稲川酒造店
代表銘柄:七重郎・夢の香
福島県
FUKUSHIMA
1848年創業
嘉永元年(1848年)に創業した、福島県猪苗代町にある酒蔵です。銘柄名の「稲川」は、日本酒の命である米を表す「稲」と、名峰・磐梯山の伏流水を表す「川」に由来するとされています。地元出身の蔵人たちが手造りにこだわり、品質第一の伝統を守りながら酒造りを行っています。代々当主が襲名してきた名を冠した看板銘柄「七重郎」は、米本来の旨味を引き出すために低温でじっくり醸造される無濾過原酒シリーズです。酒米には「五百万石」や「美山錦」のほか、県産の「夢の香」なども使用されています。
全国新酒鑑評会における「稲川」や「七重郎」の金賞受賞をはじめ、南部杜氏自醸清酒鑑評会や福島県秋季鑑評会でも多数の受賞歴があり、質の高い酒造りが高く評価されています。
稲川酒造店の歩み
稲川酒造店は、名峰・磐梯山の恵みを受けるその麓、現在の耶麻郡猪苗代町にあたる地で、嘉永元年(1848年)に創業しました。会津地方はもともと酒造りが盛んな土地で、猪苗代町にもかつて3軒の造り酒屋がありましたが、今ではこの蔵だけが残っています。蔵人は全員が地元出身で、郷土を愛する気持ちを大切にしながら、真の地酒づくりに取り組んでいます。
経営体制は合資会社で、看板銘柄「稲川」の名前は、日本酒にとって命ともいえる米と水を表しており、米を「稲」に、磐梯山の伏流水を「川」になぞらえて名付けられました。蔵では「酒造りは人づくり」という言葉を大切にし、蔵人どうしのチームワークを重んじながら酒を醸しています。
もうひとつの看板銘柄「七重郎」は、代々の当主が受け継いできた名を冠した銘柄で、先代の当主が世に送り出しました。人気の高い純米大吟醸無濾過原酒「七重郎・白ラベル」(山田錦仕込み)も、東日本大震災の直前に先代が発売したものです。先代は震災の混乱が続く2011年8月に急逝し、その後を継いだのが現在の代表社員で6代目の塩谷隆一郎さんです。もとは「稲川」に次ぐ第2銘柄だった「七重郎」は、その後、蔵のメイン銘柄に育っています。
全国新酒鑑評会の入賞酒目録では、平成14酒造年度以降だけでも「稲川」または「七重郎」の名で13回入賞しており、うち9回が金賞です。金賞は、平成17・18・21・26・28・30の各酒造年度が「稲川」の名で、平成23・24酒造年度と令和3酒造年度が「七重郎」の名でした。平成28酒造年度に「稲川・大吟醸」が金賞を受けた年には、福島県全体としても金賞受賞数で5年連続の全国一位となり、当蔵もその一翼を担いました。
令和元酒造年度には「七重郎・白ラベル」が入賞しましたが、この年は新型コロナウイルスの影響で最終審査そのものが行われず、金賞は選ばれていません。
南部杜氏自醸清酒鑑評会では、2015年に純米酒部門の「稲川・百十五」が蔵として初めて全国1位となりました。2016年の第97回大会では、吟醸酒の部で「稲川・大吟醸」が優等賞、純米吟醸酒の部で「七重郎・白ラベル」が全国第5位、純米酒の部で「稲川・百十五」が優等賞となり、三部門すべてで入賞を果たしたのは福島県内で稲川酒造店だけでした。翌2017年の第98回大会では、純米吟醸酒の部の「七重郎・白ラベル」が全国第3位に入っています。
2024年の第105回大会でも、吟醸酒の部の「大吟醸稲川」と純米酒の部の「七重郎・白ラベル」がそろって優等賞を受賞しました。東北清酒鑑評会でも2007・2008・2009・2013・2016・2017年に優等賞を受賞し、2022年には純米酒部門の「七重郎・白ラベル」が最優秀賞に選ばれました。福島県の春季・秋季鑑評会でも、2005年から2024年にかけて20回、金賞や県知事賞を受賞しています。2009年には「七重郎・赤ラベル」が福島県ブランド認証産品に指定されました。
酒造りの特徴
看板銘柄「七重郎」には赤・黒・白・青の4種のラベルがあり、いずれも搾った後に濾過をせず、そのまま瓶詰めした原酒として仕上げています。酒米は福島県産の「五百万石」を中心に、長野県産の「美山錦」や「山田錦」も用い、精米歩合は55%から35%まで銘柄ごとに使い分けています。米本来の旨味を引き出すために、低温で日数をかけてじっくり発酵させるのが蔵の一貫した方針です。
吟醸酒には、福島県が新たに開発した酒造好適米「福乃香」を100%使用した純米吟醸酒もあり、ふくよかな香りと雑味の少ないやわらかな口当たりに仕上げています。
杜氏の阿部毅さんは、国道115号沿いにある自分の水田で、福島県が「五百万石」を超える酒米を目指して八反錦1号を母、出羽燦々を父に交配し、10年がかりで開発した酒造好適米「夢の香」を栽培しています。この米を仕込んだ純米酒は「百十五」として製品化され、2015年の南部杜氏自醸清酒鑑評会では純米酒部門の全国1位に選ばれました。「夢の香」は2005年の福島県春季鑑評会で、第1回の県知事賞を受賞しています。
代表銘柄
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七重郎
稲川酒造店の看板銘柄で、代々の当主が受け継いできた名を冠しています。もとは「稲川」に次ぐ第2銘柄でしたが、現在は蔵のメイン銘柄に育ちました。赤・黒・白・青の各ラベルがあり、いずれも濾過をせずに瓶詰めした原酒です。白ラベルは全国新酒鑑評会で平成23・24酒造年度と令和3酒造年度に金賞を受賞し、令和4年の東北清酒鑑評会純米酒部門では最優秀賞にも選ばれました。
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福島県が「五百万石」を超える酒米を目指し、八反錦1号を母、出羽燦々を父として交配し、10年がかりで開発した酒造好適米です。稲川酒造店の杜氏・阿部毅さんが国道115号沿いに所有する自分の水田でこの米を栽培しており、仕込んだ純米酒は「百十五」として製品化されています。2005年の福島県春季鑑評会では、第1回の県知事賞を受賞しました。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵の店舗で直接購入できます。インターネット通販は行っておらず、注文は電話・FAX・メールで受け付けています。支払いは現金のみでクレジットカードは使えず、地方への発送は代金引換で対応しています。
- 補足
- 営業時間は8時30分から17時までです。蔵見学は現在行っていませんが、店舗での試飲・販売は可能です。10名以上でご来店の場合は、事前に電話でご連絡ください。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福島県耶麻郡猪苗代町字新町4916
- 創業
- 1848年
- 公式サイト
- www.sake-inagawa.com
出典
sakenomy.jp / jimdoweb.com / fukunosake.com / fks-ab.co.jp / f-sake.com / sake-inagawa.com / bandaisan.or.jp / tif.ne.jp / kennan-syuhan.co.jp / saketime.jp / nrib.go.jp
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