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稲花酒造

代表銘柄:上総の国 一ノ宮・稲花

千葉県

CHIBA

稲花酒造は千葉県長生郡一宮町に位置し、文政年間(1818〜1830年)から酒造りを行っている老舗酒蔵です。日本で初めて「扁平精米」の理論を導入・実践した蔵元として知られています。仕込み水は、水道水と井戸水を逆浸透膜(RO法)でろ過したものを使用し、きめ細かくキレのある酒質に仕上げています。伝統を守りつつも理論と感性を大切にし、料理とともに味わう食中酒としての旨味を追求した酒造りを行っています。

代表銘柄には「稲花(稲花正宗)」や地元にちなんだ「上総の国 一ノ宮」などがあり、限定品の大吟醸「金龍稲花」や熟成古酒「Pegasus」シリーズなども手掛けています。昭和33年(1958年)の全国品評会で金賞を受賞した実績もあります。

稲花酒造の歩み

稲花酒造のルーツは美濃の武家にあります。もともと土岐家に仕えていた武家が、およそ450年前に庄屋として現在の千葉県長生郡一宮町東浪見にあたる地へ移り住み、米が豊作になったことをきっかけに酒を醸したところ、地元の漁師たちに振る舞った酒が大変な評判を呼んだと伝えられています。酒造りを始めた正確な時期ははっきりしませんが、江戸の文政年間(1818〜1830年)にはすでに酒造業を営んでいたことを示す造石申請書が上智大学に残されており、少なくとも約250年の歴史を持つ酒蔵です。

蔵の名であり看板銘柄でもある「稲花正宗」は、六代目当主が詠んだ俳句にちなんで名付けられました。

明治の頃からは吟醸酒づくりにも取り組んできたと伝えられています。かつては越後杜氏や南部杜氏を蔵に招いて酒を仕込んでいましたが、現在では蔵元を含む家族が杜氏を務め、親子を含む4名の蔵人が11月に一度だけ仕込みを行っています。生産量もかつての2,000石規模から、現在は250〜300石ほどの家族経営に転じ、卸を介さず消費者に直接届けることにこだわっています。現在の代表を務める秋場貴子氏は秋場家の長女で、東京農業大学の醸造学科で発酵学者の小泉武夫教授に学んだのち、明治屋での勤務や他の酒蔵での研鑽を経て蔵に入りました。

稲花酒造は、米をラグビーボールのような形に沿って磨く「扁平精米」を、日本で初めて酒造りに導入した蔵として知られています。1993年に学会誌で発表された理論を現場で初めて実証したのがこの蔵で、以来技術を磨き続け、現在では蔵の日本酒のほとんどをこの製法で醸しています。もともと淡麗辛口だった稲花の酒は、扁平精米の導入によって「味の濃さ」と「キレ味」という本来相反する二つの要素を両立できるようになりました。

昭和33年(1958年)には全国品評会で金賞を受賞した実績もあります。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降の記録において平成16酒造年度に大吟醸「金龍稲花正宗」で金賞を受賞したほか、平成19・22・24・25酒造年度にも入賞しています。地方の鑑評会にも実績があり、東京国税局酒類鑑評会では平成29年に清酒燗酒部門で「稲花正宗」、平成30年に清酒純米燗酒部門で「純米 稲花正宗」、令和元年に清酒吟醸部門で「金龍稲花」がそれぞれ優等賞を受賞し、3年連続の受賞となりました。

酒造りの特徴

稲花酒造の酒造りを貫くのは、「材料に頼らず、技術で醸す」という姿勢です。目指す酒質を先に設計し、そこから精米歩合や酵母、仕込み配合を逆算して決めていく「臨機応変」な酒造りを信条とし、いわゆる自然派と呼ばれる成り行き任せの造りは志向していません。鑑評会での評価を狙うのではなく、食卓で旨いと感じてもらえる酒を造ることを目標に掲げています。

大吟醸「金龍稲花」はその姿勢を体現する一本です。鑑評会向けの酒質は甘みを強く出す設計になりやすく、食事と合わせると甘さが料理の味を邪魔してしまうとして、稲花酒造はあえて鑑評会での評価を狙わない大吟醸造りを選びました。兵庫県産山田錦を38%まで磨き、M310酵母で果実のような香りと味わいを両立させています。このお酒に限っては扁平精米を用いず、通常の精米方法で38%まで磨くことをよしとしています。無濾過の生原酒に仕上げたタイプは一般には流通させず、蔵からの直販に限定して届けています。

仕込み水は、かつては隣町の長南町の湧水をタンクローリーで運んで使用していました。近年は、日本有数のヨウ素産地である九十九里地域で地下水の状況に変化が生じていることから、水道水と井戸水を逆浸透膜(RO)でろ過したものに切り替えています。原料米は自社で栽培せず契約栽培農家から仕入れ、扁平精米に対応した設備を持つ埼玉県の精米業者に委託して精米しています。

熟成古酒には「Pegasus」シリーズがあります。古酒にするための酒をあらかじめ仕込むのではなく、まず美味しい酒を造ったうえで醸造から1〜2年後にきき酒を行い、官能で「これだ」と判断できた酒だけを熟成させて古酒とする方針です。年数の長さではなく、あくまで官能評価を基準としており、狙った熟成にならなかった酒は古酒にはしません。

代表銘柄

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上総の国 一ノ宮

地元・一宮町の名を冠した純米吟醸です。稲花酒造の看板技術である扁平精米で60%まで磨いた広島県産八反錦を、M310酵母で醸しています。瓶燗火入れをした無濾過酒と、火入れをしない無濾過生原酒の2タイプがあり、生原酒はアルコール分16度で原酒らしい厚みを残しながらキレの良い後口に仕上がっています。本醸造タイプも展開しています。

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稲花

稲花酒造の看板銘柄で、純米大吟醸から普通酒まで幅広い特定名称をこの名で展開しています。低アルコール(12度)の純米原酒「やわくち」は、1979年の東京サミット晩餐で英国のサッチャー首相に供するために造られました。市原市の難読地名を冠した180mlのミニボトルシリーズや、春限定の桃色にごり酒など遊び心のある商品も揃えています。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の直売所とオンラインショップで購入できます。来蔵者には蔵元おすすめの3種を無料で試飲でき、10種類以上をじっくり試せる有料試飲(30分1,000円)も用意されています。少人数での運営のため、日によっては試飲の対応が難しい場合があり、事前の問い合わせが推奨されています。
補足
酒蔵見学は完全予約制・1組貸切で、蔵元または杜氏が60〜90分かけて案内します。大吟醸を含む10種類以上の試飲(最長60分)を含み、料金は1〜2名3,000円、3〜10名1,500円、11名以上1,000円で、いずれも税込・1人あたりの金額となっています。運転者と20歳未満の方への試飲提供はありません。菌叢維持のため、他の酒蔵をすでに見学した当日は蔵見学を受け付けていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
千葉県長生郡一宮町東浪見5841
公式サイト
inahana.co.jp

出典

jalan.net / resol-no-mori.com / chibasake.com / doyu.jp / maruchiba.jp / directforce.net / inahana.co.jp / kuraku.co.jp / kamata-nomoukai.com / murasugisaketen.jp / flex-inter.co.jp / chiba-sake.jp / ichinomiya.org / nrib.go.jp / nta.go.jp / sakenowa.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。