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森田酒造

代表銘柄:萬年雪

岡山県

OKAYAMA

1909年創業

岡山県倉敷市の倉敷美観地区に位置する明治42年(1909年)創業の酒蔵で、美観地区を含む倉敷の中心市街地に残る唯一の酒蔵です(2022年時点)。元は豪商であった森田家が米の付加価値を高めるために酒造業を始めた歴史を持ち、製造するお酒のほとんどに代表銘柄である「萬年雪」の名が冠せられており、高梁川の伏流水や岡山県産の米を原料に、昔ながらの完全開放醗酵方式など「非効率」とも称される手間暇をかけた伝統製法で仕込んでいます。現在も使用されている油圧式の昇降圧搾機は、2020年5月に産業遺産学会推薦産業遺産に認定されました。

受賞歴としては、全国新酒鑑評会で金賞を2回(2003年、2013年)、広島国税局の鑑評会で2011年から2015年まで5年続けて優等賞を受け、2024年と2025年には燗酒部門で「萬年雪 本醸造辛口酒 辛萬」が優等賞を受賞しています。

森田酒造の歩み

森田酒造は、倉敷美観地区にほど近い本町通り沿いにある、1909年(明治42年)創業の造り酒屋です。創業者は初代の森田尚二で、目の前には阿智神社の南参道口があります。2022年時点で、美観地区を含む倉敷の中心市街地に残る唯一の酒蔵です。玄関先には杉玉が下がっています。

明治時代の森田家は畳表やござを扱う豪商で、価格が変動する米を使って、より安定して利益を生む付加価値の高いものを、という考えから造り酒屋を始めました。当初は米作りと酒造りを並行していましたが、農地改革の後は酒造業一本に絞っています。

現在は三代目の森田昭一郎さんが代表取締役を務めています。約20年前に、他社銘柄向けの桶売り(約3,000石、54万リットル)をやめて自社銘柄に集約し、売上の8割以上を直販が占める体制へ転換しました。増産や広告の拡大はせず、現行の規模のまま製法を守る方針で、蔵見学と店舗販売を組み合わせた経営を進めています。観光地の立地を生かして蔵を開放しており、年間の見学者は約3千人、その半数を海外からの客が占めています。

敷地内には、約400年の歴史をもち、倉敷市内で現存最古の民間庭園である日本庭園「古禄の庭」があります。庭に面した茶室の名は「平翠軒」で、蔵の西隣で森田昭一郎さんが選んだ全国の食品を扱う食のセレクトショップ「おいしいものブティック 平翠軒」の店名の由来にもなりました。店は大正時代に建てられた倉庫を改装したものです。

鑑評会では、全国新酒鑑評会では金賞を2回(2003年、2013年)、入賞を2回(2004年、2025年)受賞しています。広島国税局では、2002年の新酒鑑評会と2003年の清酒鑑評会で入賞し、2011年から2015年まで5年続けて優等賞を受けました。

2011年は純米吟醸酒の部の「純米吟醸 一滴」、2012年は燗酒部門の「萬年雪 本醸造辛口酒」、2013年は香りを主たる特徴とする清酒部門の「萬年雪 森田大吟醸」、2014年は味を主たる特徴とする清酒部門の「萬年雪 大吟醸 花百年」、2015年は香りを主たる特徴とする清酒部門の「森田 大吟醸」です。2024年と2025年には燗酒部門で「萬年雪 本醸造辛口酒 辛萬」が2年続けて優等賞を受賞しています。

酒造りの特徴

森田酒造の酒造りは、今では大変珍しくなった昔ながらの完全開放発酵方式が軸です。蔵は「森田流非効率的酒造り」をコンセプトに掲げ、手間と時間をかけた造りを続けています。仕込みは11月下旬から3月上旬まで、毎日1本ずつ行い、麹、酒母、蒸米、仕込水を合わせて約20日で日本酒に仕上がります。酒質は辛口志向ですが、長期の開放発酵によって、角がなく優しく濃い味わいを目指しています。

原料米は、大吟醸には兵庫県産の山田錦を使い、日ごろ飲む酒には産地を指定した岡山県産の朝日とあけぼのの一等米を使います。高梁川沿いで収穫される朝日米やあけぼの米は、よくしまっていて酒造りに適した米です。仕込水は軟水の高梁川の伏流水で、淡麗でやさしい酒質になります。2012年当時は、吟醸造りに新見市(旧哲多郡)の金附山の地底湖の水も使っていました。毎日約1トン半の米を蒸し、麹は室温35度、湿度83パーセントの室で48時間かけて育てます。酒母では蔵独自の家付き酵母も使います。

上槽には、油圧式の昇降圧搾機の初期の形態をもつ旧式の圧搾機を使います。蔵内では「フネ」と呼ばれ、現役で稼働する希少なものとして、2020年5月に産業遺産学会の推薦産業遺産に認定されました。新式の機械より気難しく特殊な技術が要りますが、なによりも酒にやさしい搾り方をしてくれる機械で、この圧搾機への思い入れが蔵の唯一のこだわりです。搾りの袋から自然に流れ出る最初の酒を採る荒走りは、この圧搾機だからこそ採れる酒で、毎朝5時から6時までの上槽作業中にだけ得られます。

出来上がった酒は、早いもので2か月、遅いもので3年、適した温度で貯蔵します。瓶詰めの際は4〜5種類の個性の違う酒をある割合でブレンドし、その率は代表の森田昭一郎さんだけが決めます。酒は生鮮品という考えから、在庫は2〜3日分しか持たない方針です。造る酒は約50種に及び、そのほとんどに「萬年雪」の名が冠されます。販路はインターネット通販を含め、直販が基本です。

代表銘柄

萬年雪

萬年雪は森田酒造が造るほとんどの酒に冠される銘柄で、造る酒は約50種あります。酒質は辛口志向で、本醸造の「激辛」や「辛萬」のほか、純米酒、吟醸、大吟醸まで揃います。看板は荒走りで、本醸造、純米、純米吟醸、激辛の4種があり、本醸造と純米は12月20日から新酒の発売が始まります。「森田大吟醸」は山田錦を磨いたコンテスト用の限定酒、「辛萬」は岡山県産あけぼの一等米の本醸造で、2024年と2025年の広島国税局清酒鑑評会の燗酒部門で優等賞を受けました。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の西隣にある「おいしいものブティック 平翠軒」で購入できます。平翠軒のオンラインストアでも扱っています。
補足
酒蔵見学は4月から10月末までで、予約制です。時間は14時、15時、16時の各回で、料金は1人1,500円(税込)で、試飲とお土産が付きます。小学生以下は無料ですが、お土産はありません。希望日の1週間前までに、日時、人数、代表者の氏名、電話番号をメールで連絡します。ほかの客と一緒の案内になる場合があります。訪日外国人向けには、英語対応ガイドによるプレミアム酒蔵見学と利き酒体験(3,000円、60〜90分)もあります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岡山県倉敷市本町8-8
創業
1909年
公式サイト
www.moritasyuzou.co.jp

出典

kurashiki-tabi.jp / kuratoco.com / sakagura-press.com / moritasyuzou.co.jp / heisuiken.co.jp / kinenbi-kurashiki.jp / kankou-kurashiki.jp / maff.go.jp / keizai.info / okayama-kanko.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / okasake.com

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