米を、18年の歳月をかけて育種してきました。仕込み水には奥羽山系・葉山の伏流水である「桜清水」を用いています。

こうした量よりも質を重視する姿勢は、淡麗辛口が全盛だった1990年代の日本酒業界にあって異色であり、芳醇旨口という新しい酒質のジャンルを切り拓く原動力となりました。

蔵データ

所在地

山形県村山市富並1826

創業

1615年(山形県)

代表銘柄

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十四代:「十四代」は、淡麗辛口が主流だった1990年代の日本酒業界に、フルーティーな香りとなめらかな口当たり、穏やかで優しい甘みを持つ「芳醇旨口」の酒質をもたらし、大きな注目を集めた銘柄です。人気の高さから流通量が限られ、入手が難しいことから「幻の日本酒」とも呼ばれています。「十四代本丸秘伝玉返し」をはじめ、純米大吟醸や本醸造など複数のラインを展開し、繊細な香りと上品な甘さを特徴とする商品もあります。

朝日鷹:「朝日鷹」は、高木酒造が「十四代」を確立する以前から手がけてきた、地元・山形県向けの銘柄です。現在も地元での流通が中心で、蔵の膝元でなければ入手しにくいとされています。本醸造ながらフルーティーな香りとふくよかな甘みが感じられる、地元限定流通の生貯蔵酒として親しまれています。

見学・購入

蔵見学

なし

補足

高木酒造は公式サイトを持たず、一般向けの蔵見学・試飲・直売は行っていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

yamagata-sake.or.jp / japansake.or.jp / murayama.lg.jp / nihonmono.jp / wajowaraku.net / sakenoshizuku.com / sakecellar.co.jp / dancyu.jp / sakenomy.jp / sipory.jp / ja.wikipedia.org / city.murayama.lg.jp / hobbytimes.jp / business.nikkei.com / note.com

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