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木内酒造

代表銘柄:菊盛

茨城県

IBARAKI

1823年創業

木内酒造の建物
木内酒造の建物(2008年撮影)「木内酒造 (2284728163).jpg」 — 写真:T. Fukagawa / CC BY-SA 2.0縮小・WebP変換

文政6年(1823年)、常陸国那珂郡鴻巣村の庄屋であった木内儀兵衛により創業されました。代表銘柄である「菊盛」は、幕末の儒者・藤田東湖によって命名しました。酒造りには敷地内の「神賜の井戸水」を仕込み水として使用し、すべての日本酒をアルコール添加を行わない純米酒として醸造しています。山田錦や地元産のひたち錦などを吟味し、伝統的な手法や山廃仕込みを守る一方で、白麹を使った発泡性の純米酒や古代米を用いた仕込みなど、時代に応じた新しい造りにも挑戦しています。

全国新酒鑑評会で金賞2回を含む入賞を重ねているほか、1996年から開始したクラフトビール「常陸野ネストビール」が世界のコンテストで1位を獲得し、2009年には「木内梅酒」が天満天神梅酒大会で日本一(優勝)に輝くなど、国内外の各種鑑評会で高い評価を得ています。

木内酒造の歩み

木内酒造の創業は文政6年(1823年)です。常陸国那珂郡鴻巣村、現在の那珂市鴻巣にあたる地で庄屋を務めていた木内儀兵衛が、水戸藩へ納める年貢米の余りを蔵にしまっておくより酒にして売ろうと考え、交流のあった会津商人から酒造りの道具を買い入れて始めました。創業当初に使った米は年間で白米20石、生産量は4,000リットルほどでした。

当時の水戸では水戸学が提唱され、木内家と縁戚関係にあった藤田東湖の仲立ちで、儀兵衛は多くの学者や志士と交流しました。ある秋の日、庭に咲き誇る菊に日本の繁栄を重ねた東湖によって、木内の酒は「菊盛(きくさかり)」と名付けられました。木内家の母屋の襖には東湖が好んだ杜甫の「飲中八仙歌」が書かれていましたが、火災で一度は失われ、のちに甥の丹誠によって復刻されました。昭和初期に建てられたこの母屋は、現在は改装されてレストラン「母屋」になっています。

大正11年(1922年)には鴻巣の蔵が完成しました。戦後の物不足の時代に、米を節約するためアルコールや砂糖を加える三倍醸造清酒が広まるなかでも、木内酒造はその流れに乗らず、「香り馥郁、味優雅」な日本酒を目指して本物の醸造を心がけました。現在、菊盛はすべてが米だけで醸す純米酒です。

1994年の酒税法改正を受け、1996年(平成8年)に当時の社員4名で常陸野ネストビールの製造を始めました。翌1997年には「アンバーエール」が世界のビールコンテストで第一位金賞を受賞し、2007年には那珂市額田に額田醸造所を新設して量産体制を整えています。2008年に発売した木内梅酒は、2009年の天満天神梅酒大会で日本一になりました。2016年にはウイスキー事業に参入し、2020年に石岡市の八郷蒸溜所を開設、2022年に「日の丸ウイスキー」を世に出しました。

日本酒の蔵から、ビール、梅酒、ウイスキーまで手がける酒造会社へと広がっています。清酒を造る木内酒造合資会社は、2022年に株式会社木内酒造1823へ商号を改めました。現在も鴻巣の蔵で菊盛を醸しており、ビールやウイスキーなどの事業は、同じグループの木内酒造株式会社とともに営まれています。

清酒の受賞では、全国新酒鑑評会に出品する商標「菊盛」が、平成14酒造年度以降に11回入賞しています。平成14・15・16・17・20・21・22・24酒造年度と令和元・4・5酒造年度で、このうち平成17酒造年度と平成21酒造年度は金賞で、平成21酒造年度の金賞は、茨城県オリジナルの酒造好適米ひたち錦で醸した純米大吟醸でした。令和4酒造年度は出品818点のうち入賞394点に入りました。関東信越国税局酒類鑑評会でも、第90回と第91回の純米吟醸酒の部で優秀賞を受けています。

酒造りの特徴

酒造りの要は米だと考え、木内酒造は酒米を農家や農協の協力を得て契約栽培しています。かねてからの望みだった常陸野産の山田錦を使った菊盛は、那珂市の米農家の協力で実現しました。山田錦の産地である兵庫県加西市の農家のほか、茨城県内の酒米研究会とも契約し、美山錦や五百万石、若水などを育ててもらってきました。茨城県産の酒米ひたち錦を使った純米大吟醸「風と水」のような、地元産の米にこだわった酒もあります。

仕込み水は、蔵の敷地内の井戸から湧く地下水です。鉄分や有機物を含まない、中硬水に近い軟水で、蔵では「神賜の井戸水」と呼んでいます。蔵の所在する那珂台地は、東に久慈川、西に那珂川がはさむ水と緑の豊かな土地で、蔵の約1キロ東には、万葉の昔に井戸から酒が湧いたという伝説の残る「酒井出(さかいで)」という地名があります。

精米は1回に1,200キログラムを処理できる大型の精米機で行い、純米酒は65%、純米吟醸は50%、鑑評会用に造る大吟醸は40%まで磨きます。精米した米は2週間から1か月ほど「枯らし」て水分を均一にし、精白率が50%より低い米は崩れやすいため手で洗います。蒸し米の20%を麹にして、48時間かけて製麹します。酵母は自社で研究開発したものを使い、大吟醸には華やかな香りの酵母を、味わい重視の純米酒にはどっしりとした深い風味の酵母を充てています。

酒母を1週間から3週間ほど発酵させたのちにもろみを仕込み、仕込みから20日ほどで果実のような香りを放つもろみに仕上げます。

造り手は、伝統的な南部杜氏の技を受け継ぎながら、近年は自社の杜氏が菊盛を醸しています。2026年時点では中村幸代さんが杜氏を務めています。山廃仕込みの純米酒を蔵の中で一年以上熟成させた山廃原酒、秋田杉の木樽で30日熟成させた純米樽酒、薄紅色の古代米の酒「朝紫」、白麹の酸が爽やかな発泡性純米酒「淡雫」など、定番から挑戦的な酒まで幅広く手がけます。鴻巣の蔵では清酒のほか、ワインやリキュールも醸造しています。

代表銘柄

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菊盛

木内酒造の清酒の銘柄で、創業の文政6年(1823年)から続く純米酒です。名は藤田東湖が庭の菊に日本の繁栄を重ねて付けました。定番の純米酒は精米歩合65%、純米吟醸は兵庫県産山田錦を50%まで磨いて仕込みます。ほかに山廃原酒、秋田杉の樽で30日熟成した樽酒、古代米の朝紫、ひたち錦の純米大吟醸「風と水」、鑑評会用の大吟醸を3年熟成した古酒「月下香」があります。

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見学・購入

蔵見学
なし
直売所
本店は那珂市鴻巣の鴻巣の蔵の敷地内にあり、営業時間は10時から18時30分、きき酒処は10時から17時です。水戸駅のエクセルみなみ3階にある直営店「木内酒造1823 水戸」でも、菊盛を購入でき、きき酒処で一杯から楽しめます。
補足
日本酒の酒蔵見学ツアーは、蔵の改装工事のため当面休止しています。売店での買い物と試飲は通常どおり利用でき、敷地内には蕎麦処「蔵+蕎麦 な嘉屋」、完全予約制のレストラン「母屋」、自分でビールを仕込める「手造りビール工房」があります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
茨城県那珂市鴻巣1257(本社:茨城県那珂市南酒出808)
創業
1823年
公式サイト
kiuchibrewery.co.jp

出典

ibarakiguide.jp / kiuchibrewery.co.jp / naka.lg.jp / monogatari-sake.com / rakuten.ne.jp / yoppawriter.com / diamond.jp / kiuchi.shop / sake-sake.biz / city.naka.lg.jp / ibaho.jp / nanbutoji.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp

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