駿河酒造場
代表銘柄:天虹
静岡県
SHIZUOKA
2010年創業
静岡県静岡市駿河区にある駿河酒造場は、2009年(平成21年)に廃業した老舗・吉屋酒造の酒造免許や地酒ブランドを引き継ぎ、2010年(平成22年)に掛川から現在地へ生産拠点を移し、社名を改めて発足した酒蔵です。代表銘柄には「天虹」や、旧蔵から継承した「忠正」などがあります。
仕込み水には南アルプスを源流とする一級河川・安倍川の伏流水を使用。静岡酵母を用い、全量袋取りや槽搾りを行うなど、少数精鋭による手作業・手造りにこだわった酒造りを実践しています。様々な料理の味を引き立てる、キレ味と膨らみのある穏やかな味わいの食中酒を目指した酒造りが特徴です。
2014年(平成25酒造年度)の全国新酒鑑評会で初の金賞を受賞したほか、静岡県清酒鑑評会での会長賞や名古屋国税局酒類鑑評会での優等賞など、多数の鑑評会で高い評価を獲得しています。
駿河酒造場の歩み
駿河酒造場のはじまりは、静岡市生まれの萩原吉宗氏が脱サラして志した酒造りにさかのぼります。吉宗氏は菊川市の蔵で酒造りの指導を受けたのち、慶応3年(1867年)創業で2000年を前に休業状態となっていた掛川市の「曽我鶴」の酒造施設を借り受け、2004年に株式会社曽我鶴・萩の蔵酒造として活動を始めました。修繕と掃除におよそ1年かけて酒造りにこぎ着け、当時の主力銘柄は「萩の蔵」でした。掛川の地酒として親しまれてきた「曽我鶴」「一豊」「掛川城」も継承し、自社ブランドの「天虹」もこの掛川の時代に造られ始めました。
転機は、静岡市の老舗・吉屋酒造の廃業でした。吉屋酒造は宝暦元年(1751年)の創業で、浅間神社の北西、安倍街道沿いの葵区材木町に蔵を構え、山岡鉄舟をはじめ多くの著名人に愛された「忠正」を醸していました。後継者と杜氏の高齢化を理由に、2009年3月31日をもって258年の歴史に幕を下ろしました。特別本醸造「安倍街道」も、この蔵の銘柄です。
吉屋酒造の免許を譲り受けた萩の蔵酒造は、2010年、生産拠点を掛川から安倍川の伏流水が豊富な静岡市駿河区西脇へ移し、社名を株式会社駿河酒造場に改めました。「忠正」や「安倍街道」の銘柄を引き継ぎ、機械の多くを吉屋酒造から運び入れ、従業員数人もそのまま移ってきました。新しい蔵は元は商業施設だった建物を改装したもので、天井の高さも作業動線も酒造りを前提に設計されていなかったため、移転当初は苦労が続き、いまも建物と設備に手を入れて改良を重ねています。
初代蔵元の萩原吉宗氏に代わり、甥の萩原大吾氏が新拠点2年目の酒造りの指揮を引き継ぎました。2011年には南部杜氏の葛巻文夫氏を迎えています。葛巻杜氏は、南部杜氏自醸清酒鑑評会で15年連続の優等賞(うち主席1回)を受けた実績を持つ名人で、洗米をとにかく丁寧にという姿勢を蔵に根づかせました。2026年時点では萩原大吾氏が代表を務め、杜氏も兼ねています。
全国新酒鑑評会では、平成25酒造年度に「天虹」が駿河酒造場として初めて金賞を受賞しました。葛巻杜氏を迎えて3年目の快挙です。平成29酒造年度にも「天虹」が入賞しています。曽我鶴・萩の蔵酒造の時代には平成17・18酒造年度に「萩の蔵」が入賞し、吉屋酒造の「忠正」は平成14酒造年度に金賞、平成15・17酒造年度に入賞しました。
名古屋国税局酒類鑑評会では、曽我鶴・萩の蔵酒造の時代に第54回の吟醸酒の部、第55回市販酒の部の純米酒の部、第56回の本醸造酒の部で「萩の蔵」が優等賞を受け、駿河酒造場になってからは平成27年度と平成28年度に「天虹」が本醸造酒の部で優等賞を受けています。静岡県清酒鑑評会の会長賞は、平成24年から令和8年にかけて吟醸酒の部で8回、純米吟醸酒の部で11回受けており、平成26年から30年は両部門での受賞です。
吉屋酒造も名古屋国税局酒類鑑評会の第50回から第57回まで(第53回を除く)、吟醸酒の部や純米酒の部で入賞・優等賞の名簿に名を連ねました。
酒造りの特徴
仕込み水は、南アルプスを源流とする一級河川・安倍川の伏流水です。やわらかな水で、お酒にもその性質が表れ、トゲのない、やわらかくてキレのある酒質になると萩原杜氏は考えています。洗米、麹造りは手作業で行い、搾りは全量を袋取りして槽で搾ります。この搾り方は、萩原杜氏が酒造りに携わって2年目ごろから、大吟醸の搾り方に切り替えたものです。麹室の内部には、殺菌効果があるとされる秋田杉の板が全面に貼られています。
2017年ごろには、仕込みから瓶詰め、ラベル貼りまでを少数精鋭の6名で行っていました。人の手でする作業は以前よりも増やしており、米を洗うところから基本はすべて手作業です。酒母づくりにもさまざまな試みを重ねています。
目指す酒質は、料理の邪魔をせず口の中をさっぱりさせる、味の膨らみとキレを備えた食中酒です。辛口を軸にしており、日本酒度は+15のものまで造ります。使う酒米は日本晴や美山錦が中心で、誉富士や秋田県産の酒こまちなども用い、静岡酵母で醸す銘柄もあります。蔵元は酒販店「にしきや」も営んでおり、お客様の声を直接聞けることを酒造りに生かしています。
代表銘柄
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天虹
駿河酒造場のオリジナル銘柄で、掛川の時代に造られ始め、いまでは静岡市の定番として親しまれています。特別純米は誉富士を精米歩合60%まで磨き、アルコール分15〜16度、日本酒度+5.0です。純米吟醸には、秋田県産の酒こまちを精米歩合55%まで磨いて静岡酵母で醸したものがあり、辛口の「天虹 大竜爪」も揃います。平成25酒造年度の全国新酒鑑評会では、この銘柄で金賞を受賞しました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 直売所
- 蔵元が営む酒販店「にしきや」(静岡市駿河区西脇302)などで購入できます。公式のオンラインショップもあります。
- 補足
- 製造場は静岡市駿河区西脇25-1で、最寄りは大浜麻機線の「中村町下」バス停から徒歩1分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 静岡県静岡市駿河区西脇25-1
- 創業
- 2010年
出典
sakenomy.jp / shizuoka-sake.jp / chafuka.jp / at-s.com / base.ec / hybreeze.net / sake-online.com / homarefuji.com / liqlog.com / ameblo.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / saketime.jp / blog.goo.ne.jp / sake.eshizuoka.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / izu-maruya.com
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